(1)発音・アクセント
発音・アクセントはセンター試験の問題の中でも比較的正答率の低い大問です。この分野では発音・アクセントの規則やパターンなどを体得することが不可欠です。学習対策としては、英文を音読する習慣を大切にしましょう。英単語を暗記する際には、ネイティブ音声教材を利用して音読し、単語の意味だけでなく、正しい発音やアクセントを一緒に覚えましょう。また、発音・アクセントに特化した市販の問題集を一冊解くのもよいでしょう。
(2)文法・語法・語彙
文法・語法・語彙問題については、英語の基礎学力を試す問題が万遍なく出題されます。対策が比較的おろそかになりがちなのが、単語・熟語・類語の用法など語彙や語法に関する分野です。センター試験では、語彙に関する問題が文法と同程度かそれ以上の比重で出題されるということをしっかり認識して、日頃から語彙力・語法の強化に努めましょう。
(3)英作文
整序英作文では語法・文法・構文の知識を、問題を解く上で正しく運用する力が試されます。日頃から、主語・述語・修飾関係などの英文の構造に注意して学習し、標準レベルの例文を音読してしっかりと身につけましょう。またセンター試験の過去問などをたくさん解き、問題形式に慣れておきましょう。
(4)口語コミュニケーション
会話問題では、会話の場面・話題・発言の意図・会話全体の流れなどを正確につかむ力が求められます。実際の会話におけるコミュニケーション力の素地をつくることにも役立ちますので、会話でよく使われる基本的な応答表現や慣用表現の知識を日頃から増やしていきましょう。
(5)英文読解
センター試験では、制限時間内で数多くの英文を読み解く力が求められます。センター試験の英文には難解な語彙や構文は出されませんが、制限時間内で正確に文章を読み問題を解く力、つまり速読速解力を高める訓練が必要です。語句や表現の意味が問われる問題では、文脈からその意味を推測する力が試されます。図表と説明文を結びつけて答える問題では、情報処理能力が求められます。長文読解問題では、パラグラフごとのテーマを把握し、その論理展開を見抜く力を養うことが重要です。また物語文の読解では「行間を読む力」がポイントになります。
センター試験の過去問を始めとして、内容を理解した英文を音読することを習慣化し、英語を英語の語順で理解する力をつけることで、大きく読解力が養われるでしょう。学力の伸びを確認するには、東進の全国統一高校生テストを含めて年6回実施されるセンター試験本番レベル模試を活用して、弱点の発見とその補強に努めましょう。総体的な英語の力を高め、本番直前まで繰り返し演習量を積み、目標点に近付くよう継続して学習を進めていきましょう。
第5問で物語文の読解が出題されるも、全体の傾向は変わらず
大問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
設問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
マーク数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
難易度 | 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 |
大問6題からなる全体構成と大問ごとの配点は昨年と同じ。読解問題(第3問〜第6問)の配点が全体の7割以上を占める読解中心の出題である。全体の語数は約4200語でここ数年大きな変化はない。
目立った変化として、第5問が昨年までの複数情報源に基づく読解問題から,単一の物語文(約700語)の読解問題に変わった。物語文の出題は2007年以来となる。また、今年は文中の単語や熟語の意味を推測する問題は出題されなかったが、同趣旨の設問として、ある文が文脈中でどのような意味で用いられているかを問う問題が第6問で出題された。その他の問題形式は昨年と変わらず、一昨年から出題されている第3問Bの文削除問題や、昨年新形式として出題された第2問Cの対話文中の英文完成問題は、今年も引き続き出題された。
第1問・第2問は、発音・語彙・文法・語法等の英語の基礎力を試す問題で、全体配点の29%が与えられている。全体配点の71%を占める読解問題(第3問〜第6問)は、短い対話文の空所補充完成やパラグラフの理解を問う基本問題から始まり、実際に英文に接する際に考えられる様々な状況を想定した内容把握を問う出題となっている。具体的には、議論の要点整理、図表を交えた英文読解、広告文からの情報収集、物語文や説明文の読解等である。英語のパラグラフについての基本的な理解のうえに、英文のタイプに応じた読み方ができるように計画的に学習していこう。
