英語
全体概観

設問形式、設問数、配点とも昨年と同じ 

大問数 減少 | 変化なし | 増加 
設問数 減少 | 変化なし | 増加 
マーク数 減少 | 変化なし | 増加 
難易度 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 

全体を通して、出題形式は昨年とほぼ同じ。設問数や大問の配点も含めて変化はなかった。大問はこれまでどおり第1問から第6問までの6題で、第1問・第2問では語彙力・文法力といった英語の基礎的な学力を直接問う問題が中心となっており、第3問から第6問では様々な状況に応じて英語を運用する実用的な英語力を試す問題が中心になっている。全体で、設問まで含めた英語の総語数は約3700語であった。昨年と比較すると170語程度の増加で、大きな変化はない。大問ごとにみると、第5問の英文量がやや増加、第6問の英文量がやや減少となり、どちらも600語弱の英文を読んで答える問題になった。また、第6問では、2008年度から毎年出題されていた、段落をグループ分けする設問がなくなった代わりに、段落の要旨を文章の順序に整序させる問題が出題された。新しい設問形式ではあるが、文章の段落構成を理解するという趣旨は同じなので、昨年までの形式で対策をしていれば十分対応できる範囲の出題である。全体を通して、問題文と選択肢を正確に理解できれば解答は容易であるが、語彙力不足であいまいな点があると間違える設問も多いので、標準的な大学入試レベルの語彙力を確実に身につけておくことが必須である。全体的な難易度は昨年とほぼ同様である。

年度

大問

出題分野

設問数

マーク数

配点

2011

第1問

A

単語の発音

4

4

14

B

単語のアクセント

3

3

第2問

A

文法・語法・語彙

10

10

41

B

対話文

3

3

C

整序英作文

3

6

第3問

A

文脈による語句の意味推測

2

2

46

B

意見内容の要約

1

3

C

英文空所補充(文または文の一部を補充)

1

3

第4問

A

図表を使った説明文読解

3

3

33

B

説明文書などの読み取り

3

3

第5問

状況説明文に合うイラスト・英文選択

5

5

30

第6問

説明的文章の読解

6

6

36

2010

第1問

A

単語の発音

4

4

14

B

単語のアクセント

3

3

第2問

A

文法・語法・語彙

10

10

41

B

対話文

3

3

C

整序英作文

3

6

第3問

A

文脈による語句の意味推測

2

2

46

B

意見内容の要約

1

3

C

英文空所補充(文または文の一部を補充)

1

3

第4問

A

図表を使った説明文読解

3

3

33

B

説明文書などの読み取り

3

3

第5問

状況説明文に合うイラスト・英文選択

5

5

30

第6問

説明的文章の読解

6

6

36

2009

第1問

A

単語の発音

3

3

16

B

単語のアクセント

2

2

C

強く読む語と話者の意図

1

1

D

文中の語の強弱

1

1

第2問

A

文法・語法・語彙

10

10

44

B

対話文

3

3

C

整序英作文

3

6

第3問

A

文脈による語句の意味推測

2

2

44

B

意見内容の要約

1

3

C

英文空所補充(文または文の一部を補充)

1

3

第4問

A

図表を使った説明文読解

3

3

36

B

説明文書などの読み取り

3

3

第5問

A

イラストに合う英文選択

1

1

18

B

英文の内容に合うイラスト選択

1

1

C

4コマ漫画の内容に合う英文選択

1

1

第6問

説明的文章の読解

7

7

42

2008

第1問

A

単語の発音

3

3

16

B

単語のアクセント

2

2

C

強く読む語と話者の意図

3

3

第2問

A

文法・語法・語彙

10

10

44

B

対話文

3

3

C

整序英作文

3

6

第3問

A

文脈による語句の意味の推測

2

2

44

B

学校新聞の記事の要約

1

3

C

英文空所補充(文の一部を補充)

