人間の身体の中で、「最も贅沢」な臓器は「脳」である。例えば、酸素を最も沢山消費する臓器、血液を最も沢山必要とする臓器、常に血液からブドウ糖を供給されなければ生きてゆけない臓器。それが「脳」なのである。
最も人間に近いとされているチンパンジーでさえも人間の足元にも及ばない。我々人間は、これらの手段によって時代を超えて「自分の考え」や「自分が書いたもの」を後世に残すことができ、従って「文化」を生むことができたのである。そして、この文化の基礎となった、言葉を聞いて話し、文字を読み書きし、画を描く、などの機能はいずれも「脳が特殊に発達して」初めて可能になった。だから、脳が特別扱いされるのは当然なのである。
感情とうまく連動させると記憶も強化される。記憶について言えば、子どもの頃は覚えも早いし、一旦覚えたものはなかなか忘れないので、この時期を上手に過ごすことが良いことが分かっている。一方、大人になって学ぶのは、効率は悪いけれども利口になる仕掛けは脳に残っているのだから、努力する価値がある。脳はダイナミックな臓器なのである。
脳の科学的研究は近年大いに進んでいるけれども、この領域での最終的な難題は、「この自分は何者なのか?」という問いかけであろう。
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現職 日本学術会議会長 宮内庁皇室医務主管 略歴 1967年 東京大学医学部医学科卒業 1974年 医学博士(東京大学) 1990年 筑波大学臨床医学系神経内科 教授 1991年 東京大学医学部脳研神経内科 教授 1997年 東大医学部附属病院長 2002年 国立精神・神経センタ?神経研究所所長, 宮内庁皇室医務主管併任。 2003年 国立精神・神経センター総長 2006年 日本学術会議会長 著書・受賞など 1994年 金澤一郎著 『パーキンソン病』(ライフサイエンス) 2001年 金澤一郎監修 『脊髄小脳変性症Q&A126』(SCD友の会) 2003年 金澤一郎他編集 『脳神経科学』(三輪書店) 2006年 金澤一郎他総編集『内科学』(医学書院) |