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2008オープンキャンパス情報





東進タイムズ2008年5月1日号
東京都立 三鷹高等学校 サッカー部


2008年1月 全国サッカー選手権大会のメンバー。
2008年1月、全国高校サッカー選手権大会。東京都立三鷹高校サッカー部が、公立高校史上初の大会3勝を挙げたことは記憶に新しい。 今年で創立60周年を迎える東京都立三鷹高校は、毎年難関国立大・難関私大への合格者を輩出する都内でも有数の進学校だ。制服の無い自由な校風と文武両道を伝統とし、サッカー部をはじめ、これまで女子バレー、陸上、弓道も全国クラスの成績を挙げた歴史を持つ。

しかし同校は、東京都内にあるほかの高校と同様に、十分なグラウンドの広さはなく、併設の定時制高校との兼ね合いで練習時間も限られている。 このような状況で、総勢140名以上が在籍するサッカー部はどのような工夫をして練習に励み、昨年見事に全国ベスト8の快挙を成し遂げたのだろうか。再び全国の舞台に立つために始動した、新チームの横顔に迫る。

チームをゼロから作りなおし、再び全国の舞台を目指す!

まだ肌寒さが残る4月の午後。ようやく雨の上がったグラウンド全面に、三鷹高校サッカー部員140名の声が響き渡る。雨天で野球部が室内トレーニングとなったために、珍しくグラウンド全面をサッカー部が使用できるのだ。

同校サッカー部の平日の練習時間は、授業後の3時半から定時制高校がグラウンドを使用する午後5時までの1時間半。しかも使えるコートはほかの部活動と共用のため半面のみ、十分な時間もスペースもない。そのため、「7時半から始業までの約1時間を朝練に充てて、練習の準備を素早く行うことで少しでも多くの時間練習ができるように工夫しています」と副キャプテンの堀大輝くん(3年・ディフェンダー)が教えてくれた。時間がなければ方法を考える。弱点を補うために頭を使うのは、三鷹サッカーの特徴の一つだ。また「毎日朝練ができるのは、山下監督が7時前に誰よりも早く来て準備をしてくれているからなんです」とキャプテン・副キャプテンは揃って感謝の念を語った。

140名の部員は、Aチーム40名、Bチーム100名に分かれて練習を行う。練習中や練習試合でのプレーによってABチームは容赦なく入れ替わるため、日々の練習も当然気が抜けない。

さらに、先輩たちの残した全国ベスト8という輝かしい成績は、彼らにとって名誉であるとともに大きなプレッシャーになることもある。「練習試合では、どうしても相手チームから『あの三鷹だ』と意識されるんです。下手なプレーは見せられません」と語るのは、昨年の選手権出場経験のあるキャプテンの大木大輔くん(3年・フォワード)だ。

同校はスポーツ推薦枠がなく、入学時点では現メンバーと先輩たちと比べても特別な技量の差はない。しかし、今年4月に行われた都大会2回戦敗退という結果を見れば、両者の間に“違い”があることは明らかだ。自分たちに足りないものは何なのか。キャプテンも副キャプテンも自覚している大きな要因は、サッカーに対するチーム全体の意識と各自の考え方だった。

 ◇

彼らにとって、最も印象深い先輩たちの試合は、全国選手権ではなく昨年夏のインターハイ地区予選だ。インターハイに進むためには、地区予選に2勝し、都予選に進む必要がある。地区予選のシード権を獲得し、順調に都予選に進むかに見えた先輩たちの、まさかの地区予選初戦敗退。

「その敗戦以降、先輩たちの練習に向かう姿勢や考え方がガラッと変わったんです」と副キャプテンの堀くんは当時を振り返る。それまでは、キャプテンの指示に反発する者も多く、まとまりの欠けたチームだったが、選手権という目標に向かって、全員の気持ちが一つになっていったのだという。誰かが準備をして、チームを無理やり引っ張っていくのではなく、チーム全員で作り上げていく練習。そうして、全国選手権に出場を決め、試合を重ねるごとに精神的に強くなっていった先輩たちの姿は、後輩たち全員の胸に焼きつけられている。

先輩たちのターニングポイントとなったインターハイ地区予選は目前だが、彼らの目標はあくまでも全国選手権だ。「まだまだクリアするべき課題は多いけれど、最終目標は選手権出場です。140人も集まればいろいろなメンバーがいます。でも、全員が同じ方向を向いて精神的に一つになっていきたい」とキャプテンの大木くんが意気込みを語ってくれた。山下監督の掲げる三鷹高校の 考えるサッカーを武器に、再び全国の舞台に立つことを目指して歩き始めたばかりだ。












監督 山下 正人先生の言葉
サッカーを通して、生きていく力を身につけてほしい

サッカーを通して学べることと、社会で生きていくために必要なことは、実は同じなんです。自分の考えをしっかり持って相手に意思を明確に伝え、相手の気持ちも尊重する。特に“聞く態度”については厳しく指導していますね。話をしている人から顔をそらするのはもってのほかです。礼儀のない人は、サッカーをしていてもメンバーに認めてもらえませんし、社会でも認めてもらえません。

昨年のチームは全国ベスト8でしたが、まれに見る質の高いチームだったわけではないんです。ただ、試合を重ねるごとに自分たちのサッカーに対する考え方が明確になり、妥協がなく、諦めない気持ちが誰よりも強くなっていっただけなんです。現在、チームは確かにつらい局面かもしれませんが、彼らだって変わっていける可能性は十分にあるのです。

生きていくうえで、努力してもできないこと・失敗してしまうことは、確かにあります。しかし、その努力がなぜ報われなかったかを考え、どう受け止め、どう行動に変えていくかで必ず結果は変わってきます。そうすることで、人間性が養われていくんだと思いますね。