英語
全体概観

形式に部分的な変化あり 


大問数 減少 | 変化なし | 増加 
設問数 減少 | 変化なし | 増加 
マーク数 減少 | 変化なし | 増加 
難易度 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 

過去2年、問題形式に大きな変化があったが、今年度は小さな変更にとどまった。したがって、形式の面で受験生が戸惑うことはあまりなかったであろう。第1問ではこれまでAの発音問題、Bのアクセント問題、Cの強勢による発話の意図の問題に分かれていたが、Cが小問3つから1つに減り、新たにDとして1つの文中のいくつかある強勢の位置を問う問題が1つ加わった。このため、大問数は6と従来どおりだが、小問数は1題減って50問となった。第2問は従来どおりである。第3問Aは、語彙問題のうち1つが会話文を素材とするものになったが、設問の趣旨は従来どおりである。第3問Bは、素材文が昨年の学校新聞の投書から、一昨年のディスカッションに戻ったが、こちらも本質的な変化ではない。第4問のAでは、資料が表からグラフに変わったが、以前のような細かな数値を読みとらせるための複雑なグラフではない。第5問では昨年と同じく、Aは1つのイラストを素材とし、Bは選択肢に4つのイラスト、Cは4コマ漫画が使われている。第6問の長文読解問題では、昨年からの形式が踏襲された。辞書の使い分けに関するエッセイをもとに、はっきりと分けられた段落ごとの内容を問う設問が多数を占めた。段落のグループ分けの問題も去年と同じである。
以上のように、問題数及び形式上から見た変化は少ないが、小問レベルではやや難度の高いものが散見された。問題文を含めた総語数も増加したことから、平均点は低下すると予測される。

【出題フレーム】

年度

大問

出題分野

設問数

マーク数

配点

2009

第1問

A

単語の発音

3

3

16

B

単語のアクセント

2

2

C

強く読む語と話者の意図

1

1

D

文中の語の強弱

1

1

第2問

A

文法・語法・語彙

10

10

44

B

対話文

3

3

C

整序英作文

3

6

第3問

A

文脈による語句の意味推測

2

2

44

B

意見内容の要約

1

3

C

英文空所補充

1

3

第4問

A

図表を使った説明文読解

3

3

36

B

説明文書などの読み取り

3

3

第5問

A

イラストに合う英文選択

1

1

18

B

英文に合うイラスト選択

1

1

C

漫画の内容に合う英文選択

1

1

第6問

長文読解問題

7

7

42

2008

第1問

A

単語の発音

3

3

16

B

単語のアクセント

2

2

C

強く読む語と話者の意図

3

3

第2問

A

文法・語法・語彙

10

10

44

B

対話文

3

3

C

整序英作文

3

6

第3問

A

文脈による語句の意味推測

2

2

44

B

意見内容の要約

1

3

C

英文空所補充

1

3

第4問

A

図表を使った説明文読解

3

3

36

B

説明文書などの読み取り

3

3

第5問

A

イラストに合う英文選択

18

B

英文の合うイラスト選択

C

漫画の内容に合う英文選択

第6問

長文読解問題

7

7

42

2007

第1問

A

単語の発音

3

3

19

B

単語のアクセント

2

2

C

強く読む語と話者の意図

3

3

第2問

A

文法・語法・語彙

11

11

46

B

対話文

3

3

C

整序英作文

3

6

第3問

A

文脈による語句の意味推測

2

2

38

B

意見内容の要約

1

3

C

英文空所補充

1

3

第4問

A

図表を使った説明文読解

3

3

30

B

説明文書などの読み取り

2

2

第5問

A

絵を使った対話文読解

2

2

24

B

絵を使った対話文読解

2

2

第6問

物語文の読解

6

8

43

2006

第1問

A

文中での単語のアクセント

2

2

16

B

文強勢(対話文)

4

4

第2問

A

文法・語法・語彙

10

10

38

B

対話文

3

3

C

整序英作文

3

6

第3問

A

英文空所補充(語句)

1

2

34

B

文整序

2

2

C

英文空所補充(文)

1

3

第4問

図表を使った説明文読解

5

5

35

第5問

絵を使った対話文読解

4

5

32

第6問

物語文の読解

6

8

45


過去19年間の平均点
2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 1999
125.26点 131.08点 127.52点 116.18点 130.11点 126.82点 109.68点 110.71点 119.62点 111.44点
1998 1997 1996 1995 1994 1993 1992 1991 1990  
127.74点 137.42点 126.14点 109.52点 96.42点 106.72点 121.32点 130.96点 137.62点  

設問別分析
【第1問】A 単語の発音 B 単語のアクセント C 強く読む語と話者の意図 D 文中の語の強弱
Aは例年どおり基本的な発音問題であるが、問1のcomfort は第一アクセントのない母音(-or-)の発音を問う問題であったため、失点した受験生が多かったかもしれない。Bはアクセント問題の頻出語が大半で答えやすい。Cは2年前から始まった文強勢形式で、一般に正答率は高い。Dは新形式で、文中の語の強弱のあり方を問う問題である。第1問全体の難度は昨年並と言える。

【第2問】A 文法・語法・語彙 B 対話文 C 整序英作文
今回のAは文法、語法、単語・熟語と満遍なく出題され、中にはかなりの難問もあった。特に後半の問5、問6、問10などの問題は、日頃からどれだけ英文に接しているかによって得点に差がつきやすい。また、問3の in the direction of 〜(〜の方向に)はいかにもひっかかりやすい選択肢があるため、正答率が低いと予想される。Bの会話文完成問題では、3問中2問で決まり文句の知識がポイントで、やや難しいと言える。Cの整序英作文は、問1が関係代名詞の省略、問3では仮定法の倒置文がカギを握るなど、文法的テーマがポイントをなしている。第2問全体としては、やや難化したと言える。

