大学受験|志望理由書・面接


推薦・AO入試対応 自分を活かす志望理由書・面接 改訂版

はじめに

君は変わることができるか

 君は今どのような状況でこの本を手に取っているのでしょう。「推薦・AO入試」「志望理由書」「面接」と銘打たれたこの本を手に取っている君の受験が、もし仮に目前一ヶ月以内に迫っているならば、この本を読んで激しく胸が揺さぶられるかもしれません。
 なぜならば、この本には「簡単に」「誰にでも」「すぐに」書ける志望理由書の書き方や、「平凡で」「どこにでもある」「無難な」面接の対策が書いてあるわけではないからです。逆に、この本は、単に大学(あるいは短大や専門学校)に入れば良いと考える姿勢を乗り越え、今後十年の生きていく指針として大学をとらえることを主眼として書かれています。
 このように書くとオーバーに感じられるかもしれません。しかし、高齢社会到来による社会の停滞と消費税率の大幅アップ、経済のグローバルスタンダード化による所得格差の拡大、国家資格取得系統学部への受験生の集中、就職環境の悪化等、これらは数字としての経済見通しが上昇したとしても、決して変わることがないでしょうし、何よりも現に私たちの身近で起こっている出来事です。
 このような生活環境の変化への対処法は、おそらく次の二点しかないと思います。

(1)就職試験突破に止まらず、実社会で仕事をして生きていくための力量を身につけること
(2)金銭や仕事に左右されない学問や芸術に関わる自己実現の場を設けること

 もちろん(1)(2)を共に満たすことができれば良いのですが、見逃せないのは、大学で学ぶことはこれらのいずれとも直接的に結びつくという事実です。
 もし仮に、君が倍率5倍以上の大学を受けようとしているのならば、(1)(2)のいずれかを大学で満たす可能性は高いでしょうし、逆に倍率1倍を切る大学を受けるのならば、進学すること自体の意味を深く掘り下げる必要が出てきます。つまり大学に依存せずに、入学後に何をしたいかというはっきりとした見通しを自分の力で立てる必要性が高まるということです。
 志望理由書・面接の対策を掲げるこの本は、比較的倍率の高い大学を受ける人の合格可能性を高めるために書かれており、厳しい選抜試験を勝ち抜くための方法に、いまだかつて目にしたことのないアプローチを試みています。
 しかし倍率がそれほど高くない大学を受ける人にも同じように、深い視点からの作業を重ねてほしいと強く希望します。それは、この本に書かれている内容を理解し、指示を丹念にこなしていけば、なぜ大学に行くのか、入学後には何を指針にして学生生活を送ればいいのか、という難問が必ず明確になるからに他なりません。
 私の考えていることは以上の通りです。この本を通して打ち立てられる精神の基盤、“一発勝負”の偏差値ではなく、君の心の中で緩やかに確立されていく人生の指針、それこそが推薦・AO入試を突破するうえで重要であり、同時にそれは大学生活を充実させ、入学後の進み行きを大きく変えていく重要な要素になるはずだと私は考えます。
 教育の意味が問われる現在、以上のことを踏まえ、君にこの本を届けることで、君の中で何かが変わる、その感動を体感してもらいたいと私は思っています。そしてそれが実現する時、推薦・AO入試を経て大学へと無事に入学することができると共に、就職試験での対応、あるいは生き方そのものを深い地点からとらえることができる人間的な力が身につくはずです。
 私はこの本がそのように読まれることを強く願っています。空虚な心を何ものかで埋めて行くことが十代の精神にとって重要なことは言うまでもありません。その意味で、私は推薦・AO入試とは自分の生き方を見つめ、これからの指針を見出していく重要な節目になる機会だと信じています。
                              
河本敏浩

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