どの科目にしても、センター試験対策で基本となるのは教科書の内容です。「倫理、政治・経済」では「倫理」と「政治・経済」の2科目を学ぶ必要があるので大変ですが、両方合わせても歴史の教科書1冊程度ですから、負担が特に重いという訳ではありません。しかし、「倫理」「政治・経済」の1科目よりは幅が広いわけですから、できるだけ早く教科書の内容をマスターし、実践的なトレーニングができる体制をつくることが求められます。
特に政治・経済分野では、今後の1年でただ暗記をするのではなく正確な理解をしていく学習をしなければ、試験本番で対応することは困難となっています。そのためにも、「教科書やテキストの学習」「センター試験過去問を解く」「時事への対応」の3本柱が必要となってきます。「倫理、政治・経済」を得意科目にすることで幅広い常識を養い、自己推薦、AO入試を含めた、小論文をはじめとする他の科目に通用する学力を育成することができますので、着実に学習を進めていきましょう。
◆暗記よりも内容理解を
「倫理」と「政治・経済」では、1つ1つの内容の理解が大切です。社会科は暗記だと思っている受験生は考えを改めてください。倫理分野でも政経分野でも,つねに「なぜそうなるのか」という問題意識を持って学習を進める必要があります。まずは何度も教科書やテキストを読み、巻末の索引にある用語を見たら、その内容を容易にイメージ出来るくらいにまで読み込むことです。
特に政治・経済分野で危険なのは、時事的事項の名称だけをなんとなくニュースで見聞きして「知っている」気分になり、その背景や理論、歴史を知らないために選択肢で「知っている」単語に惑わされて正解にたどりつけない、という状態で本番を迎えてしまうことです。
「知っている」つもりになっている単語に関して理解を深めていくためには、今後試験本番までに、1日1項目、15分でもまず教科書・テキストにあたると良いでしょう。単にセンター試験への対策をするのではなく、常識力養成のための基礎力増強トレーニング、というぐらいの気持ちで勉強を開始してみてください。情報インプットとして『政経ハンドブック』(東進ブックス)を徹底して学習し、制度・しくみの定義はもちろん、その存在理由、問題点、対策をしっかり読み取ることが有効です。その上で、アウトプットとして『政治・経済 一問一答』(東進ブックス)でトレーニングを行うとよいでしょう。
◆思想家と仲良くなろう
倫理分野については特に暗記と捉えるとなかなか頭に入らないものです。用語集などに出ている思想家のプロフィールなどもよく読み、共感できるようになると理解がぐっと進みます。それらの思想家がどのような時代に生き、どのような問題意識で何を主張したのかを掴めるようにすることを目指してください。
◆普段からニュースに関心を持つこと
「政治・経済」の教科書に記載されていることは、現実のテレビ・新聞などの現実のニュースに直結しています。そのため普段からニュースに関心を持ち、教科書のどの部分に関連するかの意識を持つことです。新聞、雑誌、テレビなどを通じて学習できる項目は、実はかなりたくさんあります。こうして身近に考えることで政治や経済事項に関するセンスや勘が養われ、応用問題に遭遇しても十分に力を発揮できます。『現代社会の最新時事』『最新現代社会資料集』などに触れておくことも有効です。
東進のセンター試験本番レベル模試は、年間のカリキュラムでセンター試験と同一レベル・同一形式の問題演習を繰りかえします。積極的に受験して、自らの学習進度を測る物差しとして利用してください。
大問構成は倫理分野、政治・経済分野から各3問。小設問は大部分が「倫理」「政治・経済」単独からの流用だが、一部にオリジナル問題あり。
大問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
設問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
マーク数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
難易度 | 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 |
出題形式としては、倫理分野、政治・経済分野から大問が各3問ずつ計6問、小設問は大部分が「倫理」「政治・経済」単独科目と共通であったが、倫理分野では昨年なかった「倫理、政治・経済」オリジナル問題が2題含まれていた。
昨年は倫理分野でリード文のない小問集合があったが、今年は全問リード文つきであった。政治・経済分野で「倫理、政治・経済」オリジナルのリード文が1問あったのは昨年通り。
「倫理」と「政治・経済」の全分野から網羅されるように設問が選択されており、とくにやさしい設問が選ばれたという形跡はない。倫理分野、政治・経済分野ともに十分な準備をしておかないと高得点はねらえない出題であった。全体の難易度は、昨年より難化した。
年度 |
大問 |
出題分野 |
設問数 |
マーク数 |
配点 |
---|---|---|---|---|---|
2013 |
第1問 |
現代社会分野・青年期分野 |
5 |
5 |
14 |
第2問 |
源流思想分野・日本思想分野 |
7 |
7 |
18 |
|
第3問 |
源流思想分野・西洋近代思想分野 |
7 |
7 |
18 |
|
第4問 |
国際経済分野 |
6 |
6 |
14 |
|
第5問 |
国際政治分野・国内政治分野 |
7 |
7 |
18 |
|
第6問 |
経済分野 |
7 |
7 |
18 |
|
2012 |
第1問 |
源流思想分野 |
7 |
7 |
18 |
第2問 |
西洋近代思想分野 |
7 |
7 |
18 |
|
第3問 |
青年期分野・日本思想分野・現代社会分野 |
5 |
5 |
14 |
|
第4問 |
日本経済分野 |
6 |
6 |
14 |
|
第5問 |
日本経済分野・国際経済分野 |
7 |
7 |
18 |
|
第6問 |
政治分野 |
7 |
7 |
18 |
過去の平均点の推移
2012 |
---|
67.14点 |