大学受験|化学

一問一答


化学一問一答【完全版】2nd edition

 本書の前身である『化学一問一答【完全版】』を出版し,6 年が経過しました。この6 年間の入試の変化として目立つのは,思考力を試す問題を出題することで問題の分量が増えた大学が多くなったことです(受験生にとって厳しい変化ですね)。そこで,時代の変化に対応した改訂を行いました。大きく改訂したのは,次の2 点です。

  (1)入試問題に対する即答力がつくこと
  (2)思考力が自然と身につくこと

 これらは,本書を繰り返し演習することで達成できます。加えて,皆さんが本書に特に期待してくれている無機物質,有機化合物,高分子化合物の各内容についてはさらなる充実を図りました。
 また,『化学基礎 一問一答【完全版】』とあわせて使っていただけると「化学基礎・化学」を完全にカバーするパーフェクトな一問一答になるようにも工夫して執筆しました(化学基礎と化学で重複している分野は,違う問題を扱っています)。

 本書の執筆については,次のように行いました。

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 まず,約80 校の大学(共通テストや旧センター試験を含む)の過去問を多年度にわたって取得し,問題を分野別に並べ,用語問題を中心にデータベース化し,その中から頻出問題を中心に抽出しました。
 次に,データに基づき選んだ問題の中からベスト問題を選び,このベスト問題をただ並べるのではなく,意味をもたせた問題配列にしました。意味をもたせるというのは,問題に答えながら入試に必要な用語が身につくようにするだけでなく,問題文を読み,問題を解く中で思考過程も身につくような問題配列にしました。
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 そして,次の方針の下,「暗記だけではない一問一答」を作成しました。

▼本書の方針
①入試問題をそのまま収録することで,実戦力がつくようにする。
②厳選したベスト問題を余すところなく有効に利用する。
③問題演習により,教科書や参考書を熟読する効果が得られる。
④わかりやすさを追求するため,計算問題は数値と単位を併記し,計算過程を省略しないようにする。
⑤計算問題はもちろんのこと,用語問題も思考過程をマスターできる工夫をする。
⑥暗記しなければいけない用語は,反復学習により確実に覚えられるような構成を目指す。

 電車・バスの通学時間や学校・塾の休み時間など,すきまの時間を有効活用して,本書を繰り返し演習してください。そうすれば,必要とされる思考力や用語知識が身につき,柔軟に入試問題に対応できるようになり,試験本番でどのような問題が出題されても自信をもって解答できるようになるはずです。
 勉強をしていると,その途中にはつらいことがたくさんあると思います。そのつらさを乗り越えて最後まで頑張ることで,皆さんが目標とする「共通テストでの高得点」や「第一志望校合格」に確実に近づきます。最後の最後まであきらめず,自信をもって試験に臨んでください。応援しています。
 最後になりましたが,執筆について適切なアドバイスをくださった東進ブックスの中島亜佐子さん,松尾朋美さんには,この場をお借りして感謝いたします。

2021年3月
橋爪健作

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