英語
大問構成に大きな変化
大問数 |
減少 | 変化なし | 増加 |
設問数 |
減少 | 変化なし | 増加 |
マーク数 |
減少 | 変化なし | 増加 |
難易度 |
易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 |
過去5年間は大きな変更がなかったが、今年は第2問と第6問を除いて問題構成に大きな変化があった。全体のマーク数は50から53に微増。大問1には単語の発音問題が復活。アクセント問題も形を変えて残った。また、文中の強勢に応じた話者の意図を問う新しいタイプの問題が出題された。大問3では、文脈から下線部の語や文の意味を推測させる問題や、ディスカッションの英文を素材とした空所補充問題が新しく登場した。第4問には従来のグラフを用いた問題に加えて、TOEICの問題に見られるような広告文の情報を読み取る形式が出題された。第5問では、会話文が2つ出題され、それぞれにイラストの問題が含まれた。以上のように、問題構成が大きく変わり、問題文と設問文の語数が全体で昨年より500語以上増えたものの、設問自体はあっさりしたものが増え、むしろ解き易いと感じた受験生も多かったのではないか。平均点は昨年よりもやや高くなるとみられる。
【出題フレーム】
年度 |
大問 |
出題分野 |
設問数 |
マーク数 |
配点 |
2007 |
第1問 |
A |
単語の発音 |
3 |
3 |
19 |
B |
単語のアクセント |
2 |
2 |
C |
強く読む語と話者の意図 |
3 |
3 |
第2問 |
A |
文法・語法・語彙 |
11 |
11 |
46 |
B |
対話文 |
3 |
3 |
C |
整序英作文 |
3 |
6 |
第3問 |
A |
文脈による意味の推測 |
2 |
2 |
38 |
B |
ディスカッションの内容把握 |
1 |
3 |
C |
英文空所補充(文) |
1 |
3 |
第4問 |
A |
図表を使った説明文読解 |
3 |
3 |
30 |
B |
広告の読み取り |
2 |
2 |
第5問 |
A |
絵を使った対話文読解 |
2 |
2 |
24 |
B |
絵を使った対話文読解 |
2 |
2 |
第6問 |
物語文の読解 |
6 |
8 |
43 |
2006 |
第1問 |
A |
文中での単語のアクセント |
2 |
2 |
16 |
B |
文強勢(対話文) |
4 |
4 |
第2問 |
A |
文法・語法・語彙 |
10 |
10 |
38 |
B |
対話文 |
3 |
3 |
C |
整序英作文 |
3 |
6 |
第3問 |
A |
英文空所補充(語句) |
1 |
2 |
34 |
B |
文整序 |
2 |
2 |
C |
英文空所補充(文) |
1 |
3 |
第4問 |
図表を使った説明文読解 |
5 |
5 |
35 |
第5問 |
絵を使った対話文読解 |
4 |
5 |
32 |
第6問 |
物語文の読解 |
6 |
8 |
45 |
2005 |
第1問 |
A |
文中での単語のアクセント |
2 |
2 |
16 |
B |
文強勢(対話文) |
4 |
4 |
第2問 |
A |
文法・語法・語彙 |
10 |
10 |
38 |
B |
対話文 |
3 |
3 |
C |
整序英作文 |
3 |
6 |
第3問 |
A |
英文空所補充(語句) |
1 |
2 |
34 |
B |
文整序 |
2 |
2 |
C |
英文空所補充(文) |
1 |
3 |
第4問 |
図表を使った説明文読解 |
5 |
5 |
35 |
第5問 |
絵を使った対話文読解 |
4 |
5 |
32 |
第6問 |
物語文の読解 |
6 |
8 |
45 |
2004 |
第1問 |
A |
文中での単語のアクセント |
2 |
2 |
16 |
B |
文強勢(対話文) |
4 |
4 |
第2問 |
A |
文法・語法・語彙 |
10 |
10 |
38 |
B |
対話文 |
3 |
3 |
C |
整序英作文 |
3 |
6 |
第3問 |
A |
英文空所補充(語句) |
1 |
2 |
34 |
B |
文整序 |
2 |
2 |
C |
英文空所補充(文) |
1 |
3 |
第4問 |
図表を使った説明文読解 |
5 |
5 |
35 |
第5問 |
絵を使った対話文読解 |
4 |
5 |
32 |
第6問 |
物語文の読解 |
6 |
8 |
45 |
過去17年間の平均点
2006 |
2005 |
2004 |
2003 |
2002 |
2001 |
2000 |
1999 |
1998 |
127.52点 |
116.18点 |
130.11点 |
126.82点 |
109.68点 |
110.71点 |
119.62点 |
111.44点 |
127.74点 |
1997 |
1996 |
1995 |
1994 |
1993 |
1992 |
1991 |
1990 |
? |
137.42点 |
126.14点 |
109.52点 |
96.42点 |
106.72点 |
121.32点 |
130.96点 |
137.62点 |
? |
【第1問】A単語の発音 B単語のアクセント C文強勢と話者の意図
Aは総じて基本的な問題であるが、発音問題から遠ざかっていた受験生にとっては取りこぼしもあり得る。Bもアクセント問題の頻出語で構成されており、基本的である。Cは新形式で、受験生にはほとんど馴染みがなかったと思われる。特に問2が難しかった。第1問全体の正答率は,昨年よりやや下落する可能性がある。
【第2問】A文法・語法・語彙 B対話文 C整序英作文
