倫理
全体概観

選択肢文が長文化、例年以上に読解力が要求される問題に。 

大問数 減少 | 変化なし | 増加 
設問数 減少 | 変化なし | 増加 
マーク数 減少 | 変化なし | 増加 
難易度 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 

大問構成は、青年期の課題、源流思想、日本思想、西洋近代思想、現代社会分野と例年と変わらず。しかし、全体的に選択肢文が長文化しており、知識の有無だけでなく内容の正確な理解と読解力が問われる問題が多かった。出題形式としては、資料文を与えた問題が2問に、適当でないものを選ぶ問題が1問に減少したことが特筆される。第1問と第5問のグラフ問題は、読み取りに時間が取られる。教科書頻度の低い人物や用語の出題も見られた。

年度

大問

出題分野

設問数

マーク数

配点

2011

第1問

自己理解について(青年期の課題)

3

3

8

第2問

努力について(源流思想)

8

9

24

第3問

他者への善行について(日本思想)

8

9

24

第4問

寛容について(西洋近代思想)

8

9

24

第5問

友情・公平・連帯について(現代社会分野)

7

7

20

2010

第1問

青年期の課題

3

3

8

第2問

囚われについて(源流思想)

8

9

24

第3問

出会いについて(日本思想)

8

9

24

第4問

人間と科学(西洋近代思想)

8

9

24

第5問

社会の安全と個人の自由(現代社会分野)

7

7

20

2009

第1問

青年期の課題

3

3

8

第2問

喜怒哀楽について(源流思想)

8

9

24

第3問

他界の捉え方(日本思想)

8

9

24

第4問

理性について(西洋近代思想)

8

9

24

第5問

正しい行為について(現代社会分野)

7

7

20

2008

第1問

青年期の課題

3

3

8

第2問

運命について(源流思想)

8

9

24

第3問

自尊の精神(日本思想)

8

9

24

第4問

道徳について(西洋近代思想)

8

9

24

第5問

責任について(現代社会分野)

7

7

20


過去の平均点の推移

2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001
68.66点 71.51点 67.58点 69.66点 68.74点 67.03点 69.87点 60.66点 65.58点 68.13点
2000 1999 1998 1997 1996 1995 1994 1993 1992 1991
54.42点 60.09点 69.35点 71.10点 64.92点 67.03点 62.75点 62.34点 60.88点 63.31点

設問別分析
【第1問】自己理解について(青年期の課題)
問1で「二重接近−回避の葛藤」という耳慣れない用語が出題された。問3のグラフ読解問題も解くのに時間がかかる。なおこの問3のグラフは、東進の2010年度の第4回8月センター試験本番レベル模試で同じ出典のものが出題されている

【第2問】努力について(源流思想)
問1の空欄補充問題の4ではプラトンの著作が二つあり、細かい知識を要する。その他の設問は全体としてオーソドックスだが、あいまいな知識だけでは正解を特定できない。

【第3問】他者への善行について(日本思想)
親鸞、荻生徂徠、安藤昌益、夏目漱石など繰り返し出題されてきた人物についての知識が求められる設問があった一方、聖徳太子についての問2や浪漫主義についての問6などはやや細かな学習が必要な設問であろう。

【第4問】寛容について(西洋近代思想)
漏れなくすべての分野について学習していた受験生にとっては全体的にそれほど難しくなかったかもしれないが、問3のルター、問4のモンテーニュ、問5のスピノザについての設問などは簡単ではなかっただろう。その他、問2、問6、問8などでは読解能力が求められた。

【第5問】友情・公平・連帯について(現代社会)
問1でマルクス以外の社会主義者について出題され、とまどった受験生も多かったかもしれない。問6ではセンの名前が明示されているが、単純に読解問題として考えれば平易である。問5・問7の読解問題を解くのに時間がかかる。

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