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聴読中国語―HSK(漢語水平考試)大綱準拠

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■はじめに
1.最大
 国連の公用語の一つである中国語は、世界最大の使用人口を持つ言語で、「世界の5 人に1 人は中国語を話す」と言われ、中国・台湾・シンガポール等の国や地域で公用語として用いられている他、世界各地にも多くの華僑がおり、使用人口は13 億を超えています。
2.有用
 将来的に中国の政治経済的地位の向上、大国化・地域覇権国化は必至で、好むと好まざるとに拘わらず、日本と中国の関係は重要性を増します。
今後、中国語の需要の増加につれて、就職やビジネスにおいても使える言語として、中国語の地位は上がっていきます。
3.容易
 日本語と中国語の文字や単語は多くが共通であるため、特に文章を読解出来るようになるのは比較的楽です。殊に日本語力のある人はすぐにスムーズに読めるようになります。

 「中国語には機械的な丸暗記はない、英語のような活用とか時制とか、三単現などといった暗記事項はほとんどない。この点、中国語は入門しやすい言葉である。ところが、なかなか出口が見えない。出口どころか中級にすら辿り着かない。中国語人口は増えているが、実は「さまよえる初級入門者」の群ればかりが増大しているというのが実態ではないか。その理由は……、要するに勉強の量が決定的に足りないのである。」(『Why? にこたえるはじめての中国語の文法書』,同学社)、と相原茂先生が述べる通り、確かに中国語が出来るようにならない最大の理由は学習者の勉強不足にあります。
 とは言うものの、原因の一端は良質な教材の不足にもあります。そこで、中国語を学習する時にありがちだった、何を、どれだけ、どう覚えたら、どのレベルまで到達出来るのか分からない、という状況をなくし、より速く、かつ、より高い学習効率・モチベーションで中国語の単語・語法・読解に加え、聞き取る力を付け、初級から中級・上級へと効率良くステップアッ
プして頂きたい。そう思い、私自身、こんな中国語学習書が欲しかったという、中国語の特徴を捉えた日本人に最適で、学習効率の高い教材を目指し、以下の14 のコンセプトで本書を作りました。

■本書の特徴
① 文脈の中で覚えられること
② 読解の訓練になること
③ ターゲットが明確であること
④ 文脈形式を採りながらも、頻出単語を網羅すること
⑤ 頻出文型・構文を押さえること
⑥ 中国語と日本語の共通性を最大限に利用すること
⑦ 正確な標準語の発音を学べること
⑧ 聴力(ヒアリング)のレベルを更に高めること
⑨ 見やすいこと
⑩ 場所を選ばないこと
⑪ 初心者にも出来ること
⑫ 試験即応になっていること
⑬ 毎日、自分のペースで繰り返せること
⑭ 以後自分で羽ばたけること

 言葉は道具です。私達が中国語をマスターすることは、私達の個人的利益になりますが、私達が中国語を使って中国と中国人を理解し、私達自身をアピールできるようになることで、日中の相互理解と日中平和を深めることにも通じると、私は信じています。本書を活用して、皆さんが中国語を効果的に習得されることを切に望みます。
 最後になりましたが、本書を出すに当たり、幺書君先生に原稿の審閲、橋本秀美・周晨亮両先生には校閲を、また、包冉・呉戔両先生には原稿の選択や短文の作成等を、蒙欣・山本卓也・細川裕子・尾田美紀氏等には原稿チェックや校正等で、それぞれこの上ないご教示、ご尽力を賜りました。
 更に、中国人民大学の沙蓮香先生、東京大学の丘山新先生の絶大なるご支持、お力添えを、また、その他多くの方々のご協力と励ましを頂きました。諸先生方の深いご理解とお力添えに、心より御礼申し上げます。 その他、諸先生方の文章や辞書等、多くのご著書を参考にさせて頂きました。その学恩に深く感謝し、序文とさせて頂きます。

2008年11月
津田 量

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