TEL

0120-104-219

受付時間 10:00-18:00 (日・祝除く)

エルモやクッキーモンスターなど、魅力的なあやつり人形である「マペット」たちは、セサミストリートには欠かせないメンバーですが、実は当初テスト版が始まった時は、主役ではありませんでした。

1969年にセサミストリートの本放送が始まる前、テスト版をフィラデルフィアの子どもたちに見せました。テスト版では、児童心理学者の意見に基づいて、現実的なパートと空想的なパートを分け、マペットたちは空想的なパートに登場していました。しかし子どもたちは、現実的なパートの要である街のシーンになると、全く関心を示さなかったのです。そこで、それまで人間のキャラクターの補完的な役割と考えられていたマペットを前面に押し出して、主役にすることになりました。こうして街のシーンにマペットが登場することとなり、現実と空想が融合されたのがセサミストリートの原型となりました。

アーニーとバート

ゾーイ

このマペットたちを生み出したのが、人形劇団を主催し、自らもマペティア(人形つかい)であったジム・ヘンソン(1936~1990)です。すでにブロードウェイなどで知られていたヘンソン は、このセサミストリートの成功で、さらに大きな名声をつかみます。5人の小さな子どもたちの父親でもあるヘンソンは、子どもがどういうものが好きかを肌で知っていたのでしょう。また「マペットの声もマペティアが演じる 」というヘンソンのこだわりによって、マペットはマペティアと一心同体の分身となり、命を吹き込まれ、生き生きとした動きをするようになったのです。ちなみにヘンソン自身が操ったキャラクターは、カエルのカーミットやオレ ンジ色の丸顔をしたアーニーなど。このヘンソンなくして、セサミストリートの成功はなかったといえます。

その後も大人向けのTV番組『マペット・ショー』や映画に登場するマペットの制作など、活躍の幅を広げていたヘンソンでしたが、1990年に53歳の若さで病死します。

しかし彼の生み出したマペットたちは、現在も元気にセサミストリートで活躍しています。アップル社が1997年に、20世紀を作り出した天才たちを並べたCMを作った際に、アインシュタイン、マーティン・ルーサー・キング、ジョン・レノン、ピカソなどと並んで彼を登場させたことなどからも、アメリカでのその高い評価がうかがえます。

(YouTubeより)