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生物I
全体概観

大問数、小問数ともに昨年並み。全体的に標準的な問題が多く、難易度は昨年並み。 


大問数 減少 | 変化なし | 増加 
設問数 減少 | 変化なし | 増加 
マーク数 減少 | 変化なし | 増加 
難易度 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 

大問数は昨年度と同様5、設問数(マーク数)は昨年度より3問多い30問であった。複雑な実験考察問題や図・グラフなどが少ないため、全体として難易度は昨年度並みといえる。しかし、遺伝のBの難易度が非常に高く、ここでの失点が予想されるため、平均点は昨年度よりも下がるだろう。教科書とセンター試験の過去問を中心に学習し、基礎力をしっかりと身に付け、標準的な問題への対策をしっかりと行った受験生であれば、十分に高得点に結びつけることができるだろう。

【出題フレーム】

 

大問

出題分野

設問数

マーク数

配点

2007

第1問

細胞

6

7

20

第2問

生殖と発生

6

6

20

第3問

遺伝

6

7

20

第4問

動物の反応と調節

5

5

20

第5問

植物の反応と調節

5

5

20

2006

第1問

細胞と組織

5

6

20

第2問

動物の生殖と発生

5

5

20

第3問

遺伝総合

5

5

20

第4問

神経細胞と動物の行動

6

6

20

第5問

環境条件の変化に対する植物の反応

4

5

20

 

2005

第1問

植物の根の成長

5

6

17

第2問

代謝

6

7

17

第3問

カエルの卵割

5

5

16

第4問

花の形質の遺伝

3

5

16

第5問

動物の神経と行動

5

5

17

第6問

島に生息する生物の種数

4

8

17

2004

第1問

動物細胞の分裂・増殖

5

5

16

第2問

糖の代謝

5

7

17

第3問

ウニの発生

4

4

17

第4問

伴性遺伝

3

4

16

第5問

動物の行動

4

5

17

第6問

生態系における植物の窒素利用

5

5

17



昨年の平均点
2006
69.60点

設問別分析
【第1問】 細胞・組織(細胞)
細胞に関する標準的な問題である。「細胞の構造と細胞小器官のはたらき」や、「真核生物と原核生物の違い」などについての基本的な設問が多いが、問4ではやや細かい知識が必要である。正答外の選択肢の内容がやや紛らわしいものが目立ったが、正答の選択肢の内容は素直であるので、ほぼ解答できるだろう。また、問1は2001年・追試の第1問 問1で、問3・4は2005年・追試の第1問 問3とほぼ同様の設問であった。過去問演習をしていた生徒には有利であったと思われる。

【第2問】 生殖と発生(ウニ・カエルの発生・植物の生殖)
Aは動物の初期発生に関する基礎的な知識を確認する問題である。Bは植物の生殖細胞の形成に関する問題であるが、グラフにより混乱しやすかったと思われる。しかし、植物の胚嚢の形成過程をよく学習している受験生なら、解答が導き出せたであろう。

【第3問】 遺伝(複対立遺伝子・胚乳形質の遺伝)
Aは教科書的な基本知識の確認問題であり、確実に得点できるであろう。それに対して、Bは「胚乳形質の遺伝」というあまり見たことのない設問であり、難易度はかなり高くなっている。さらに、条件遺伝子も加わっており、とまどった受験生も多かったのではないだろうか。

【第4問】 環境と動物の反応(神経と動物の反応)
Aは神経に関する基本知識を確認する問題である。正しい知識を必要とするが、紛らわしい選択肢はない。Bはミツバチの吻伸展行動という見慣れない題材だが、スクロース濃度を刺激の強さと考えれば、教科書に取り上げられている筋収縮と閾値に関する内容をそのまま当てはめればよく、実験や設問は理解しやすい。問題文中の細かい表現にさえ気をつければ、「標準〜やや易しい」レベルの問題であったであろう。

【第5問】 環境と植物の反応(植物ホルモン)
Aは、オーキシンについての教科書的知識を確認する基本的問題である。Bは、頂芽優勢のしくみに関して、オーキシンのほかに、教科書には出ていないホルモン(サイトカイニン、アブシシン酸)のはたらきも含めた実験考察問題である。表2の読みがやや考察力を要するが、全体としては難しくはない。

新高3生へのアドバイス
センター試験の目的は、「大学に入学する者の、高等学校における基礎的な学習の達成の程度を判定すること」にありますので、まずは、教科書の内容を正しく理解する必要があります。正しい理解とは、単に正確に暗記するということではなく、さまざまな生命現象のもつ意義・理屈や、それぞれの関わり合いを理解するということです。近年のセンター試験では、教科書には載っていない実験を提示し、その結果を教科書的基礎知識をもとに解読させるという実験考察問題が多く見られます。また、理科科目のなかでも特に生物では、問題文の長い設問も含まれています。このため、読解力・理解力・考察力を養うこと、過去問の演習を行い、センター試験の形式に慣れることが重要となるでしょう。特に、グラフや表を解釈する力を養成しておくことが大切です。また、計算力・思考力を問われる遺伝分野の問題では、大きな点差がつくことがあります。十分な対策を立てておきましょう。さらに、センター試験形式の模試を積極的に受けることによって、自分自身の学習進度のチェックや弱点の発見ができ、学習効率を飛躍的に上げることができます。模試の受け始めの時期は早いほど、回数は多いほどよいでしょう。このような対策を行って、万全の準備で来年のセンター試験に臨んでください。
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