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2007年12月15日号
異文化発見!
〜南アフリカ(Republic of South Africa)
・NGO(Non-Governmental Organizations)活動・後編〜
このコラム(column)では、毎回いろいろな方に、さまざまな国で実際に体験したおもしろい習慣や文化を語っていただきます。日本の常識は世界の非常識!? 世界はやっぱり広い!と感じずにはいられないコラム(column)です。東進のOB・OGやスタッフ(staff)に、東進の海外特派員となって世界中で体験してきた貴重なエピソード(episode)を、積極的に披露していただきます。今回は『TOSHIN TIMES』の特派員として現在活躍中の、笹田 拓志くんに南アフリカ(Republic of South Africa)でのNGO※活動について語ってもらいます。
※人権、環境、開発、平和などの問題に取り組む非営利の民間組織のこと。
笹田 拓志(ささだ たくし)くん
国際基督教大学 教養学部 社会科学科
(College of Liberal Arts, Division of Social Science) 4年
福岡県立 修猷館高校卒
「TOSHIN TIMES」特派員

大学では経済学と国際政治学を専攻し、現在は日本の社会保障制度についての卒論を執筆している笹田くん。来年の4月からは大学院へ進学し、日本のさまざまな政策について研究する予定だそうです。
国旗 南アフリカ共和国
(Republic of South Africa)

首都: プレトリア(Pretoria)
人口: 4,690万人 ※2005年時
言語: 英語、アフリカーンス語(Afrikaans)、バンツー諸語(Bantu languages)、
    (ズールー語(Zulu)、ソト語(Sesotho)ほか)の合計11が公用語
宗教: キリスト教(Christianity)、ヒンズー教(Hinduism)、イスラム教(Islam)
時差: -7時間
▲テーブルマウンテン(Table Mountain)から町を一望

ケープタウンの美しい町並みBeautiful Scenery of Cape Town
南アフリカ(Republic of South Africa)での5週間のサービス・ラーニング(service learning)のうち、グラハムズタウン(Grahamstown)での3週間のNGO活動(Non-Governmental Organization)を終えた私たちは、立法首都※1があるケープタウン(Cape Town)へと出発しました。ケープタウン(Cape Town)でNGO活動に参加するのは、 日本人学生6名とアメリカ人(American)トレーナー (trainer)2人の計8名。ケープタウン(Cape Town)に到着した日、早速町を散策して、その美しさと南アフリカ(Republic of South Africa)社会のダイナミズム(dynamism)を改めて実感しました。切り立ったテーブルマウンテン(Table Mountain)からは町を一望でき、遠くには大西洋が広がっていました。町の南に位置する喜望峰への半日旅行では、強風が吹きすさぶ苛酷な自然の中、アフリカ(Africa)大陸の最南西端に立ちました。

▲アフリカ(Africa)最南西端 の地、喜望峰

ケープタウン(Cape Town)から船で30分ほどのロベン島(Roben Island)では、アパルトヘイト(Apartheid)時代の監獄を見学。マンデラ(Mandela)元大統領※2の独房の前で、黒人のガイド(guide)の方が「憎しみは何も生み出さない。支配者がどんなひどい仕打ちをしたかの真実を話してくれるなら、私たちは彼らを許し、和解することを選択したんだ」と説明してくれました。
※1 南アフリカ(Republic of South Africa)には、三権分立それぞれに首都が設定されて おり、行政首都はプレトリア(Pretoria)、国会のある立法首都はケープタウン(Cape Town)、司法首都はブルームフォンテン(Bloemfontein)にあります。
※2黒人解放運動の指導者として活躍し、黒人初の南アフリカ(Republic of South Africa)の大統領となった人物。


▲タウンシップ(township)で小規模起業を教える

タウンシップでのNGO活動NGO Activities in a Township
ケープタウン(Cape Town)に到着して2日目。私たちは中心部から車で30分の「タウンシップ(township)」と呼ばれるアパルトヘイト(Apartheid)時代の黒人居住区に向かいました。住民はトタン屋根(a tin roof)の下に暮らし、貧困や不衛生、犯罪が蔓延しています。  このタウンシップ(township)で、前半3週間で学んだNGO運営のノウハウ(know-how)を、小規模ビジネス (business)の起業に置き換えたワークショップ(workshop)を開催するのが私たちの活動内容です。参加者は、雑貨店や食事宅配サービス(service)を始めたいという希望を持った、私たちより年齢が一回りも上の女性たちでした。ワークショップ(workshop)では、ビジネス(business)の起業に関するノウハウ(know-how)を伝えました。  ワークショップ(workshop)は9時から17時まで、8人から10人の現地の女性が参加しました。まず立ちはだかったのが言葉の壁でした。授業の間はずっと英語で話し続けるので、発表用の原稿を用意して臨むことにしました。また、起業のノウハウ(know-how)を伝えるうちに、地元のニーズ(needs)や融資の方法は、参加者たちのほうがよく知っていることに気づきました。まず何よりも、こうした障害によって、参加者がこのワークショップ(workshop)に対して関心を失ってしまうことに危機感を覚えました。

▲ タウンシップ(township)の女性たちの「夢」が書かれたボード(board)

困難な課題を前に、私たちは授業内容について協議を重ね、毎日のワークショップ(workshop)の前に自己紹介の時間を設け、お互いをもっとよく知ることで授業への関心も持ってもらうことにしました。また、自分たちが起業について教えられることは限られているので、夢や希望を持ってもらうメッセージ(message)を伝えようと話し合いました。「魚を手に入れて食べるだけではだめ。大切なのは魚の釣り方を身につけることです」。  「ビジネス(business)が成功したときのあなたの夢は何ですか?」と尋ねたときのこと。「私たちは家族で幸せに暮らせればそれでいい。利益は障害を持つ子どもに車椅子を買うために使いたい」「余剰の利益はネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)基金に寄付したい」という答えが返ってきました。このときこそ、大切なことを教わったと感じた瞬間でした。ワークショップ(workshop)終了後、「大きな励みになったよ」「遠い日本から来てくれてありがとう」彼女たちの言葉に、一週間の苦労が報われた気がしました。

▲「虹の国」南アフリカ(Republic of South Africa)

「虹の国」南アフリカA “Rainbow Nation”: South Africa
最終日。参加者の女性たちがお礼の意味を込めて南アフリカ(Repablic of South Africa)の国歌を歌ってくれました。11の異なる公用語を歌詞に織り交ぜた美しい旋律を聞いたとき、南アフリカ(Republic of South Africa)での体験が思い出され、思わず涙が流れてしまいました。南アフリカ(Republic of South Africa)は異なる人種・民族が共生を目指す「虹の国」であると言われます。現実には就業や教育に問題を抱えているものの、希望を持った多くの人々がNGO活動に従事しています。国や地域がどんな困難にあっても可能性を信じて挑戦すること。南アフリカ(Republic of South Africa)の人々から学んだ姿勢を自分の将来にも活かすことを決意して、帰国の途につきました。