数学II・数学B
全体概観

問題のボリューム、計算量も標準的で、必答問題は昨年並みだが、選択問題が難化した。 

大問数 減少 | 変化なし | 増加 
難易度 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 

必答問題2題、選択問題4題から2題選択の計4題の構成は昨年度までの形式を踏襲している。第1問の三角関数・対数関数では、例年通りそれぞれ融合問題形式となっている。必答問題は基本〜標準的で、昨年並みであった。一方、選択問題は、第3問(数列)・第4問(ベクトル)・第6問(数値計算とコンピュータ)は昨年と同様誘導は丁寧だが、計算量が増えたことから、平均点は下がると思われる。

年度

大問

出題分野

配点

2011

第1問

[1] 三角関数

30

[2] 指数・対数関数

第2問

微分法・積分法

30

第3問




数列

20

第4問

ベクトル

20

第5問

統計

20

第6問

数値計算とコンピュータ

20

2010

第1問

[1] 指数・対数関数

30

[2] 三角関数

第2問

微分法・積分法

30

第3問




数列

20

第4問

ベクトル

20

第5問

統計

20

第6問

数値計算とコンピュータ

20

2009

第1問

[1] 指数・対数関数

30

[2] 三角関数

第2問

微分法・積分法

30

第3問




数列

20

第4問

ベクトル

20

第5問

統計

20

第6問

数値計算とコンピュータ

20

2008

第1問

[1] 指数・対数関数

30

[2] 三角関数

第2問

微分法・積分法

30

第3問




数列

20

第4問

ベクトル

20

第5問

統計

20

第6問

数値計算とコンピュータ

20


過去の平均点の推移

2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001
57.12点 50.86点 51.01点 48.94点 57.66点 52.47点 45.65点 49.84点 59.22点 68.89点
2000 1999 1998 1997 1996 1995 1994 1993 1992 1991
57.36点 62.14点 41.38点 63.90点 54.26点 67.44点 77.20点 65.48点 48.36点 67.81点

設問別分析
【第1問】三角関数、対数関数
[1] (三角関数)
三角関数の最小値を求める問題。倍角公式や合成公式を用いた関数の式変形、置き換えにより2次関数の値の変化を調べるなど、典型的な手法を用いて解くことができる。

[2] (対数関数)
対数不等式を満たす整数の最大値や最小値を考察する問題。前半は置き換えによる式変形で容易に解決するが、後半、単にいくつかの値を当てはめて最大値を求める部分に戸惑った人もいただろう。

【第2問】微分法・積分法
放物線とその接線、その他の直線によって囲まれる図形の面積を考察する問題。最終的には3次関数の最大・最小を求めることになるが、計算量もさほど多くないので、短時間で乗り切りたい。

【第3問】数列 (選択問題)
数直線上にある規則で点列を作り、その座標からなる数列を考察する問題。見かけは斬新だが、実質的には階差数列及び「等差×等比」のタイプの数列を扱う典型問題である。親切な誘導に従って解き進めれば高得点が望める。

【第4問】ベクトル (選択問題)
四角すいを題材にした空間ベクトルの問題。あるベクトルをパラメタを用いて2通りの方法で表したのちパラメタの値を求めていく流れは典型的で、誘導の意図も汲み取りやすい。計算量も標準的である。

【第5問】統計 (選択問題)
15人の参加者で得点を競うゲームを3回戦まで行う。まずは表から平均の計算などの基本計算を行うが、意外に計算が面倒である。3回戦のゲームの得点は整数問題になっているが、数値が小さいので求めやすいであろう。

【第6問】数値計算とコンピュータ (選択問題)
有名なコラッツ予想の問題。パズル的に数値計算ができ、そのシステムは簡単なので、プログラムも簡単で、それほど難しくない。しかし、後半のプログラムを変更する問題は少々考えにくい。

Copyright (C) Nagase brothers Inc.