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今年(2016年)、放送開始47周年になるセサミストリート。その元となる企画が生まれたのは、本放送開始からさかのぼること2年前の1967年のことでした。

セサミストリートの生みの親

セサミストリートを優れた教育番組に作り上げたスタッフには、一人の女性の存在が欠かせませんでした。テレビのドキュメンタリー番組のプロデューサーとして活躍していた、ジョーン・ガンツ・クーニー女史です。

彼女は、家庭環境や貧困といった理由で満足な教育が受けられない子どもたちのことを真剣に考え、教育的な幼児番組の必要性を訴えたのです。同時に、政府や民間団体に協力してもらい、非営利プロダクションCTW(Children’s Television Workshop/現Sesame Workshop)を設立。彼女はいわば「セサミストリートの母」と言えるでしょう。

研究と調査は念入りに

また、彼女の考えに賛同した他のブレーンも優れた人ばかり。教育関係者や児童心理学者、社会学者、映画監督などすべて第一線で活躍するプロフェッショナルです。彼らによって1年以上もの間、徹底的な研究と調査がなされました。実は、こういった研究・調査がテレビ番組作りに活かされたのも、セサミストリートがほぼ初めてでした(それまではプロデューサー達の直感が頼りでした)。

こうした研究・調査は番組作りに活かされます。例えば、数を教えるにはテレビコマーシャルの技法を効果的に採用。アルファベットを教えるには漫画の主人公を使うことも。そして、これらには教育的価値が測定され、確実に成功していることが実証されました。

すぐに表れた教育的効果

1960年代のアメリカでは、幼児の知力を伸ばすことに力が注がれているとは言い難い状況でした。ところがセサミストリートがスタートすると、その教育的効果はすぐに表れ、状況は変わり始めます。

番組が始まった最初のシーズンに、2歳児も20まで数えられることが分かりました。そして多くの子どもたちが小学校に入学する時には、すでに文字や数字を理解しているようになりました。新聞各社はこぞって番組を称賛し、当時の大統領リチャード・ニクソンが番組にラブレターを送って功績を讃えたことからも、アメリカの家庭にセサミストリートがどれほど大きな影響力を与えたかを伺い知ることができます。

子どもたちの可能性を引き出す

実際に、NHES(国立中央統計西部事務局)が小学1、2年生を対象に行った調査では、幼児期におけるセサミストリートの視聴が、就学後の文字の認識だけでなく、本の読解力にもプラスに作用していることがわかりました。しかも、その効果は高校生になっても継続。1980年代、高校生に対して、英語、数学、科学の成績に関する追跡調査を行いました。すると、幼児期にセサミストリートをよく見ていた生徒は、すべての科目で平均スコアが良かったのです!さらに、週に3時間以上視聴していた生徒は、そうでなかった生徒に比べて、成績が良いということもわかりました。

子どもたちのいろいろな可能性を大きく引き出すセサミストリート。その効果は、子どもたちの将来に大きく役立っているのです。