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東進タイムズ2012年8月1日号
吉野先生が伝授する、入試で生きる古典常識
 東進生のいる熱い現場から「ナマの声」をお届けしているこのコーナー。今回は東進の校舎で行われた、吉野敬介先生の特別公開授業に潜入! 平安時代の恋愛から始まり人生の生き方について、吉野先生の熱い授業の様子をレポートします。

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よしの けいすけ
吉野 敬介 先生


 一度は予備校講師を引退したものの、断ち難い教育への、古文への、そして受験生への熱い想いを胸に東進で大復活! 膨大な努力を傾けた緻密な入試問題分析と独自の教授ノウハウが凝縮された授業を、受講生諸君は成績上昇カーブによって体感するだろう。「今頑張れない奴は一生頑張れない。でも今頑張れば、一生頑張れるかもしれない。」この言葉を今なお体現し続ける熱血講師。

平安時代の恋愛パターン

 本日はまず、知られざる古典常識からはじめましょう。皆さんがびっくりするくらい、平安時代の恋愛は現代とは全く異なります。位の高い貴族の娘、姫君と呼ばれる女性は、8歳頃から男の兄弟とさえ顔を合わすことはありません。お屋敷の奥に住み、几帳や御簾の中で女房(侍女)たちに大切に育てられ、女性の教養(和歌・習字・音楽)をたっぷり教え込まれます。また、当時の女性の最高名誉は天皇(帝)の奥さん(皇后・中宮)になることでした。

 当時の恋愛パターンとしては主に3つです。一つ目は、その家にお仕えしている女房や父、兄弟が意図的によい噂を流し、それを聞きつけた男が懸想文(和歌)を出してアプローチする方法。二つ目はちょっと過激ですが、女房に賄賂を渡して、姫君の寝室に侵入できるように取りはからってもらう方法。さらに三つ目は、偶然に垣根の隙間からのぞき、好みの女性を見つけるというパターン。男としてはこれが一番感動的ですね。さて、ここで同志社大学・商学部で出題された問題を一つ。



 1番が正解と思った人、多いんじゃないかな? しかし、正解は3番です。1はなぜ不正解か。「ちらりと見る」というのが不適切です。好みの女性ですから、男はじろじろとしっかり見ます(笑)。

古妻に新しい女性との関係成立を知らせる方法とは?

姫君から「あなたの想いを受け入れましたよ」というサインをもらった男は次のようなプロセスをたどります。その前に「よひ(宵)」→「夜中」→「あかつき(暁)」→「あけぼの」という時間の流れを押さえておきましょう。「よひ(宵)」に男は姫君の家に行き、「あかつき(暁)」に家を出ます。「よひ( 宵)」は午前二時半頃、「あかつき(暁)」は午前四時半頃です。その間の「夜中」、およそ二時間が男にとって勝負になるわけですね(笑)。では、また問題を一つ。明治大学・政治経済学部で出題されました。



正解は「きぬぎぬ」。「後朝の別れ」とは、男と女が契りを交わした朝の別れのことですから覚えておきましょう。さらに男は家に着いたらすぐに女に手紙を書き送ります。これは「後朝の文」と言います。そして、男が女のもとに三夜連続で通えば、「三日夜の餅」を食べさせられ、「所顕」(披露宴)の儀式を経て、婿として正式に認められます。

ちなみに早稲田大学・社会科学部では、〈男が新しい女性との関係成立を古妻に告白する方法〉が問われたことがありました。平安時代の結婚形態は、男性貴族が同時に二人以上の妻を持てる一夫多妻制です。つまり、古妻のサイドからすれば、「三日連続で男が通って来なければ」、新しい女との結婚が暗示されていることになります。


いい原因を作れば、いい結果に生まれ変わる

平安時代、鎌倉時代の随筆、日記、物語、説話を読むと、みんな仏道修行をして出家しています。それはなぜでしょうか?

 今俺たちが生きているのは現世です。その前は前世。死んだら来世。因果応報という言葉を知っていますか?「因」は原因の因、「果」は結果の果。当時は現世のあり様は前世が原因だと考えていました。だから現世で良い原因を作れば、来世で良い結果、イコール極楽浄土に生まれ変われるというわけです。良い原因をつくるためにみんな仏道修行し、最後は出家をするわけです。藤原兼家も藤原道長も中宮定子も中宮彰子もみんな最後は出家して亡くなっています。

 出家の意味を表す語は、世を捨つ、世を背く、世をのがる、世を離る、世を厭う、頭をおろす、形を変ふ、様を変ふ、御髪おろす、髷を切る、などです。また、仏道に導き入れるよいきっかけ、縁となる事や人のことを「善知識」というので覚えておきましょう。

 本格的に夏期がスタートしました。夏は学力を伸ばす絶好の機会。一所懸命に勉強しましょう。僕らも一所懸命に教えます。特に受験生の皆さんはここから一気に加速しましょう。悔いを残さないようにね。

 俺は、人生の「今」を頑張れなかったら一生頑張れないと思っています。これから入試までいろんなことが犠牲になると思います。でも、どうせ犠牲にするのなら徹底的に犠牲にすることです。その犠牲も大学に受かった瞬間、いい思い出に変わるから。それが君らの財産です。財産は目に見えるものだけじゃないんです。


▲吉野先生の熱い授業に参加者全員が集中の90分でした。



    
伊藤 秀晃くん
神奈川県立 大和高校 3年

 吉野先生のファンで、とても楽しみにしていました。期待通りのおもしろさで満足しています。特にじかに生徒とコミュニケーションを取りながら進めるのは公開授業ならではだと思いました。将来は具体的な方向はまだ決めていませんが、吉野先生のような多くの人に影響力を与える人間になりたいです。

田村 麻衣さん
神奈川県立 湘南高校 1年
 

 吉野先生自身の体験が印象的でした。受験知識がほとんどゼロのレベルから大学合格まで到達した話を聞いて、苦手でも頑張ればびっくりするほど伸びるんだとわかり、やる気が出てきました。今から計画的に積み重ねていけば、自分の行きたい大学を狙えそうだなと思っています。将来は数学の教師を目指しています。

安久 恭子さん
神奈川県立 光陵高校 1年
 

 「古典は難しい」というイメージが変わりました。現代との共通点や違いがわかり、おもしろかったです。また、「受験は大変」というイメージも変わりました。今は英語と数学の講座を受けています。東進は部活で遅くなっても最初から授業を受講できるので助かっています。将来は動物に接するような仕事に就きたいと思っています。

瀧浦 なな子さん
神奈川県立 柏陽高校 2年
 

 古文はもともと好きでしたが、もっと好きになりました。吉野先生の受験時代の話も興味深かったです。今こんなに活躍されている先生も過去にはさまざまなことを乗り越えていらっしゃったんだと知り、感動しました。今日は実行委員として受付も行いました。緊張しましたが、同じ校舎に通う仲間を知る良い機会になりました。





東進の校舎で行われる公開授業では、東進生自らが実行委員となって運営に取り組んでいます。今回はそんな実行委員会の公開授業当日の様子をレポートします。