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2007年10月15日号
異文化発見!
〜ポルトガル(Portugal)・建築編〜
 このコラム(column) では、毎回いろいろな方に、さまざまな国で実際に体験したおもしろい習慣や文化を語っていただきます。日本の常識は世界の非常識!? 世界はやっぱり広い! と感じずにはいられないコラム(column) です。東進のOB・OG やスタッフ(staff) に、まさに東進の海外特派員となって世界中で体験してきた貴重なエピソード(episode) を、積極的に披露していただきます。今回は現在東進の担任助手としても活躍中の、東進ハイスクール大宮校OG塩野 敬子さんに、ポルトガル(Portugal)を中心に、ヨーロッパ(Europe)の文化について語っていただきます。
塩野 敬子(しおの けいこ)さん
昭和女子大学 生活科学部(Faculty of Human Life and Environmental sciences)2年
埼玉県 さいたま市立浦和高校卒
東進ハイスクール大宮校OG

将来的には一級建築士やインテリアプランナー(interior planner)の資格を取り、顧客から信用される設計士として活躍したいという塩野さん。現在は、インテリアコーディネータ(interior coordinator)2級の資格取得に向けて勉強しているそうです。

▲大英博物館の屋根付き中庭。

私が建築を学ぼうと思ったきっかけは、建築士として仕事をしていた伯父の存在が大きいです。伯父が新しいテーマパーク(amusement park)をつくるプロジェクト(project)に参加していた時期がありました。どんなに大きな建物であっても、一つひとつが細かい規定に沿ってつくられていることや、その施設によって人々が楽しんだり癒されたりするという話を伯父から聞き、憧れを持ち始めたんです。

また、車椅子で生活をする祖母をそばで見ていて、家の中の小さな段差、トイレ(lavatory)、玄関、階段といった家のすべてが日常生活を送るうえで壁となることを肌で感じ、建築物のバリアフリー(barrier free)に興味を持ったこともきっかけですね。

今回の旅は、大学で学んでいることをヨーロッパ(Europe)諸国の建築物を観て学ぶ、研修旅行です。大学2年生から大学院2年生まで約60人で15日間の研修旅行に参加しました。

まず初めに訪れたイギリス(The United Kingdom)では、大英博物館を見学。1759年に開館した英国最大の国立博物館で、ギリシャ(Greece)・ローマ(Rome)・エジプト(Egypt)・アジア(Asia)など、世界各国の数多くの芸術品、資料、書籍などが所蔵されています。特に印象的だったのが、屋根つきの中庭です! 雑誌などで見たことはありましたが、天井の高さや流れるような美しさに感動!私たちが行った時期にちょうど日本の芸術品の展示会をしていました。

▲ポルトガル(Portugal)、シトー(OCist)派の修道院を改装したホテル(hotel)。

二番目の訪問国ポルトガル(Portugal)では、ジェロニモス(Hieronymites)修道院を訪れました。ポルトガル(Portugal)がもっとも繁栄した時代の象徴といわれており、エンリケ(Henrique)航海王子とヴァスコ・ダ・ガマ(Vasco da Gama)の功績を称えて、16世紀の初めから19世紀後半までの長い歳月を費やして完成した修道院です。

今まで見たことのないくらいに壮大で、荘厳な教会の雰囲気は圧巻でした。世界遺産としても認定されており、大航海時代の富の象徴となる教会建築は、ヨーロッパ(Europe)でしか見ることのできない建築物の一つ。ここで友達がスリ(pickpocket)に遭いそうになって、ひやっとしたことも忘れられません(笑)。

▲リスボン(Lisbon)万国博覧会のポルトガル・パヴィリオン(Portugal pavilion)。

通称ポルトガル・エキスポ(Portugal Expo) ‘98と呼ばれている地域は、1998年にリスボン(Lisbon)万国博覧会が開かれた場所です。「愛・地球博」のように、各国のパヴィリオン(pavilion)が独立した建物として存在するのではなく、ポルトガル・パヴィリオン(Portugal pavilion)の建物を各国セクション(section)に分けて展示を行ったそうです。