【第3問】A 文脈による語句の意味推測 B 意見内容の要約 C 英文空所補充
Aは一昨年以来の形式で、短文中に施された下線部の表現の意味を問うものである。どちらも表現の知識そのものを試すのではなく、文脈から何を言い表しているのかを推測させる問題であるが、落ち着いて取り組めば決して難しくはない。Bは英文素材が昨年の新聞への投書から一昨年のディスカッションに戻ったが、内容把握の力を試すという狙いは変わらない。Cの空所補充は文を補うものと、文の一部を補うものが混在するが、ほぼ従来どおりの傾向である。第3問全体としては、昨年並と言える。

【第4問】A 図表を使った説明文読解 B 説明文書などの読み取り
Aは昨年それまでのグラフに代わり表を素材に使ったが、今年はまたグラフに戻った。しかし、簡略なものなので、以前ほどの細かな読み取りは不要である。今年の英文は熱帯雨林の保護に関する説明文である。本文、設問とも全体的に易しいと言える。Bは医療機関の問診表を素材に用いた文書内容の読み取り問題であった。問題難度は昨年並で易しいと言える。

【第5問】A イラストに合う英文選択 B 英文に合うイラスト選択 C 漫画の内容に合う英文選択
A・B・Cとも、イメージと英語が結びつくかどうかを試す問題である。Aは外観描写に重点を置いて、絵に合致する文を選ぶもの。Bは与えられた文の説明に合う形状を選ぶ問題である。Cは昨年と同じ4コマ漫画の流れに沿った説明を選ぶ問題である。全体とすると、問題レベルは昨年並である。

【第6問】長文読解問題
本文は英語の辞書の使い分けについて、1人の学生の体験を交えて説明したものである。本文の語数は昨年より減ったが、設問文の語数が増えたため、総語数は昨年並である。段落のグループ分けという特徴的な設問を含めて昨年からの形式を踏襲し、設問や選択肢も比較的素直である。ここまでの問題で時間を使いすぎていなければ、高い正答率が期待できるだろう。1問あたりの配点が大きいので、設問を慎重に読んでミスをしないことが大切である。

新高3生へのアドバイス
【新高3生へのアドバイス】

センター試験の英語は、英語の基礎学力を判定する目的で出題されていますが、それは決して付け焼刃的な知識を問うものではなく、コミュニケーションの手段としての英語力を、どの程度身につけているかを測るためのものです。実際、80分という短い制限時間でこれだけの問題量をこなすには、@語彙や文法を完全な知識として身につけている、A必要に応じて「知識を使いこなす」力を鍛錬していることが必要です。しかしこれは一朝一夕に身につくものではなく、当然早い時期から学習量を多く積むしかありません。つまり、盤石な基礎力を身につけた上で、自分の目標点に応じた対策授業を受講し、何度も予行演習を繰り返せば、本番で結果を出すことができるのがセンター試験なのです。

(1)音声

日頃の学習の中に音声を効果的にとりいれましょう。例えば英単語を暗記する際には付属のCDなどを利用して、意味と一緒に正しい発音やアクセントも覚えるように心がけましょう。カタカナ語も含めた『アクセント問題頻出語』や『接尾辞とアクセントの関係』については知識をしっかりと身につけておく必要があります。また、会話のやりとりの中である語が強く発音される場合、話者がどのような意図で強調しているかを理解するとともに、日頃から英文全体の調子や抑揚に気をつけて音読する習慣を身につけておきましょう。

(2)文法・語法・語彙

文法・語法に関しては、時制・態・仮定法・助動詞・準動詞など動詞に関連した分野が例年出題されています。対策がおろそかにされがちなのが、単語・熟語・類語の使い分けなどの語彙に関する分野です。実は、文法と同程度の比重があるという現状をしっかり認識して、日頃から語彙力の強化に努めましょう。

(3)英作文

整序英作文は標準的なレベルの出題が続いていますが、文法・構文の基礎学力がないと確実に得点するのは難しい分野になってしまいます。日頃から、主部・述部・修飾関係などの英文の構造に注意して学習することと、標準レベルの問題を数多く解いて充分慣れておくことが重要です。

(4)口語コミュニケーション

会話問題では、会話の場面・話題・発言の意図・会話全体の流れなどを的確につかむことが求められます。また、会話でよく使われる基本的な応答表現や慣用表現の知識を身につけておきましょう。

(5)英文読解

センター試験の難しさの大きな要因として、問題量の多さが挙げられます。数多くの長文を読み、速読力を高める訓練をしておきましょう。ある語句・表現の意味が問われる問題では、文脈からその意味を推測する力が試されます。図表や日常的によく使われる文書などを読み取る問題では「情報処理能力」、提示された絵について説明した文章では「文章の内容を絵と結びつけて理解する力」がポイントとなります。長文読解問題では、パラグラフごとのテーマと論理展開を見抜く力を養うことが大切です。英字新聞などで図表やグラフの読み取り方に慣れておくとともに、さまざまなジャンルの英文を多読することが、読解学習の基本です。

○東進では、みなさんの学習を強力にサポートするため、センター試験と同一レベルの「センター試験本番レベル模試」を年6回(2月・4月・6月・8月・10月・12月)実施します。この模試を定期的に受験することで実力アップにつなげてください。

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