1

3

第4問

A

図表を使った説明文読解

3

3

36

B

広告の読み取り

3

3

第5問

A

イラストに合う英文選択

18

B

英文の内容に合うイラスト選択

C

4コマ漫画の内容に合う英文を選択

第6問

説明的文章の読解

7

7

42


過去の平均点の推移

2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001
118.14点 115.02点 125.26点 131.08点 127.52点 116.18点 130.11点 126.82点 109.68点 110.71点
2000 1999 1998 1997 1996 1995 1994 1993 1992 1991
119.62点 111.44点 127.74点 137.42点 126.14点 109.52点 96.42点 106.72点 121.32点 130.96点

設問別分析
【第1問】A 単語の発音 B 単語のアクセント 
昨年に続き今年もオーソドックスな発音とアクセント問題の出題であった。変更点としては、昨年はBのアクセント問題で「与えられた語と第一アクセントの位置が同じもの」を選ぶ問題であったのに対して、今年は「第一アクセントの位置がほかの三つの場合と異なるもの」を選ぶ問題に変わった点である。Aの問2では、第一強勢のない母音の発音を含む問題が出題された。レベル的には基本的なものが中心で、単語を覚えるときに発音・アクセントをきちんと確認している受験生にとっては解き易い問題も多かったであろう。

【第2問】A 文法・語法・語彙 B 対話文 C 整序英作文
昨年からの形式上の変化はなかった。Aは文法、語法、単語・熟語と満遍なく出題され、問5、問10などのやや難しい問題があるものの、全体的には素直で解き易い問題が多かったと言えよう。Bの会話文完成問題は、いずれも文脈を決め手とする問題で、会話特有の決まり文句は含まれていないが、問2の選択肢に見られる get over, go on with など、会話でよく用いられる基本動詞(get, go, come, do, take 等々)による表現にも慣れておく必要がある。Cの整序英作文は、問2の〈動詞+代名詞+副詞〉(called him in)の語順で迷った受験生がいたと思われるものの、他は基本的な文法の知識があれば正解を得られる問題であったと言えよう。なお、Cの問3の選択肢の数が昨年の7から一昨年までの6に戻っている。

【第3問】A 文脈による語句の意味推測 B 意見内容の要約 C 英文空所補充
形式的な変更点はない。Aはここ数年続く形式で、短文中に施された下線部の語句の意味を問うものである。どちらも語句の知識そのものを試すのではなく、文脈から何を言い表しているのかを推測させる問題であり、下線部の直前に not があることを見落とさないなど、落ち着いて取り組めば決して難しくはない。Bはディスカッションにおける意見内容を問う問題で,全体的な内容把握の力を試すという狙いは従来と変わらない。Cの空所補充は一文を丸ごと補うものと、文の一部を補うものが混在するが、ほぼ従来どおりの傾向である。ろうけつ染めの工程を表す説明で若干読み取りづらいところがあったかもしれないが、設問自体は特に難解とは言えない。

【第4問】A 図表を使った説明文読解 B 事務的文書などの読み取り
この大問も特に大きな変化はなかった。今年のAの素材文はヨーロッパ諸国民における価値観の共通点及び相違点に関する説明文である。本文、設問とも全体的に平易と言える。Bは日本の学生向き英字新聞の広告を用いた読み取り問題であった。表を中心とした去年とは異なり、文字情報が多かったが、落ち着いて取り組めば難しい問題ではない。

【第5問】イラストを含む内容一致問題
ここ数年毎回のように変化している大問であるが、今回はほぼ昨年と同じであった。素材となるイラスト1つと状況を説明したA、B2つの文章に関する内容一致問題が4つ並んでいる。与えられた英文は長めであるが、設問は平易で、時間にある程度の余裕があれば、難なく答えられるレベルである。

【第6問】長文読解問題
げっ歯類の生態に関する文章にもとづく内容一致問題。総語数は昨年と比べやや減少。昨年までの段落のグループ分けという特徴的な設問がなくなった代わりに、本文全体のテーマや論旨の流れを問う設問が見られた。本文の内容や設問は標準的で、問1〜4の設問文には該当する段落が示されているので取り組みやすい。ここまでの問題で時間を使いすぎていなければ、高い正答率が期待できるだろう。

Copyright (C) Nagase brothers Inc.