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センター試験解答速報2016

1日目解答

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2日目解答

理科1

物理基礎 化学基礎 生物基礎 地学基礎 

数学1

数学I 数学I・数学A 

数学2

数学II 数学II・数学B 

理科2

物理 化学 生物 地学 
物理
全体概観

必須問題4題、選択問題2題が出題された。熱力学と原子物理から1題選択する形式は昨年と同じである。 


大問数
減少 | 変化なし | 増加  
設問数
減少(-1) | 変化なし | 増加  
マーク数
減少 | 変化なし | 増加  
難易度
易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化  

大問6題形式、分野は第1問小問集合、第2問電磁気、第3問波動、第4問力学、第5問熱力学、第6問原子物理であり、第5問熱力学と第6問原子物理が選択問題であった。すべての範囲からまんべんなく出題されている。熱力学と原子物理から1題を選択する方式は、昨年を踏襲する形となった。配点について、第2問(電磁気)が5点増し、第4問(力学)が5点減少した。

第1問小問集合では、小球の斜方投射、誘電分極と静電誘導、正弦進行波のグラフと式、運動量保存則、熱の移動と温度についてが出題された。

第2問電磁気では、Aコンデンサー回路、B電場と磁場中の荷電粒子運動が出題された。

第3問波動では、A音波の干渉とドップラー効果、B光波の干渉(平行薄膜)が出題された。

第4問力学では、A鉛直面内の円運動、Bばね振り子と振動する台上での慣性力と摩擦力について問われた。

第5問熱力学では、理想気体の混合と、内部エネルギーに関する問いが出題された。

第6問原子物理では、光電効果の基本的な問いが出題された。

配点がわずかに変更されたが、マーク数は昨年と変わらない。また、各問いともあまり深い考察まで踏み込んでいないのも昨年同様である。しかしながら、分野の偏りなく多くのテーマから広く出題されており、問題設定の把握や時間配分で苦労した受験生が多いのではなかろうか。全体として、難易度は標準的と言えるだろう。

年度

大問

出題分野

設問数

マーク数

配点

2016

 

 

第1問

小問集合

5

5

20

第2問

電磁気

4

5

25

第3問

波動

4

4

20

第4問

力学

4

4

20

第5問

1問選択

熱力学

3

3

15

第6問

原子物理

3

3

15

2015

 

 

第1問

小問集合

5

5

20

第2問

電磁気

4

4

20

第3問

波動

4

4

20

第4問

力学

5

5

25

第5問

1問選択

熱力学

3

3

15

第6問

原子物理

3

3

15

過去の平均点の推移

2015
64.31点

設問別分析

【第1問】小問集合
問1では、鉛直方向の初速度に注意して、落下までの時間を比較すればよい。
問2では、電荷分布の様子を不導体と導体それぞれの場合について判断する。
問3は原点と任意位置での単振動の時間差から波の式を考える。新課程で波の式が直接出されたのは初めてである。
問4では、運動量保存則を利用する。
問5では、熱量保存を考える。また、この変化は不可逆変化である。

【第2問】電磁気
Aはコンデンサーの基本事項が扱われている。
問1では、個々のコンデンサーについて、孤立部分の電気量保存に注目する。また、電荷の計算では合成容量の式を
用いてもよい。
問2では、誘電体が入った時の電気容量に着目する。

Bは電場と磁場中それぞれでの荷電粒子運動に関する問題である。
問3では、電場と磁場それぞれの場合で、粒子に働く力の向きを考察すること。
問4は、磁場中の等速円運動のうち、4分の1円を経過するのに気がつくこと。
なお、問4は軌跡を円弧とした解答に部分点が設定されている。

【第3問】波動
Aは音波の干渉とドップラー効果に関する問題である。
問1では、AB間に生じる定常波で、強めあう場所の間隔を調べる。
問2では、アで観測者が波源に近づく場合のドップラー効果を考える。イでは、もうひとつの振動数の
波とのうなりを求めるか、文中にあるように定常波の強めあう位置を観測者が通過するという考え方もできる。

Bは薄膜による光波干渉の問題である。
問3では、反射時の位相変化の有無と、条件を往復時間で表す点に注意すること。
問4は、求める膜厚が波長に依存することと、色と波長の関係に気がつかねばならない。

A、Bとも複数解答の組み合わせでひとつの正答になる問いを含んでおり、受験生は間違えやすい。


【第4問】力学
Aは小物体の鉛直面内の円運動に関する問題であった。
問1は、力学的エネルギー保存則を適用する。
問2では、点Aを通過する最小の速さの場合、面から受ける垂直抗力の大きさがゼロになる事に気づけばよい。

Bは台と小物体を合わせたばね振り子が扱われている。
問3は、単振動における力学的エネルギー保存則を用いればよい。
問4では、まず運動方程式から縮みがdのときの加速度を求める。次いで、台上で小物体に働く最大摩擦力が慣性力とつりあう条件を考える。2015年度の小問集合に、同様の考察をする問題があった。なお、台の加速度の大きさを正しく出せた解答に、部分点が設定されている。

【第5問(選択)】熱力学
理想気体の圧力、体積、温度と内部エネルギーに関する問題である。
問1は、2つの容器内の状態方程式を比較すればよい。
問2では、全体が均一な圧力になった時の状態方程式を考える。その際、モル数の合計が変化していない事に注目すればよい。
問3では、温度が変化しなければ内部エネルギーも変化しないことに気づけばよい。

【第6問(選択)】原子
金属の光電効果についての問題である。
問1では、金属中の自由電子がエネルギーを光子から受け取ることと、仕事関数の存在に注意して、光電子の運動エネルギーを考察するとよい。
問2は、実験での阻止電圧が光電子の最大運動エネルギーと関係することに着目すること。
問3では、阻止電圧が変わらないことから振動数に変更が無い点と、光電流が減少したことから入射する光子数が減少した点に気がつけばよい。