一般・教育


2018年度版 新 大学受験案内 夢をかなえる185大学

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日本と世界の「危機」に立ち向かうために、
「夢」を描き、「志」を掲げよう!

 今日、「一億総中流社会」といわれていた日本に「格差社会」が到来したといわれています。その行き着く先は、貧困層と富裕層の年収の格差が10数倍もあるとされるアメリカ並みの弱肉強食の社会です。でも、これはまだ序の口です。世界には年収3万円前後の人々がたくさんいる一方で、数億円の年俸でヘッドハンティングされる人もいます。グローバリゼーション(グローバル化)が進んで雇用に国境がなくなることで、ますます格差も拡大することでしょう。
 とりわけ、経済成長が著しく、また数多くの(労働)人口を抱える中国やインド、ブラジルなどの新興国では、猛烈に学んで世界に打って出ようとするチャレンジ精神あふれる若者たちが「今日より明日」を夢見て努力を続けています。国境という垣根が低くなれば、彼らが自分たちの競争相手になります。ただ大学を卒業しただけの「大卒」では、やりがいのある仕事に就いたとしても高い評価をもらえるとは限りません。これがグローバリゼーションといわれる「今ここ」と「これから」の現実です。

 大学受験とは、そのような世界にふみ出していくにあたっての人生のターニングポイントとなるものです。
 では、どのような“一歩”をふみ出せばいいのでしょうか。それは、今から入学後の大学生活をイメージすること、さらには卒業後に向けて自らの「夢」を描き、この世に生を受けたからには成し遂げたいと心に決めた「志」を掲げることです。
 高校までは、一定の決められたルールとごく限られた能力の範囲内で評価が下ります。しかし、現実の社会では、専門知識の有無だけでなく、論理的課題解決能力、コミュニケーション能力、人を思いやる度量や気配り、危機管理能力や説明責任を果たす力、これらを総合したところの「リーダーシップ」など多種多様な力が求められます。これらは学科試験だけで一律に、一様に測れるものではありません。また、専門職となる医師や薬剤師、弁護士、建築士などは、公に認められた資格を持つ者が、各分野のプロフェッショナルとして仕事に携わる分野です。ゆえに、努力して資格試験に合格すれば、学歴は不問の世界ともいえます。

 若者である皆さんは、「今ここ」で、将来どんな仕事にも就くことができる「時間と可能性」を有しています。これは「特権」です。だからこそ、大学入学前から明確な目標=「夢」を持って努力し続ければ、たいていの仕事に就くことができ、あるいは有資格者として堂々たる仕事ができる境遇を得られるでしょう。
 人生は、大学に入学した時点で決まる(あるいは、自分勝手に決めてしまう) ものではありません。大学を卒業するまでに、またそれまでの日々の中で、どのような力を身につけるのかによって、その後の人生は大きく左右されます。今からの数年間が人生の分かれ道となるかもしれないのです。

 大学は、人生の目的を果たすための「道具」です。大学には皆さんの「夢」をかなえるための「道具」と「資源」(リソース)がそろっています。
 時代の課題や危機に対応するために学部・学科の新設や再編を行う大学、国内外の大学や企業、研究所などとの連携により大学の「知」を積極的に発信する大学、高度情報社会や少子高齢化・人口減少社会、地方創生などの今日的課題に向けて技術開発や「人財」育成を行う大学、グローバル社会で活躍する武器の1つとなる語学力を培うべく、言語の「4技能」を重視した入試制度や学習カリキュラムを導入する大学など、全国の様々な大学が組織改革に取り組んでいます。
 それらの大学の中から、自ら求め、自ら進んで、「夢」をかなえるために必要なもの・ことを見つけ出し、それらを最大限かつ有効に使いこなしていってください。その努力は必ず報われ、「夢」の実現にぐっと近づきます。

 大学に入学することとは、「何のために学ぶのか?」「何のために働くのか?」「自分の人生をどう生きるのか?」という、一生の生き方やテーマ(ライフミッション)を見つけ、そのスタートラインに立つことです。「大学選び」は、偏差値という“ものさし”の目盛りを読み取るだけで終始するものではありません。
 その証拠に、大学は、その建学の精神や理念に則り、入学試験から教育・研究、卒業または修了までの方針(アドミッションポリシー、カリキュラムポリシー、ディプロマポリシー)を掲げています。じっくりと目を通してみてください。
 それらの具体的なカタチが、各大学のキャンパスに広がる「道具」であり「資源」です。それらを活かすかどうかは自分次第です。何かの「答え」があらかじめ用意されているわけではありません。答えのない課題に取り組む力を身につけていけるか、大学は試験やカリキュラムなどを通して、学生自身の「構え」をじっと見ているはずです。

 念願の志望校合格を勝ち取ったにもかかわらず、大学入学後に後悔する大学選びをしてしまわぬように、本書との出会いが、皆さんの「夢」を描き、「志」を掲げるきっかけとなれば幸いです。さらには、「夢」を追い求める中で、日本、さらには世界の現実に対して危機感を察知できるような“受信力”と、厳しい時代を逞しく生き抜くために「夢」をかなえ、仲間と共に「志」を成し遂げるための“発信力”を得られる、その一助となる情報を本書から見出してもらえることを心から祈っています。

 創刊11年目に寄せて――『新大学受験案内』制作スタッフ一同

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