Aは、昨年より1題増えて11題。今回はオーソドックスな文法知識を問う問題よりも、単熟語の意味や語法の知識を問う問題が大勢を占めている。問2、問3、問4などは、日頃からどれだけ英文に接しているかによって得点に差がつきやすい。Bの会話文完成問題は、決して難しくないが、問3などでは決まり文句の知識がカギを握る。Cの整序英作文は、いずれも基本的な構文と語法を用いたものである。第2問全体の難度としては、ほぼ昨年並みと言える。
【第3問】A文意・語意問題 B空所補充問題 C空所補充問題
Aは新形式で、短文中に施された下線部の表現の意味を問うものである。どちらも表現の知識そのものを試すのではなく、文脈から何を言い表しているのかを推測させる問題と言える。落ち着いて取り組めば、決して難しくはない。Bも新傾向の問題で、ディスカッションの一部に空所を設け、適当な内容を選択補充させるものである。Aと同様に難しくはないが、英文の量が長めなので、効率よく解けるかどうかがポイントである。Cの空所補充も昨年までとは形が変わり、より一般的な4択問題になった。第3問の個々の問題自体は、昨年よりも易化している。
【第4問】A図表を使った英文読解 B広告の読み取り
Aはグラフと解説文を使った従来通りの読解問題で、今年は日本におけるソフトドリンクの生産量の推移をテーマとしている。全体的に易しい問題である。Bは広告文を素材に用いた新傾向の問題である。広告自体はかなりの情報量を盛り込んでいるが、設問は2つのみであるから、設問を先に読み、それに応じて広告を拾い読みするのが効率的でよい。全体的に問題そのものは、昨年よりも易化している。
【第5問】A絵を使った対話文読解 B絵を使った対話文読解
イラストを用いた会話文読解問題は従来の1題から2題に増えた。ただし,設問はそれぞれイラストに関するものを含めて、2題ずつであり、総じて見ればさほど大きな負担増とは言えない。問題レベルも素直で、昨年よりも易化している。
【第6問】小説の長文読解
ヨーロッパ旅行を巡る祖父と孫娘それぞれの体験を素材とした読解問題。本文の語数は750語を超え、昨年より約60語増えた。例年通り、内容をつかむのは易しい。設問や選択肢も比較的素直である。ここまでの問題で時間を使いすぎていなければ,高い正答率が期待できるだろう。第6問の正答率は毎年比較的高く,今年の難易度も昨年並みであるが,ちょっとした注意力の差で得点差がつく場合もある。1問当たりの配点が大きいので,設問を慎重に読んでイージーミスをなくすことが大切である。
センター試験の英語は、英語の基礎学力を判定する目的で出題されていますが、それは決して付け焼刃的な知識を問うものではなく、コミュニケーションの手段としての英語力を、どの程度身につけているかを測るためのものです。実際、80分という短い制限時間でこれだけの問題量をこなすには、(1)語彙や文法といった知識を完全な知識として身につけている、(2)必要に応じて「知識を使いこなす」力を鍛錬していることが必要です。しかしこれは一朝一夕に身につくものではなく、当然早い時期から学習量を多く積んできた者が有利になります。つまり、盤石な基礎力を身につけた上で、自分の目標点に応じた対策授業を受講し、何度も予行演習を繰り返せば、本番で結果を出すことができるのがセンター試験なのです。
(1)音声
日頃の学習の中に音声を効果的にとりいれましょう。例えば英単語を暗記する際には付属のCDなどを利用して、意味と一緒に正しい発音やアクセントも覚えるように心がけましょう。カタカナ語も含めた『アクセント問題頻出語』や『接尾辞とアクセントの関係』については知識をしっかりと身につけておく必要があります。また、会話のやりとりの中である語が強く発音される場合、話者がどのような意図で強調しているかを理解するとともに、日頃から英文全体の調子や抑揚に気をつけて音読する習慣を身につけておきましょう。
(2)文法・語法・語彙
文法・語法に関しては、時制・態・仮定法・助動詞・準動詞など動詞に関連した分野が例年出題されています。対策がおろそかにされがちなのが、単語・熟語・類語の使い分けなどの語彙に関する分野です。実は,文法よりも比重が大きくなっているという現状をしっかり認識して、日頃から語彙力の強化に努めましょう。
(3)英作文
整序英作文は標準的なレベルの出題が続いていますが、文法・構文の基礎学力がないと確実に得点するのは難しい分野になってしまいます。日頃から、主部・述部・修飾関係などの英文の構造に注意して学習することと、標準レベルの問題を数多く解いて問題慣れしておくことが重要です。
(4)口語コミュニケーション
会話問題では、会話の場面・話題・発言の意図・会話全体の流れなどを的確につかむことが求められます。また、会話でよく使われる応答表現や慣用表現の知識も欠かせません。センター試験型の問題を徹底的に解いて出題傾向に慣れておく必要があります。
(5)英文読解
センター試験の難しさの大きな要因として、問題量の多さが挙げられます。数多くの長文を読み、速読力を高める訓練をしておきましょう。ある語句・表現の意味が問われる問題では,文脈からその意味を推測する力が試されます。論説文読解問題では、パラグラフごとのテーマと論理展開を見抜く力を養うことが大切です。図表や広告を読み取る問題では「情報処理能力」が、絵を使った会話文では「会話の内容を絵と結びつけて理解する力」が、小説の読解では「行間を読む力」がそれぞれポイントになります。英字新聞などで図表やグラフ、広告などの読み取り方に慣れておくとともに、小説などの主観的文章を読む練習も積んでおきましょう。さまざまなジャンルの英文を多読することが、読解学習の基本です。
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