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2007年5月15日号
異文化発見!
〜〜タイ(Kingdom of Thailand)・生活と人間編〜〜
このコラム(column)では、毎回いろいろな方に、さまざまな国で実際に体験したおもしろい習慣や文化を語っていただきます。日本の常識は世界の非常識!?世界はやっぱり広い! と感じずにはいられないコラム(column) です。今回は、東進OG の福島 五月さんに、スタディツアー(study tour) で訪れたタイ(Thailand) について語っていただきます。
福島 五月(ふくしま さつき)さん
法政大学 キャリアデザイン学部(Faculty of Lifelong Learning and Career Studies) 3年
群馬県立 前橋女子高校卒
東進OG
社会教育や生涯学習について学んでいる福島さん。今回のツアー(tour)で社会教育の現場を目の当たりにし、さらに興味が湧いたそうです。夏には、カンボジア(Kingdom of Cambodia)、ベトナム(Socialist Republic of Viet Nam)へのスタディツアー(study tour)参加を計画中だとか。

▲市場でおばさんが売っているのは、蟻の卵。ひと山で20〜30バーツ(baht)ほどで、高級品です。試食を勧められましたが、ちょっとひるんでしまいました。コオロギ(cricket)は食べてみましたが……。

今回、スタディツアー(study tour)でタイ(Thailand)を訪れました。社会教育を専門にしている大学の先生が春と夏に行っているもので、今回の目的は「東北タイ(Thailand)、イサーン(Isan)地方の農業と自給について学び、その地域に住む人々の生活に触れる」でした。

7泊8日の旅でしたが、そのうち4日間はタイ(Thailand)の東北部に位置するイサーン(Isan)地方のタラート村(Ban Tarat)に行き、ホームステイ(homestay)をしました。村へは、首都バンコク(Bangkok)から飛行機で約1時間のコンケーン空港(Khon Kaen Airport)まで行き、車で移動。このコンケーン空港(Khon Kaen Airport)をはじめ、タイ(Thailand)の東北部には空港がいくつもあります。それは、ベトナム戦争(the Vietnam War)時に米軍によって拓かれたからだそうです。木も切り倒されてしまったため、今は荒地となっていて、問題になっています。

▲ホームステイ(homestay)先での食事。おかずはいつも4品ほど。生野菜、肉、魚、炒め物があり、野菜中心の健康的な食事です。

タラート村(Ban Tarat)はすべての生き物、植物たちと共に生きる村でした。鶏がひよこを連れて歩いていたり、犬たちが私たち人間についてきたり、水牛たちが草を食べていたり、夜には多くの虫が飛んできて蚊帳がないと寝ることができなかったり、という環境です。「共生」という言葉を最近よく耳にしますが、これまで私は人間同士のことしか考えていませんでした。しかも、普段忙しく過ごしていると、人は一人で生きていると思いがちです。でも違うのです。私は生かされているのです。大切な水があって、卵を産む鶏がいて、食物を栽培する人がいて……。最初の晩、虫がたくさんいることに戸惑いました。でも、虫がいないことっておかしいですよね? 虫がいるからこそ食物連鎖が成り立ち、私たち人間も生きているのです。

▲タラート村(Ban Tarat)の風景。集落から離れると、このように水牛が放し飼いにされ、草を食べています。水牛使いの人が毎朝連れてきて、夕方には家に帰ります。

タラート村(Ban Tarat)は、そんな忘れかけていたことを思い出させてくれた場所でした。日本でいえば戦前くらいの暮らしだそうです。衛生状況は決していいとはいえません。もちろん、他国でもそうですがトイレ(bathroom)でトイレットペーパー(toilet paper)を流せませんし、現地の人はトイレットペーパー(toilet paper)を使用せず、水でお尻を洗い流します。体を洗うのも水です。お湯なんてありません。日本ではお湯が出てくるのが当たり前ですが、世界的にみれば、それは当たり前のことではないのです。

