地学I
全体概観

各分野について基本的事項が出題された。応用力よりも基本的な理解が必要。時間不足になる可能性もある。 


大問数 減少 | 変化なし | 増加 
設問数 減少 | 変化なし | 増加 
マーク数 減少 | 変化なし | 増加 
難易度 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 

出題分野、大問数、設問数は2008年度と同じだが、第1、2、4、5問が中問3問からなる構成になった。扱われる分野が多くなったことで時間不足になる恐れもある。第5問天文分野は特に取り組みやすかったと思われる。計算問題は標準的なアイソスタシーの問題とケプラーの第3法則についてしっかりとした学習をしていた受験者であれば戸惑うことはなかったはずである。設問は標準的なものが多かったが、時間不足により得点が伸びないことも考えられる。


【出題フレーム】

 

大問

出題分野

設問数

マーク数

配点

2009

第 1 問

地球

6

6

20

第 2 問

岩石・鉱物

6

6

20

第 3 問

地質図と地質断面図

6

6

20

第 4 問

大気と海洋

6

6

20

第 5 問

宇宙と天体

6

6

20

2008

第 1 問

地震・火山・プレート

6

6

20

第 2 問

鉱物・岩石

6

6

20

第 3 問

地質図

6

6

20

第 4 問

大気と海洋

6

6

20

第 5 問

宇宙と天体

6

6

20

2007

第 1 問

地球

6

6

20

第 2 問

岩石と鉱物

6

6

20

第 3 問

地球の歴史

6

6

20

第 4 問

海洋と大気

6

6

20

第 5 問

宇宙

6

6

20

2006

第 1 問

地球

5

6

20

第 2 問

岩石・鉱物

5

5

20

第 3 問

地質

5

5

20

第 4 問

気象・海洋

6

6

20

第 5 問

天文

4

5

20

第 6 問

(旧課程履修者のみ選択可)天文

6

6

20



過去3年間の平均点
2008 2007 2006
59.68点 62.42点 59.29点

設問別分析
【第1問】 地震・プレート・アイソスタシー
問1は火山か地震かで判断に迷った受験者もいたと思われる。問2は世界のプレートの運動と大地形に関する知識が必要である。問3・4はアイソスタシーの標準的な問題で、地殻の隆起量について問われた。問5・6は地震の空欄補充問題と断層のずれに関する標準的な問題であった。

【第2問】 変成岩・火成岩
問1・2は相図をしっかりと学習していた受験者であれば解答できたはずである。問3・4は造岩鉱物に関する基本的な問題、問5・6は火山岩についての知識問題であった。

【第3問】 地質図・地形断面図
問1は古生物の知識問題であった。問2〜5は地質構造の基本である。問6は地質時代の絶対年代の知識が必要となる。

【第4問】 海洋・偏西風・大気の安定・不安定
問1は海洋から出る熱エネルギーが海面温度の高低に対応する。問2は海面での熱エネルギーの出入りについて問われた。問3・4は風の吹き方と大気の構造の基本である。問5・6は大気の安定と不安定についてグラフで学習したかどうかで差がついたと思われる。

【第5問】 ケプラーの法則・連星・銀河系
問1・2は基本的なケプラーの法則の問題であるが、演習が必要である。問3・4は連星の図を学習したかどうかで差がついたと思われる。問5・6は銀河系の構造の基礎問題であった。
新高3生へのアドバイス
センター試験地学Iで高得点を得るためには、「教科書」→「問題演習」→「教科書」という流れの学習方法を徹底することが重要です。センター試験では教科書レベルの内容について論理が理解(暗記でなく)できているかどうかが問われます。来年のセンター試験に向けてまず最初にするべきことは教科書の通読です。最初は理解しようとか暗記しようとか考えずに、まず教科書を通読して地学の学習内容を概観し、どんなことをどのように学ぶのか、イメージしましょう。興味のある分野や、また、時間をかけて勉強しなければならないと思われる分野などを確認しましょう。通読が終わったら、次はできるだけ丁寧に教科書を読んでいきます。特に、図・表・グラフを正確に読む練習が重要です。センター試験では図表やグラフを読む力を問う出題が多くなっています。図やグラフを自分で描いてみることが図やグラフを読む力を身につける最良の方法です。教科書を丸暗記することは決してしないようにしましょう。教科書の学習に合わせて問題演習を進めます。問題演習にはセンター試験の過去問とともに、センターの模擬試験を受けることが学習の指標になります。2ヵ月ごとに実施される東進のセンター試験本番レベル模試は学習状況を客観的に知ることができる良い機会になります。2月からのセンター試験本番レベル模試にチャレンジしましょう。学習は先延ばしにしないで早めに取り組むことが志望校合格への近道です。
Copyright (C) Nagase brothers Inc.