生物I
全体概観

大問数は変化なし、小問数は増加。全体的に細かい知識を要求され、考察問題のデータ量が増加して時間がかかり、昨年度より難化した。 

大問数 減少 | 変化なし | 増加 
設問数 減少 | 変化なし | 増加 
マーク数 減少 | 変化なし | 増加 
難易度 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 

大問数は昨年度と同じ5題であり、設問数は昨年度より5問増え、30問、マーク数は昨年度よりも3つ増え、32であった。問題形式は昨年度と変化はなかった。知識問題では、昨年度に比べて生物Iの教科書のやや細かい知識を要求されているものが増加した。また、図やグラフなどを用いたデータ考察問題が増加したので、時間に余裕がない受験生が多かったと思われる。考察問題は、データを選択肢と照らし合わせれば正答できるが、データ量が多く、時間がかかると思われる。全体として難易度は昨年度に比べて難しくなったと思われる。知識問題は昨年度よりも細かい知識が要求されるものが増加したことから、平均点は昨年度よりも低くなると思われる。


年度

大問

出題分野

設問数

マーク数

配点

2011

第1問

細胞

6

6

20

第2問

生殖と発生

6

6

19

第3問

遺伝

6

7

21

第4問

環境と動物の反応

6

6

20

第5問

環境と植物の反応

6

7

20

2010

第1問

細胞

4

5

20

第2問

生殖と発生

6

6

20

第3問

遺伝

6

7

20

第4問

環境と動物の反応

5

7

20

第5問

環境と植物の反応

4

4

20

2009

第1問

細胞

4

7

20

第2問

生殖と発生

5

5

20

第3問

遺伝

6

6

20

第4問

環境と動物の反応

6

6

20

第5問

環境と植物の反応

4

4

20

2008

第1問

細胞

4

8

20

第2問

生殖と発生

6

6

20

第3問

遺伝

5

6

20

第4問

動物の脳と効果器、体液の循環

6

6

20

第5問

植物の成長と環境要因

6

6

20


過去の平均点の推移

2010 2009 2008 2007 2006
69.70点 55.85点 57.64点 67.04点 69.60点

設問別分析
【第1問】細胞(細胞・体細胞分裂・卵割)
Aは細胞の構造や機能に関する知識問題と、Bは体細胞分裂と卵割に関する基本的なグラフに関する知識問題である。全体的に正確で幅広い知識が必要である。
問1〜問3は知識問題であり、全体に正確で幅広い知識を要求され、特に問3のサフラニン染色については学習していない受験生が多かったと思われる。問4〜問6は、体細胞分裂と卵割の細胞の大きさやDNA量の変化に関するグラフ問題であるが、知識がないと解くことができず、得点差が開いたと思われる。

【第2問】生殖と発生(植物の受精と発生、動物の精子形成、両生類の誘導)
Aは植物の受精と発生、動物の精子、両生類の発生に関する知識問題と、Bはウニの発生と受精に関する実験考察問題である。全体的に分量が多い。
問1〜問3は知識問題であり、すべて教科書の内容をしっかり押さえていれば解ける標準的な問題である。問4〜問6は、データと選択肢を照らし合わせていけば解けるが、データ量が多く、解くのに時間がかかり、やや難しめである。

【第3問】遺伝(遺伝子の本体、伴性遺伝、連鎖、三点交雑)
Aは遺伝子の本体に関する基本的な知識問題であり、Bはメンデルの法則や伴性遺伝、Cは連鎖と組換え、三点交雑法に関する実験考察問題である。全体に分量が多い。
問1・問2は、DNA研究に関する基本的な知識があれば容易に解答できる。問3はメンデルの法則を理解できていれば容易に解答できる。問4は、基本的な伴性遺伝の問題であるが、選択肢を一つずつチェックする必要があり、時間がかかる。問5・問6は、検定交雑と組換え価の算出方法がわかれば容易に解答できる。
問1・問2は、DNA研究に関する基本的な知識があれば容易に解答できる。問3はメンデルの法則を理解できていれば容易に解答できる。問4は、基本的な伴性遺伝の問題であるが、選択肢を一つずつチェックする必要があり、時間がかかる。問5・問6は、検定交雑と組換え価の算出方法がわかれば容易に解答できる。

【第4問】刺激に対する動物の反応(ホルモン、筋収縮曲線)
Aはホルモン分泌に関する基本的な知識問題、Bは筋収縮曲線に関する実験考察問題である。
問1〜問3は、ホルモン分泌や血糖量調節に関する基本的な知識問題である。問4〜問6は筋収縮曲線に関する実験考察問題であるが、実験データだけで解ける問題ではなく、単収縮や強縮、全か無かの法則など基本的な知識がないと解けず、やや難しめの問題である。

【第5問】環境と植物の反応(植物内の水の移動、植物ホルモンと茎の伸長)
Aは植物の水の移動に関する基本的な知識問題、Bはオーキシン、ジベレリンと細胞の伸長に関する実験考察問題である。全体として標準的である。 問1〜問3は、植物の水の移動や気孔の開閉に関する基本的な知識問題である。問4・問6は、実験結果と選択肢と照らし合わせていけば解答できる問題であり、見かけほど難しくはないが時間がかかる。問5は基本的な知識問題である。2001年度の本試験(第1問)と同じテーマだった。

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