▲ホームステイ(homestay)先の近くにあったバナナ(banana)の木。ここでは、自給率が高いです。バナナ(banana)、鶏肉、野菜、米など食事に出てきたものは村で作られた新鮮なものばかりでした。



食事のときは、料理によってはスプーン(spoon)を使うこともありますが、基本的には手で食べます。イサーン(Isan)地方では、カオニャオ(もち米をふかしたもの)を手にとり、丸めて食べます。もち米なので、すごくお腹にたまりました。また、タイ料理(Thai food)には必ず唐辛子などの香辛料が入っていて、どれもとても辛いです。タイ(Thailand)は1年を通して暑いので、辛いものを食べないとバテてしまうのでしょう。辛いものを食べ続けていたため、日本に帰ってからより、辛党になってしまいました!!

▲タラート村(Ban Tarat)の風景。集落から離れると、このように水牛が放し飼いにされ、草を食べています。水牛使いの人が毎朝連れてきて、夕方には家に帰ります。

さて、タイ(Thailand)ではタイ語(Thai)が公用語です。どのようにしてコミュニケーション(communication)をとったのかというと、『旅の指さし会話帳』(加川博之・著/情報センター出版局・刊)を使いました。あとは笑顔、ジェスチャー(gesture)、“伝えようという気持ち”です。「サワディーカァ(こんにちは)」「コップンカァ(ありがとうございます)」。この言葉を使うときには、手を合わせます。私たちが手を合わせてあいさつすると、タイ(Thai)の人はみんな“にこっ”と笑顔で返してくれました。

▲村では、女性は織物などで生計を支えています。染める前に布を縛ることで、模様をつけます。神経を使う細かい作業ですが、完成品はとてもきれいに模様がついていました。

村滞在の最終日の夜には、村の人たちが伝統的な音楽を演奏したり歌ったりして、それに合わせてみんなで踊りました。静かな村に鳴り響く音楽。みんなの笑顔。一生忘れません。短い時間だったけれども、村の人たちの温かさに触れ、自然に触れ、文化に触れ、日本とは違った環境に身を置くことで視野が広がりました。仲良くなった女の子に、「また来てね」と言われたときには胸が熱くなり、「またこの村に来る」、そう心に誓いました。そして村を去るとき、自然に涙が出てきて止まりませんでした。 

村を去った後はバンコク(Bangkok)に戻りました。バンコク(Bangkok)はタイ(Thailand)の首都であり、大都市です。今では他国の人たちが豪華な暮らしを求めて移住する地となってきています。

▲村の子どもたち。ちょうど学校が春休みの期間だったため、子どもたちが一日中近くにいました。言葉は通じなくても、追いかけっこをして楽しみました。

例えば、私たちは一人400バーツ(baht)ほどのイタリアンレストラン(Italian restaurant)に入りました。400バーツ(baht)だと、1,200円ほどです。その値段なら、日本でいう誰もが入るような普通のレストラン(restaurant)ですよね! しかし、タイ(Thailand)では違います。このレストラン(restaurant)は高級レストラン(restaurant)なのです。店内に入ってすぐに、食事をしている人たちの身なりやウエイトレス(waitress)の振る舞いなどを見て、高級レストラン(restaurant)だということがよく伝わってきました。このように、物価が安いため、日本にいる以上に良い暮らしができるということです。

私が旅をする理由。それは、人との出会いが楽しいからです。そのときにしか会えない人かもしれない。でも、話すことでとても印象深い旅になるのです。海外で他国の人と話すと、「日本人」ということを意識します。日本国内で生活していたら、あまり実感がありませんよね。でも、日本から一歩踏み出すと自然と意識できます。このように多くのことを考える機会も旅は与えてくれます。

海外に行くためには、お金もかかりますし、準備も大変です。でも、それ以上にたくさんの経験をすることができます。皆さんも、ぜひ大学生になったら海外へ行ってみてはどうでしょうか。そこでは、自分のまだ見たことのないもの、会ったことのない人たちに出会えるかもしれませんよ。