リスニング
全体概観

出題形式に変化なし 


大問数 減少 | 変化なし | 増加 
設問数 減少 | 変化なし | 増加 
マーク数 減少 | 変化なし | 増加 
難易度 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 

2006年のリスニング試験導入以降4回目の試験となるが、4回とも出題形式は一貫している。英文と質問が2回ずつ読み上げられ、解答をマークする時間がその都度設けられている。読み上げられる英語の全問題での総量は1000語強で、内容はいずれも日常的なコミュニケーションを重視するものである。読み上げ速度については昨年同様ナチュラルな読み方であるが、日ごろリスニングの練習をしていれば十分聞き取れる標準的な速さである。難問のようなものはなく、1回目に判断できなくても2回聞けば正解できるものがほとんどであったが、昨年正答率の高かった第1問と第3問Bで難度が上がったため、全体の平均点は下がると予想される。


【出題フレーム】

年度

大問

出題分野

設問数

マーク数

配点

2009

第1問

短い会話の内容に合う絵などを選ぶ

6

6

12

第2問

短い会話の後に続く応答文を選ぶ

7

7

14

第3問

A

短い会話の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3

12

B

長めの会話の内容について、図表を完成する

3

3

第4問

A

短い文章の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3

12

B

長めの文章の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3

2008

第1問

短い会話の内容に合う絵などを選ぶ

6

6

12

第2問

短い会話の後に続く応答文を選ぶ

7

7

14

第3問

A

短い会話の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3

12

B

長めの会話の内容について、図表を完成する

3

3

第4問

A

短い文章の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3

12

B

長めの文章の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3

2007

第1問

短い会話の内容に合う絵などを選ぶ

6

6

12

第2問

短い会話の後に続く応答文を選ぶ

7

7

14

第3問

A

短い会話の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3

12

B

長めの会話の内容について、図表を完成する

3

3

第4問

A

短い文章の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3

12

B

長めの文章の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3

2006

第1問

短い会話の内容に合う絵などを選ぶ

6

6

12

第2問

短い会話の後に続く応答文を選ぶ

7

7

14

第3問

A

短い会話の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3

12

B

長めの会話の内容について、図表を完成する

3

3

第4問

A

短い文章の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3

12

B

長めの文章の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3


過去3年間の平均点
2008 2007 2006
29.45点 32.47点 36.25点

設問別分析
【第1問】短い対話の内容に合う絵などを選ぶ問題
昨年同様、絵や数値を答える問題である。ただの聞き取りではなく、問1は2時間後の15分前を答えなければならず、問6は簡単な引き算と掛け算をする必要がある。昨年までは非常に易しい問題がいくつか含まれていたが、今年はある程度の情報処理が求められる設問が増え、難度が上がった。

【第2問】短い対話に続く応答を選ぶ問題
問7と問11は状況を考えなければならないが、それ以外は設問、選択肢とも素直であり、対話の大筋が聞き取れ、基本的な口語表現に慣れていれば正解できる。

【第3問】A 短い対話の内容について、質問に対する答えを選ぶ問題
     B 長めの対話の内容について、表にあてはまるものを選ぶ問題
Aはいずれも昨年同様、対話の内容が理解できなければ正解できない問題であった。Bは英文の読み上げ前に表の意味をしっかり確認できないと、英文内容と表の対応関係の把握に迷うため、失点した人もいると思われる。

【第4問】A 短い文章の内容について、質問に対する答えを選ぶ問題
     B 長めの文章の内容について、質問に対する答えを選ぶ問題
Aは状況が分かれば比較的やさしいものばかりであった。Bではインターネット上の新しい雑誌に関する長文が読み上げられたが、文が多少長く、情報量が多かったため、最後まで集中力を保持できたかどうかで差が出たと考えられる。

新高3生へのアドバイス
 リスニングといっても、まずは内容を理解するために必要な語彙力・文法力などの基本を固めることが大切です。次に、リスニングの力は聞いた英語の量に比例して伸びます。したがって、日頃から習慣的に英語を聞く訓練を積んでおくことが大切です。一日10分程度でも、継続して耳を鍛えることがリスニング力の向上につながります。素材は何でもかまいませんが、聞き取りに慣れていない人は、短い文や会話から始めるとよいでしょう。
 初めのうちは、次々に新しいものを聞くよりも、同じ素材を繰り返して完全に身につけるようにしましょう。短文ならある程度聞き取れる人は、長めの会話や文章の聞き取りを行い、英語を英語の語順のまま処理していく力を高めましょう。
 また「耳を慣らす」ためには、漫然とCDなどの音を聞くのではなく、積極的にその音をまねて自分でも発音してみることが効果的です。文法や語彙の学習時にもしっかり声を出して読んでみること、また教科書の文章の英語を声に出して繰り返し音読する練習も大切です。
 さらに、「集中力を養う」ためには、常に展開を予測しながら耳を傾ける姿勢が大切です。すべてを聞き取ろうとするのではなく、何を聞き取るべきなのか、聞き取るポイントを定めて聞く練習をしましょう。
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