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まず、確率について考えます。オセロの駒をトスして、白と黒の出る確率を実験します。実際、1/2になるでしょうか。

水にインク(あるいは墨)を垂らすと、次第にインクが広がって行きます。たくさんの粒子が最初に原点にあると、それぞれの確率で動くので、全体としては、粒子の分布は広がっていきます。これを「拡散」と呼びます。しかし、この状態は静止した状態ではないのです。拡散と重力という2つの力が引っ張り合って、均衡している状態です。

インクの粒は、水の分子に衝突して複雑な動きをした結果、広がっていきます。このように、粒子がもっと小さい水分子の影響で複雑な動きをすることを「ブラウン運動」と呼びます。

これについて、アインシュタインの考察を紹介します。アインシュタインと言えば相対性理論が思い浮かびますが、実は粒子のランダムな運動と拡散を関係づけた理論も考えていたのです。

温度というのは、分子のエネルギーの大きさのことです。エネルギーにも、質の良いエネルギーと質の悪いエネルギーがあります。それを解説しながら、「開放系」という考え方を消化し、エネルギーの問題、さらには地球環境の問題を考えます。

現職
国際基督教大学教養学部教授

略歴
1969年 東京大学理学部物理学科卒業
1974年 ブリュッセル自由大学理学博士

1976年 東京大学理学部物理学科助手
1979年 静岡大学教養部助教授、
1989年 東京工業大学応用物理学科教授
1998年 現職
2002年 日本物理学会会長

著書・受賞など
『プリゴジンの考えてきたこと』
(岩波書店、訳書 クライツィグ)
『技術者のための高等数学1・常微分方程式』
(培風館)
ニコリス/プリゴジン『複雑性の探究』
(共訳、みすず書房)