リスニング
全体概観

設問形式、配点、出題傾向とも昨年と同じ 

大問数 減少 | 変化なし | 増加 
設問数 減少 | 変化なし | 増加 
マーク数 減少 | 変化なし | 増加 
難易度 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 

出題形式は昨年度のリスニング試験と同じであった。英文と質問は2回ずつ読み上げられ、解答をマークする時間がその都度設けられている。読み上げられた英語の総量は1,200語弱。2006年のリスニング試験導入以降6回目の試験となるが、6回とも出題形式は一貫しており、読み上げられる英語の総量も、毎年1,000語を少し超える語数で一定している。読み上げは標準的なスピードと明瞭な発音なので、日ごろリスニングの練習をしていれば十分に聞き取れる。内容は日常的なコミュニケーションを重視するものである。ただし、第3問Bの長めの対話を聞いて答える問題では、表の数値が小数で与えられているのに対して、読み上げ文は概数で述べられており、また表が一部省略されていたり、複数の情報を組み合わせないと解答できない設問があるなど、リスニングとしてはやや複雑な問題である。そのほかの大問にも、状況が複雑であったり、消去法を使わないと解答を選びにくい問題など、注意を要する問題が散見された。高得点を取るためには、英語が聞き取れるだけでなく、英語を聞き取りつつ選択肢を素早く検討する判断力や集中力が求められる。昨年に比べると平均点は下がると見られる。

年度

大問

出題分野

設問数

マーク数

配点

2011

第1問

短い会話の内容に合う絵などを選ぶ

6

6

12

第2問

短い会話の後に続く応答文を選ぶ

7

7

14

第3問

A

短い会話の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3

12

B

長めの会話の内容について、図表を完成する

3

3

第4問

A

短い文章の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3

12

B

長めの文章の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3

2010

第1問

短い会話の内容に合う絵などを選ぶ

6

6

12

第2問

短い会話の後に続く応答文を選ぶ

7

7

14

第3問

A

短い会話の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3

12

B

長めの会話の内容について、図表を完成する

3

3

第4問

A

短い文章の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3

12

B

長めの文章の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3

2009

第1問

短い会話の内容に合う絵などを選ぶ

6

6

12

第2問

短い会話の後に続く応答文を選ぶ

7

7

14

第3問

A

短い会話の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3

12

B

長めの会話の内容について、図表を完成する

3

3

第4問

A

短い文章の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3

12

B

長めの文章の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3

2008

第1問

短い会話の内容に合う絵などを選ぶ

6

6

12

第2問

短い会話の後に続く応答文を選ぶ

7

7

14

第3問

A

短い会話の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3

12

B

長めの会話の内容について、図表を完成する

3

3

第4問

A

短い文章の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3

12

B

長めの文章の内容について、質問に対する答えを選ぶ

3

3


過去の平均点の推移

2010 2009 2008 2007 2006
29.39点 24.03点 29.45点 32.47点 36.25点

設問別分析
【第1問】短い対話の内容に合う絵などを選ぶ問題
昨年同様、絵や数値を答える問題であった。問3の場所の特定、問4の簡単な暗算や、問6の状況把握など、昨年と同じくただの聞き取りではなく、ある程度の情報処理が求められる設問ばかりであった。とくに問4は、1.5ドルの運賃のところを、10回分の料金で12回乗れる割引回数券の値段はいくらか(答えは1.5×10=15ドル)、という問題で、混乱した受験生も多かったと思われる。

【第2問】短い対話に続く応答を選ぶ問題
いずれも状況を考えなければならない設問であり、対話の大筋が聞き取れなかった人は誤った選択肢に引っかかったかもしれない。問7や問12などは消去法で考えなければならず、問9の会話もひねくれた内容なので難しい問題である。この形式の問題は、男女どちらのセリフを答えるのかを意識して対話を聞くことも大切。

【第3問】A 短い対話の内容について、質問に対する答えを選ぶ問題
     B 長めの対話の内容について、表にあてはまるものを選ぶ問題
Aはいずれも昨年同様、対話の内容がしっかり理解できなければ正解できない問題であった。とくに問16は正解の選択肢が直接的な内容でなはいので、消去法でうまく処理する必要がある。
Bは、複数の情報を組み合わせなければ答えられない [ 18 ]と[ 19 ] が難しく、1回目の聞き取りで答えを確定できた受験生は少なかっただろう。英文が読み上げられる前に表の意味と選択肢を確認しておくとともに、1回目でポイントを絞り込み、2回目で必要な情報に焦点を当てて聞き取る、といった手順が必要である。

【第4問】A 短い文章の内容について、質問に対する答えを選ぶ問題
     B 長めの文章の内容について、質問に対する答えを選ぶ問題
Aは、問20と問21は状況が分かれば比較的やさしい問題だったが、問22の正誤問題は状況が把握できなかった人には難問。Bでは童謡に関する長文が読み上げられたが、細部を聞き取れたかどうかではなく、文章全体の内容を総合的に理解できたかどうかで差が出たと思われる。とくに問24は細部にとらわれて文脈が把握できないと答えを誤る設問である。

全体として、出題形式や読み上げの速度は昨年とほぼ同じであったが、やや紛らわしい選択肢を含む設問が若干増えた。

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