大学受験|日本史
名人の授業・気鋭の講師
名人の授業シリーズ 金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本 中世・近世史

はじめに
歴史の「なぜ」に踏みこもう
私は、いつも言います。日本史は暗記科目ですが、羅列してある用語を覚えるのは、たいがい限界があります。でも、納得して頭に入れた知識は忘れにくいものです。
じゃあ、どうやって納得したらいいのか。ある日、読者のみなさんが「なぜこの事件がおこったのか」という疑問にぶつかったとします。解決したい。でも、解決してくれるものがなければ、「まあいいや」とあきらめてしまうでしょう。
本書は、東進ハイスクールでの私の授業の持ち味を最大限に生かし、再現したものです。私はいつも、物事の因果関係と用語の意味については、できるだけわかりやすくお話しするよう心がけています。本書を読んで、まず納得してください。そうすれば一見退屈に見える大学受験の日本史も、ドラマチックに展開していることがわかり、暗記という退屈な作業にとどまらない、とてもおもしろい学問になるはずです。
金谷の「表解」で時期把握を
本文に入る前に、各章の全体像としての表が出てきます。これは、いくつかの勢力の相関関係図であると同時に、大学入試の重要頻出ポイントのまとめでもあります。(注:著者が授業で表を板書するため「表解板書」と呼ばれる)。
各章で表の切り口は変わります。第1章の鎌倉時代の前半は、鎌倉時代の政治と戦乱・政変で区切りましたし、第4章の室町時代の外交は、中国と朝鮮に分けてとらえました。また、第3章以降は将軍を中心に分けていますが、それも時期の特徴をとらえながら分類しています。この表の切り口によって、それぞれの時代の特徴や構造がつかめるようになっているのです。
歴史は未来の道しるべ
過去の歴史は、現代に生き未来を創る私たちに、教訓を与え、ものの見方を示唆してくれます。それらをわかりやすく伝えるために、私自身の史観をまじえてお話しすることがあります。脚色をつけることもあります。中世・近世史はまだまだ未知の部分もあり、異論のある部分もあることでしょう。ただ、根本的に私の史観は教科書に基づいたものであるということを、ここにお断りしておきます。
おそらく、読者のみなさんにもそれぞれの史観があるかと思います。歴史というものは多様な角度から見ることができますから、読者のみなさんの史観と私の史観が異なることもあります。そういったことも頭の片隅に置いて、本書をご理解いただければ幸いです。
では中世・近世史の「なぜ」と「流れ」に、さいごまで、納得いくまでおつき合いください。本書がみなさんの学習の一助となり、さらなる好奇心が生まれることを祈っています。
2005年10月 金谷俊一郎