年度 |
大問 |
出題分野 |
設問数 |
マーク数 |
配点 |
|
2016 |
第1問 |
A |
単語の発音 |
3 |
3 |
14 |
B |
単語のアクセント |
4 |
4 |
|||
第2問 |
A |
文法・語法・語彙 |
10 |
10 |
44 |
|
B |
整序英作文 |
3 |
6 |
|||
C |
対話文中の英文完成 |
3 |
3 |
|||
第3問 |
A |
対話文の空所補充 |
2 |
2 |
41 |
|
B |
不要な文の選択 |
3 |
3 |
|||
C |
意見内容の要約 |
1 |
3 |
|||
第4問 |
A |
図表を使った説明文読解 |
4 |
4 |
35 |
|
B |
説明文書などの読み取り |
3 |
3 |
|||
第5問 |
物語文の読解 |
5 |
5 |
30 |
||
第6問 |
A |
説明的文章の読解 |
5 |
5 |
36 |
|
B |
1 |
4 |
||||
2015 |
第1問 |
A |
単語の発音 |
3 |
3 |
14 |
B |
単語のアクセント |
4 |
4 |
|||
第2問 |
A |
文法・語法・語彙 |
10 |
10 |
44 |
|
B |
整序英作文 |
3 |
6 |
|||
C |
対話文中の英文完成 |
3 |
3 |
|||
第3問 |
A |
対話文の空所補充 |
2 |
2 |
41 |
|
B |
不要な文の選択 |
3 |
3 |
|||
C |
意見内容の要約 |
1 |
3 |
|||
第4問 |
A |
図表を使った説明文読解 |
4 |
4 |
35 |
|
B |
説明文書などの読み取り |
3 |
3 |
|||
第5問 |
複数情報源に基づく読み取り |
5 |
5 |
30 |
||
第6問 |
A |
説明的文章の読解 |
5 |
5 |
36 |
|
B |
1 |
4 |
||||
2014 |
第1問 |
A |
単語の発音 |
3 |
3 |
14 |
B |
単語のアクセント |
4 |
4 |
|||
第2問 |
A |
文法・語法・語彙 |
10 |
10 |
44 |
|
B |
対話文の空所補充 |
3 |
3 |
|||
C |
整序英作文 |
3 |
6 |
|||
第3問 |
A |
文脈による語句の意味推測 |
2 |
2 |
41 |
|
B |
不要な文の選択 |
3 |
3 |
|||
C |
意見内容の要約 |
1 |
3 |
|||
第4問 |
A |
図表を使った説明文読解 |
4 |
4 |
35 |
|
B |
説明文書などの読み取り |
3 |
3 |
|||
第5問 |
複数情報源に基づく読み取り |
5 |
5 |
30 |
||
第6問 |
A |
説明的文章の読解 |
5 |
5 |
36 |
|
B |
1 |
4 |
||||
2013 |
第1問 |
A |
単語の発音 |
3 |
3 |
14 |
B |
単語のアクセント |
4 |
4 |
|||
第2問 |
A |
文法・語法・語彙 |
10 |
10 |
41 |
|
B |
対話文の空所補充 |
3 |
3 |
|||
C |
整序英作文 |
3 |
6 |
|||
第3問 |
A |
文脈による語句の意味推測 |
2 |
2 |
46 |
|
B |
意見内容の要約 |
1 |
3 |
|||
C |
英文空所補充(文または文の一部を補充) |
1 |
3 |
|||
第4問 |
A |
図表を使った説明文読解 |
3 |
3 |
33 |
|
B |
説明文書などの読み取り |
3 |
3 |
|||
第5問 |
複数情報源に基づく読み取り |
5 |
5 |
30 |
||
第6問 |
A |
説明的文章の読解 |
5 |
5 |
36 |
|
B |
1 |
5 |
過去の平均点の推移
2015 | 2014 | 2013 | 2012 | 2011 |
---|---|---|---|---|
116.17点 | 118.87点 | 119.15点 | 124.15点 | 122.78点 |