大学入試センター試験

センター試験 1日目解答

地理歴史

世界史B 世界史A 日本史B 日本史A 地理B 地理A 

公民

現代社会 倫理 政治・経済 倫理、政治・経済

国語

国語 

英語

英語 リスニング 

センター試験 2日目解答

理科1

物理基礎 化学基礎 生物基礎 地学基礎 

数学1

数学I 数学I・数学A 

数学2

数学II 数学II・数学B 

理科2

物理 化学 生物 地学 

全体概観

出題形式がオーソドックスに、幅広い分野での理解の正確さが求められる 


大問数
減少 | 変化なし | 増加  
設問数
減少 | 変化なし | 増加  
マーク数
減少 | 変化なし | 増加  
難易度
易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化  

出題形式は大問6問、小問36問と、過去5年と同様であった。昨年と若干変化し、第1問と第4問の小問が8問、その他が5問という形式であった。統計を読み取る形式の設問も例年通り2問出題された。そのうち第5問の問5では読み取りに時間がかかる五角形のレーダーチャートが出題されたが、2問とも落ち着いて読み取れば正解にたどりつける内容であった。3つの内容の正誤をすべて判別する問題が昨年4問出題されたが本年は出題されなかった。昨年の第3問問2のように、知識よりも条件を基に論理的な思想力を問う、共通テストの傾向を先取りする出題といえる設問は明確には見当たらず、過去2年連続で出題された選択肢ごとに写真が付く形態の出題もなかった。

バーゼル合意、民法における「契約」、地域経済分析システムなど、次期課程で重視される事項、時事的要素や教科書には出ていない用語があったものの、全体としては時事的要素の占めるウエイトはリード文の印象ほど高くない。また一部の設問で教科書レベルを超えていたり、細かい学習が必要な事項も含まれているため、理論的事項の学習の徹底が要求されるものとなっている。倫理的要素は、2015年以来出題がなかったマズローの自己実現論が出題されるなど、ほぼ前年なみのウエイトであった。全体的に一般常識で判断できる設問は昨年同様ほぼ存在しないため、主として「政治・経済」分野での着実な学習が要求される出題となった。

政治・経済、および現代社会の諸問題に関する事項が融合した出題傾向が進んでいるものの、出題形式・内容自体は極めてオーソドックスであり、学習の達成度が点数に反映しやすい内容であった。さらに、通常の設問形式よりも正答にたどりつきやすい適当でないものを選ぶ問題の減少傾向に変化はなかった。出題形式でとまどわない分、正確な知識が問われる出題が増え、全体の難易度は前年並みであったと言える。

年度 大問 出題分野 設問数 マーク数 配点
2019 第1問 経済のグローバル化 8 8 22
第2問 人権保障と国家の役割 5 5 14
第3問 人の社会性 5 5 14
第4問 社会保障制度 8 8 22
第5問 地方創生 5 5 14
第6問 欧州の統合 5 5 14
2018 第1問 企業と労働、地域問題(会話文) 8 8 22
第2問 選挙権の18歳への年齢引き下げ 5 5 14
第3問 発達段階、環境問題 8 8 22
第4問 ロボットと社会問題 5 5 14
第5問 経済思想 5 5 14
第6問 環境問題 5 5 14
2017 第1問 環境 8 8 22
第2問 民主政治 5 5 14
第3問 日本の景気動向や経済情勢(会話文) 8 8 22
第4問 歴史的建造物と建築規制 5 5 14
第5問 国際機関 5 5 14
第6問 経済の仕組みと景気 5 5 14
2016 第1問 幸福の追求と社会 8 8 22
第2問 私たちの生きる社会 5 5 14
第3問 環境問題と行政(会話文) 8 8 22
第4問 GDP(国民総生産)と経済 5 5 14
第5問 青年期 5 5 14
第6問 グローバル化と現代社会 5 5 14
2015 第1問 権利と法制度 8 8 22
第2問 市場メカニズム 5 5 14
第3問 主権国家と地域経済統合 8 8 22
第4問 日本の環境・農業 5 5 14
第5問 情報化社会と人間 5 5 14
第6問 国際機構と人権 5 5 14

過去の平均点の推移

2018 2017 2016 2015 2014
58.22点 57.41点 54.53点 58.99点 58.32点

設問別分析

【第1問】経済のグローバル化
リード文は、国際経済枠組みのグローバル化をテーマとしたものであった。設問は、経済分野を中心とした出題であった。グローバル化や国際通貨・貿易体制など経済に関する理論的事項の内容がほとんどであり、経済分野の大問といえる。全体の出題傾向およびレベルとしては、理論的事項をオーソドックスに問うているが、ほぼすべての設問で理論的事項の確実な理解が必要であったため、やや難しかったといえる。

【第2問】人権保障と国家の役割
リード文はSNSなども素材に取り上げているが、出題の内容は日本での人権を中心とした基本的なものである。憲法における人権、情報公開の判例、刑罰、国会といった観点から出題された。一定の学習を積んだ受験生にとっては実力を発揮しやすい設問内容であり、点を取りこぼさないことが求められているといえる。問2は西洋近代思想を正確に理解できているかが問われた出題であった。

【第3問】人の社会性
前年までは8問であったが5問の大問となった。「ありがとう」という感謝についてのリード文から、倫理分野中心に出題された。問1の社会性に関する出題では西洋近代思想の理解が問われた。問2ではマズローの自己実現理論が2015年以来の出題となっている。問5は課題追究学習の出題であった。

【第4問】社会保障制度
前年までは5問であったが8問の大問となり、リード文は対話形式で少子高齢化についての内容となっているが、少子高齢化を切り口として、分野横断的な要素の強い出題となっている。特に問1・3・6で法律の理解について問われるなど、理論的事項の正確な理解がないと歯が立たない手ごわい大問となっている。問3において前年は条件を基とした読解問題であった民法上の「契約」について知識問題として問うたもので、過去問とその復習をしたかどうかが問われる出題であった。問2は資料読解問題だが、特別な知識は必要ない。

【第5問】地方創生
リード文は「地方創生」と、その際にツールとして重要である「地域経済分析システム」についてであるが、経済分野中心にオーソドックスな出題となっている。問5はレーダーチャートの読解問題で特別な知識は不要であったが、五角形で読解すべき要素が多数あったため若干時間がかかった受験生がいたことが想定される。

【第6問】欧州の統合
リード文は英国の離脱問題などで注目を集めている欧州統合に関する内容であった。問3でここ2年連続で出題されている各国の政治制度が出題された。また問4では近代民主主義思想の主要宣言・憲法に関して内容の正確な理解を問う出題であった。

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