大きな一枚の板が特長の、日本にはないデザイン(design)のこの建物。想像以上にスケール(scale)が大きく、実際に建物の中に入るとこんな大きな板をどうやって支えているのか不思議に感じました。この作品を観ることが私の旅のメイン(main)の一つだったので、とても感動しました。

そして、ポルトガル(Portugal)で宿泊したのが、シトー(OCist)派の修道院を改装したホテル(hotel)でした。ポルトガル(Portugal)建築の特徴を象徴する外観のこの建物に泊まれることを楽しみにしていました。中庭やレストラン(restaurant)も当時の雰囲気を残しつつモダン(modern)なデザイン(design)がほどこされていました。ホテル(hotel)全体が修道院の荘厳な空気におおわれ、何ともいえない感動に包まれたことが忘れられません。

▲スペイン(Spain)のグッゲンハイム美術館(Guggenheim Museum Bilbao)。

歴史の古いこのホテル(hotel)は、伝統あるものを大切にするポルトガル(Portugal)の人たちにとっても特別な存在と聞きました。一般的なホテル(hotel)よりも宿泊費が高く、私達が食事をしたレストラン(restaurant)では、ほとんどのお客さんが正装で食事を楽しんでいました。宿泊客の年齢層も高く、ホテル(hotel)で過ごす時間を満喫している感じを受けました。

三番目に訪れたスペイン(Spain)のビルバオ・グッゲンハイム(Guggenheim Bilbao)美術館は、レンガ(brick)の街並みに突如現れる、ガラス(glass)張りとチタン(titanium)張りの巨大な美術館。金属性なのにゆるやかで柔らかい印象の巨大な美術館は、中に入ると高さ50mの天井に囲まれた中庭が現れます。常設の巨大展示場は奥行き130m、幅30mもあるのに、視界を遮る支持柱は1本もありません!外も中も、驚きと感動の連続でした。

▲ 20世紀最高の住宅建築といわれている、
ル・コルビュジエ(Le Corbusier)のサヴォア(Savoye)邸。フランス(France)パリ(Paris)郊外。
▲2025年完成予定の、アントニオ・ガウディ(Antoni GaudCornet)設計のサグラダ・ファミリア(Sagrada Familia)。スペイン(Spain)のバルセロナ(Barcelona)で建設中。

ヨーロッパ(Europe)の街並みは、屋根の色や高さに細かい規定があり、その統一された空間はとても美しく日本にはない光景です。また、日本の各地にお寺や神社があるように、ヨーロッパ(Europe)にも教会があり、地域に深く根づいています。教会にはたくさんの様式や決まり(祭壇の向きは聖地であるエルサレム[Jerusalem]を向いていなければならないなど)があり、柱のさまざまな彫刻にも一つひとつに意味があることに深く興味を持ちました。

▲ アントニオ・ガウディ(Antoni Gaud Cornet)が設計したスペイン(Spain) のグエル公園(Park Guell)のシンボル(symbol)、トカゲ(lizard)と一緒に。一番左が塩野さん。

また研修旅行で訪問した国の中でもポルトガル(Portugal)やスペイン(Spain)は、日差しが日本よりも格段に強く、湿気がないという気候なので、日差しと特に白い建物と青空と自然がうまく溶け合っている印象を受けました。ヨーロッパ(Europe)に行って、ヨーロッパ(Europe)の人々は自国に精通していると同時に大切に思っているということを強く感じました。それは、昔ながらの街並みを保存する規則が守られ、建築する建物にも反映されてきた結果です。これは、日本では京都のような観光地以外、ほとんどの場所にはない考えかもしれません。

今回の15日間の研修で、16都市56カ所の教会や現代建築を自分の目で観ることができ、貴重な経験を得ることができました。今までは、建物の周りの気候・風習などを考慮して課題設計することができていなかったので、これからはその建物本体だけではなく、街との関連性など視野を広げて見ていかなくてはならないと感じています。また、ヨーロッパ(Europe)の人たちのように、街を大事にしていく心も見習い、人々に信頼される設計士になりたいと思いました。