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世界史A
全体概観

世界史Bとの共通問題が消え,傾向が変わったが,難易度は昨年並み。 


大問数 減少 | 変化なし | 増加 
設問数 減少 | 変化なし | 増加 
マーク数 減少 | 変化なし | 増加 
難易度 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 

昨年と比べ、大問数は4問から3問へ変化。小問は36から33へと少なくなった。大問1つにつき小問が11問という形式である。a・b2つの文の正誤判定や6択問題は相変わらず出題されているが、グラフや表の読み取り問題は姿を消した。写真図版はピカソの「ゲルニカ」について、地図問題はイスタンブール(コンスタンティノープル)とパナマ運河、オーストラリアの内容が問われた。従来までの詳しく切り込む問題は減ったが、地域や時代に偏りなく世界史全体の基本的内容が定着していなければ、正答を選び出すことは困難だったであろう。

【出題フレーム】


 

大問

出題分野

設問数

マーク数

配点

2007

第1問

戦争と軍隊

11

11

34

第2問

海を越えた移動と交流

11

11

33

第3問

世界史における中央と周縁

11

11

33

2006

第1問

世界史上の人々の接触・共存

9

9

25

第2問

産業と資源の歴史

9

9

25

第3問

国家と軍事の関係

9

9

25

第4問

メディアの歴史

9

9

25

2005

第1問

世界史上の建造物・祝祭・儀礼

9

9

25

第2問

近代以降の人の移動の歴史

9

9

25

第3問

フランス・中国・ロシアの革命

9

9

25

第4問

経済政策の歴史

9

9

25

2004

第1問

世界各地のナショナリズム

10

10

25

第2問

交通・輸送機関の歴史

10

10

25

第3問

身近な暮らしについて

10

10

25

第4問

国家統治のあり方

10

10

25



過去17年間の平均点
2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 1999 1998
44.87点 44.32点 45.96点 43.37点 44.28点 45.28点 42.97点 46.53点 50.69点
1997 1996 1995 1994 1993 1992 1991 1990 ?
51.74点 64.62点 63.52点 63.76点 65.71点 71.37点 72.45点 64.54点 ?

設問別分析
【第1問】戦争と軍隊
昨年度までは世界史Aの第1問は、世界史Bの第1問との共通問題であったが、今年度はそれがなくなり、第1、2、3問ともAのみの問題となった。オスマン帝国や16〜18世紀のヨーロッパ、20世紀の世界について、戦争を通しての出題がなされた。6択問題が2題含まれ、文化史・技術史の理解度、定着度が問われた。

【第2問】海を越えた移動と交流
Aはインド洋、Bは太平洋を舞台として、それぞれの交流圏の特徴を問う出題がなされた。Cでは地図を通して世界航路を取り上げ、19世紀後半以降の世界についての基本事項が問われた。因果関係を問う問題が少なかったので、3つの大問のうち最も取り組みやすかったと思われる。

【第3問】世界史における中央と周縁
Aはジェファソン、ジャクソン、ケネディといった歴代のアメリカ合衆国大統領についての内容、Bはソ連・ロシアについての政治経済上の基本事項、Cは中国とその周辺諸国である朝鮮や日本との関係がそれぞれ問われた。教科書に記載されている内容を逸脱するものは見当たらず、それぞれの国家・王朝についての基本事項がわかっていれば、消去法で正解にいたることが出来たと思う。年表内の出来事の時期を選ぶ出題は2004年度以来である。

新高3生へのアドバイス
センター試験の「世界史A」は、様々な事柄をキーワードにした「テーマ史」問題の形をとっていますが、世界史Bと比べると近現代史の出題のウエイトが高く、世界の一体化が進む16世紀以降は、各国・各地域ごとの基本事項の正確な理解が求められます。今年度は出題されなかったグラフや表の読み取りが、2008年度では出題される可能性があり、教科書に載っているグラフや表には必ず目をとめてもらいましょう。また「世界史A」では、今年度のイスタンブールなど著名な都市の位置が問われることがよくあるので、地図学習をしておくこと。とはいっても、それぞれの地域・時代の基本事項を押さえるのが、やはり学習の出発点です。基本事項の理解と、略年表や地図を用いた派生学習に重点を置けば高得点が取れるはずです。とにかく過去問を解くことで“センター試験の出題形式”に慣れておくようにしましょう。
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