設問別分析
《現代社会》




【第1問】政治・経済総合問題
リード文で時事的な要素もまじえて公正に関する事例について述べながら、幸福追求という観点からさまざまな人権と財政や労働、およびそれらに関する法制度などについて、政治分野と経済分野が融合するかたちで総合的に幅広く問う内容であった。新課程の方向性に合致した出題となっている。問1で幸福追求権から導かれる権利・法的利益を尋ねたり、問8選択肢1でロールズについての正確な理解が必要であるなど突っ込んだ設問も存在するが、全体のレベルとしてはオーソドックスであり、確実な理論的事項の理解が必要となっている。問8ではホルクハイマーについても出題されており、「倫理」分野の事項についての学習も求められている。なお問6の資料読解問題は、知識がなくても表を読み解けば確実に得点できる出題であった。

【第2問】現代社会分野
現代の社会生活に関して、大衆社会・高度情報社会など典型的な観点から、消費者庁・ES細胞などの時事的事項を絡めて出題された設問。全体としてかなり易しく、受験生としては点を取りこぼさないことが求められているといえる。問4で課題追究学習に関する出題があった。

【第3問】環境問題
8問ある大問であるが、環境問題を軸として地方自治、選挙制度、財政など関連する分野から網羅的に出題され、「政治・経済」分野をまたがるかたちで理論的事項の理解が徹底しているかどうかが問われる内容となっている。問8選択肢1で「シャッター街」という時事的要素の出題があった。外部不経済は2010年本試験の第1問の問6以来の出題であり、オーソドックスな重要事項について学習できていたかどうかがカギとなった。

【第4問】経済分野
経済分野、特に日本経済に関するオーソドックスな出題であった。問5は資料読解問題であり、知識がなくとも解答はできるが、2015年本試験の第4問の問3と同様に計算に基づく判断が必要となる出題であった。しかも条件ウではやや面倒なGDPデフレーターの計算が求められており、時間がかかった受験生が多かった可能性がある。

【第5問】青年期
大問としては2015年出題がなかった「青年期」を軸としつつ、国際金融や社会保障、貨幣について出題した内容となっている大問であった。出題自体は典型的であるが、受験生の多くが苦手とする経済分野については細かい理論的事項の理解が必要な設問も存在した。

【第6問】国際社会
国際政治分野を中心として、1問国際経済関連の設問がある出題内容であった。問4選択肢4のように教科書の範囲を超えた事項も出題される、やや手強い大問となっている。問3で2008年以来となる軍縮関連の事項が出題される一方で、2015年第6問問5で出題された国際司法裁判所などがより細かい理解を試す形で再び出題されている。



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