大学受験|古文

名人の授業・気鋭の講師


名人の授業シリーズ 荻野の古文レッスン(上)



講義のはじめに
 みなさん、こんにちは。古文の荻野文子です。
 古文って、勉強をはじめるとっかかりが、なかなかつかめない科目ですよね。私自身も、受験生のころに、何をどう勉強すればいいのかわかりませんでした。古典文法・品詞分解の参考書や問題集などは、書店に行けばところ狭しと並んでるんだけどね。
  私の実家も本屋をやっていまして、いってみれば参考書に囲まれて育った……(笑)。でも、どんなに読んでもダメなんですよ、理解できないんです。勉強のやり方がわからなかったんです。
 文法書を見ても、ある程度は読めないと理解できないし、かといって、いきなり問題集に取り組んでも、文法がわからなければ読めません。設問の意味すら理解もできないんです。じゃぁ、いったい何からはじめたらいいのでしょうか。みなさんも、同じような悪循環を感じて、イライラしていませんか? この講義は、私自身の体験をもとに生まれました。美しい全訳なんかできるもんかということを前提として、どうすれば自力で訳せるようになるのか、という基本的なところから手取り足取りはじめていきます。
 古文が読めない大きな原因の1つは、主語、目的語、補語が書いてないということ。これで、つまずいちゃうのよね。ほかにも、丸暗記しなければいけない単語や文法、複雑に入り組んだ敬語、果てには読解不可能な和歌、どれもこれも面倒くさいことばかり。冒頭にも述べたとおり、ひとつひとつを別々にそれぞれ完璧にしようとするから大変。だから、どれもこれも中途半端なまま、いつまでたっても自分で読むことができないのです。
  ならば、まず理解できることだけをひろっていけばいいんです。全訳しようとしない。上巻では、まずこの訓練を重ねながら、主語・目的語・補語を補う練習をします。そして、そのつど出てくる重要文法・重要単語など、キーポイントになるものを実感しながら覚えていきます。この「くりかえし」が勉強なんですね。そうすれば、「思考」と「暗記」の同時進行によって、読解力が知識の定着を助け、知識が読解をスムーズにするという好循環が生まれるのです。ちょっと、難しかったかな(笑)。
 でも、このくりかえしで、どんどん古文が身近なものになってくるんですよ。
 みなさんは、問題文に傍線がついていると、すぐその場で答えようとしますね。そんな単純な入試問題なんてあるわけないでしょ。入試というのは、みなさんを落とすためにあるんですからね(笑)。
 設問は気にせず、まずは、わかる範囲で読み飛ばしていけばいいんです。大きな流れがわかれば、設問が何を狙っているのかも自然にわかるようになってきますからね。
 もちろん、今のみなさんにはまだ無理です。できなくて当たり前です。読めるようにこれから学んでいくんです。
 古文が好きなんて受験生はめったにいません。みんな苦手なんです。
 ましてや、入試古文というのは、国語の中の一部、配点も全体の3分の1か4分の1しかありません。ですから、どうしても古文をあとまわしにしちゃう。
 でも、大学入試の合否ボーダーラインの1点は大きいですよ。数百人のライバルがひしめいているんです。点の取れる英語で、あと1点取る努力をするか、手つかずの古文を理解して数十点とるか。さぁ、どっちが得ですか? もう、おわかりですね。古文が、合格の大きな決め手となるんです。
 それに、古文が読めるようになれば、わたしたちの祖先が築いてきた文化の流れを直接知ることもできるんですよ。様々な時代背景の中で、当時の人は、どんなことを考え、生きていたのか? 「温故知新」。中学校で習いましたよね。“古きをたずね新しきを知る”。
 先人たちが残した財産をひとつひとつひもといていく作業って、楽しいし、これから生きていく上で、とてもためになるんですよ。考え方に深みが増すといえばいいのかな。
 どうせ学ぶんなら、入試のためのその場しのぎではなく、教養としても残るものにしてください。それぐらいの心づもりで始めれば、グングン古文の実力がアップするはずです。では、ライバルに差をつけるためにも、一日も早く走り出しましょう。

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