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センター試験解答速報2016

1日目解答

地理歴史

世界史B 世界史A 日本史B 日本史A 地理B 地理A 

公民

現代社会 倫理 政治・経済 倫理、政治・経済

国語

国語 

英語

英語 リスニング 

2日目解答

理科1

物理基礎 化学基礎 生物基礎 地学基礎 

数学1

数学I 数学I・数学A 

数学2

数学II 数学II・数学B 

理科2

物理 化学 生物 地学 
世界史B
全体概観

文章選択が増加し、グラフ問題も13年ぶりに復活したが、出題形式の大枠に変化はなかった。 


大問数
減少 | 変化なし | 増加  
設問数
減少 | 変化なし | 増加  
マーク数
減少 | 変化なし | 増加  
難易度
易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化  

大問構成は4問。設問数は2005〜2015年に引き続いて各9問と例年通りであったが、グラフの読み取り問題が2003年以来久々に出題され、年表補充問題も2問中1問は年表の時代幅が17〜20世紀と大きく拡大された。またリード文中の空欄補充がなくなったが、その分、独立文中の空欄補充が昨年の2問から4問に増加し、正誤判定の文章選択問題は19問から21問に微増した。単なる語句選択問題は昨年と同様に出題されなかった。2文の正誤の組合せは最近4年間の問題数7問から5問に減少した。出題される時代は近現代史が全体としては昨年とほぼ同じ割合であるが、戦後史が2問から3問に増加した。また、リード文のテーマとの関連で、文化史の割合も昨年の6問から10問に増加した一方、昨年多く出された日本史関連の設問はほとんどなかった。昨年と同様に時代・地域混合の選択肢からなる設問も多く、解答番号9のような文化史における年代整序6択というやや難の問題もあるが、全体としては、地域・時代ともに幅広い基礎力が問われる標準的な問題となっている。

年度 

大問

出題分野

設問数

マーク数

配点

2016

 

第1問

世界史上の宮廷や宮廷文化

9

9

25

第2問

ユネスコに登録された世界遺産

9

9

25

第3問

世界史上の戦争とその影響

9

9

25

第4問

世界史上の宗教と政治との関係

9

9

25

2015

 

第1問

世界史上の帝国の支配と影響

9

9

25

第2問

世界史上の港町

9

9

25

第3問

世界史上の軍隊

9

9

25

第4問

世界史上の遊戯やその伝播と受容

9

9

25

2014

 

第1問

世界史上の危機

9

9

25

第2問

世界史上の家族や社会集団

9

9

25

第3問

歴史上の国際関係

9

9

25

第4問

過去の認識のあり方

9

9

25

2013

 

第1問

世界史上の法をめぐる問題

9

9

25

第2問

世界史上の都市と経済

9

9

25

第3問

世界史上の宗教と政治の関係

9

9

25

第4問

世界史上の君主や王朝

9

9

25

過去の平均点の推移

2015 2014 2013 2012 2011
65.64点 68.38点 62.43点 60.93点 61.46点

設問別分析
【第1問】世界史上の宮廷や宮廷文化
Aはカール大帝・中世後期イタリア諸都市の宮廷と文芸復興、Bはティムール帝国等の天幕による宮廷、Cは17世紀後半のフランス宮廷が近世ヨーロッパ諸国の宮廷に与えた影響についてのリード文。Aでは宮廷を支えた税や文化など幅広い分野から出題され、時代も全時代にわたっている。Bは地図問題を含め中央アジア史・インド史について基礎的な問題が出た。Cの年代整序6択問題はヨーロッパ文化史の細かい年代的知識が必要となり、直前の復習の成果が試されたと言えるだろう。


【第2問】ユネスコに登録された世界遺産
Aは11世紀から中世後期にかけての世界遺産ブルッヘ(ブリュージュ)の歴史、Bはロンドン塔の建造以来近代までの歴史、Cは孔子を祀る孔廟を取り上げたリード文であった。Aではオランダなど三国の艤装船舶数のグラフ問題が出題されたが、年号がわかれば判定は容易である。Bはイギリスの歴史に関する出題で、近世・近代という広い時代幅を扱う最近にはなかった年表補充問題が出ている。Cの年表補充問題は現代中国史に関する知識が問われた。全体で年表問題が2問出題されており、歴史の流れの正確な把握が求められる。


【第3問】世界史上の戦争とその影響
Aはローマ帝国のバルカン半島への進出の歴史、Bは19世紀中頃から現代にかけての東アジアの戦争、Cはジャーナリストのロベルト=ユンクが見た20世紀の戦争と科学の関係をテーマとしたリード文である。Aでは前近代の戦争・人口移動について広汎に基本的な問題が出題された。Bでは、国民政府の外交政策や戦後の国際社会の枠組みなどは一見細かいが、基礎知識があれば十分判定できる問題だった。Cの年代整序6択問題も同様に近現代史の基礎知識を思い出せれば容易である。昨年に続く軍事関係の出題で、近現代政治史の知識をどれほど学習できたかが鍵となった。


【第4問】世界史上の宗教と政治の関係
Aはイスラーム共同体をめぐる歴史、Bはアメリカ大陸を征服したスペイン人によるキリスト教の布教、Cは19世紀のタイ近代化と仏教の関係についてのリード文だった。Aでは近代以後のイスラームと政治の関係が出題され、現在の中東問題にも通じる問題意識が必要とされた。Bではキリスト教史やアメリカの文化史など手薄になりがちな分野が狙われている。Cではアジアの民族運動に関する出題が2問出題されている。全体的に、宗教史を中心とした文化史の知識が定着しているかが問われたと言える。