◆出題の中心は近現代史
センター試験の「世界史A」では、大問ごとにまとまったあるテーマに沿ったリード文から出題されています。世界史上の人物や出来事の内容について問うものが多い傾向となっています。各地域・時代ごとの基本事項について正確に理解していることが求められます。
◆教科書・資料集を読んで派生学習を進めよう
16世紀以降を中心に、時代・地域ごとの基本事項について理解することが学習の基礎となります。教科書を読み、太字の部分を中心に歴史の流れを押さえましょう。出来事についての出題が見られるので、背景・内容・結果について常にまとめて身につけるようにしましょう。
図版・略年表を用いた出題もあるので、資料集の地図や年表などにも目を通しておきましょう。また、政治史のほか文化史や産業史など出題分野が広いので、特定の分野に偏らないように気をつけて学習を進めましょう。
「世界史A」にあまり時間をかけられない場合もあるかもしれませんが、前近代も含めた基本事項の理解と、略年表や地図を用いた発展的な学習に重点を置けば高得点が取れるはずです。
普段から新聞・テレビ・インターネットなどのニュースを見て、世界の出来事について関心を持つようにしましょう。現代史の流れがつかめるようになります。「世界史A」は試験直前まで得点の伸びが期待できる科目です。継続して学習し、最後まで粘り強く取り組んでください。
◆過去問の演習を積極的に
センター試験の出題形式は正誤判定問題を中心に、2つの文の正誤組合せ問題、年代に関する問題、地図・資料問題などがあり、選択肢は4つまたは6つです。年代問題については細かい年号まで全て覚える必要はなく、大まかな時代や歴史の流れを理解していれば解くことができます。地図についても同様で、おおよその位置が把握できていれば正解できます。一部教科書には記載のない事項や選択肢の紛らわしいものもありますが、他の選択肢についての理解があれば、消去法で正解にたどり着くことが可能です。過去問の演習を通して問題形式に慣れ、不正解の部分について再度復習をして苦手分野を一つずつ解消していきましょう。
大問数が1問増加したが、設問数には変化なし。正文選択問題が倍増して、やや難化。
大問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
設問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
マーク数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
難易度 | 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 |
2007年度より大問数が3問、設問数が33問で固定されていたが、今年度の設問数は33問と例年通りであったものの、大問数が4問に増加した。新しい出題形式の設問はなかったが、5年ぶりに絵画の作者を選択する4択問題が出題され、昨年度5問出題された語句の4択問題は今年度はこれ以外登場しなかった。さらに、正文を選択する4択問題が9問から18問に倍増したことから、前年度よりも難化したといえる。近現代史の設問数は22問で昨年度の21問とほぼ変化がなかったが、19世紀に関する知識が問われる設問が7問から10問に増加し、やや近代史の比率が上昇した。一方、解答番号9のアテネ民主政、12のアッバース朝の版図、14の古代農業など近現代以前の設問でも迷う問題が多かった。国家の独立や開発、農業・食料、移民問題や核兵器など現在の世界の諸問題に通じるテーマの出題が多く、普段から新聞やテレビのニュースなどにより、社会的事象に関心を持って世界史を学習してほしいという大学入試センターのメッセージがうかがえる。
年度 |
大問 |
出題分野 |
設問数 |
マーク数 |
配点 |
2016
|
第1問 |
世界史上の国家の再編や建設 |
9 |
9 |
27 |
第2問 |
世界史上の農耕や農作物 |
10 |
10 |
31 |
|
第3問 |
世界史上の移住や移民 |
7 |
7 |
21 |
|
第4問 |
世界史上の外交や国際関係 |
7 |
7 |
21 |
|
2015
|
第1問 |
世界史上のマイノリティ |
11 |
11 |
34 |
第2問 |
世界史上の人間と動物との関わり |
11 |
11 |
33 |
|
第3問 |
世界史上の社会運動や民衆運動 |
11 |
11 |
33 |
|
2014
|
第1問 |
歴史上の人や物の移動 |
11 |
11 |
34 |
第2問 |
世界史上の戦争と戦後処理 |
11 |
11 |
33 |
|
第3問 |
世界史上の文化の交流や伝播 |
11 |
11 |
33 |
|
2013
|
第1問 |
世界史上の王朝交替と革命 |
11 |
11 |
33 |
第2問 |
世界史上の情報・通信・交通 |
11 |
11 |
34 |
|
第3問 |
世界史上の文化と政治をめぐる問題 |
11 |
11 |
33 |
過去の平均点の推移
2015 | 2014 | 2013 | 2012 | 2011 |
---|---|---|---|---|
47.37点 | 47.78点 | 46.67点 | 43.62点 | 48.42点 |