Vol.01
株式会社T・M・Jグループ 代表取締役
寒川登代志さん
※株式会社T・M・Jグループ…リサイクル業・運送業・産業廃棄物収集運搬業から広告代理店、飲食店を運営。
「地球にやさしい」をモットーに、不法投棄を無くしたい!
トラック2台からスタートした不用品回収
私は今、リサイクル業を中心に飲食店から販売業まで、幅広く営む会社を経営しています。初めて起業したのは25歳の頃、焼き鳥屋を開いたのが始まりだったのですが、あるとき友人との何気ない会話の中で「引越しやリフォームのときに出る、不用品の処理に困っている人が多い」という話題が出たんです。
早速その友人とトラックを2台購入し、電話を引き、「不用品回収します」という広告を出しました。すると依頼の電話が予想以上に多く、年々業績が上がっていきました。現在では依頼の電話が1日600件に上り、私たちのグループ会社ではリサイクル業・運送業・産業廃棄物収集運搬業が主力になっています。
新しい業界を創っているという自負
「不用品回収」といってもイメージが湧きにくいかもしれません。例えば、引越しの際に出てきた不用品の回収を行政に依頼する場合、「○月○日の○時に出してください」と日時を指定されるため、「面倒だ」と感じてしまうことはありませんか。その、ちょっとした気持ちが不法投棄につながってしまうんです。「行政が解決できない悩みを解消する会社を作りたい」と思ったのが起業のきっかけですから、お客様の依頼はどんな案件でもまず「やります」と引き受けます。そして「片付けたい」と思うタイミングと片付けられるタイミングさえ合えば、世の中の不法投棄を8〜9割は減らせると思うんです。
回収した不用品は、倉庫ですべて手作業で分別し、どうしてもリサイクルできないものだけを捨てるようにしています。従来の不用品回収業は基本的に「待ち」の姿勢です。自分のほうからアクションを起こす会社は私たちが初めてですから、「新しい業界を創っている」というプライドを持って仕事をしています。
母の死と子どもの誕生から芽生えた気持ち
私たちは「地球にやさしい企業」を目指して仕事をしていますが、私は最初から「自然を守りたい、地球にやさしくしたい」なんていう考えを持っていたわけではありません。会社を興したときは、正直に言ってただ「お金を稼ぎたい」「いい思いをしたい」という気持ちが80%でした。しかしそれが、この5年間で大きく変わったんです。闘病生活を送っていた自分の母親を亡くしたことと、自分に子どもが生まれたことがきっかけです。どんどん衰弱していく母親とは反対に、子どもはどんどん成長していく。それを見ていたら、「自分さえ良ければいいんじゃない。誰かのために何かをしたい」という気持ちが芽生えてきたんです。
もちろん企業として営んでいる以上、自立し、収益を上げて基盤を築くことが大切です。そのため、当面の目標は株式上場※です。そのうえで、「地球のために」「誰かのために」という思いを形にしたいと思います。
その一環として、現在は企業のノウハウを活かした、富士山の不法投棄物処理のボランティアを行っています。富士山が、なぜ世界遺産に認定されないのかを知っていますか? それは、麓に捨てられた不法投棄物の多さが理由なんです。せっかくの日本が誇る美しい山が、自分たちの出したゴミのせいで世界に評価されないなんてもったいないことですよね。一企業でできることは微々たるものかもしれません。でも、少しずつでも「今できること」を積み重ねることで、大きな力になると信じています。
- ※株式上場
- 自社の株式を証券市場(証券取引所や店頭市場)で売買可能にすること。株式上場によって、企業は広く資金を集めることが可能となり、会社の知名度も高まる。ただし、上場には一定の厳しい基準をクリアしなくてはならない。
一歩! 大人に近づく
キーワード解説
◆産業廃棄物
工場など事業活動に伴って生じた廃棄物(燃えがら・汚泥・廃油・廃プラスチック・ゴムくずなど) を指す。これらは法令で、事業者が処理することを義務づけられている。また「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)によって不法投棄は固く禁じられており、違反した場合には1億円以下の罰金刑となる。
◆リサイクル法
資源有効利用促進法(01年4月施行)。リサイクルを促進して、資源循環型社会作りを促す法律である。大量生産型の10業種69品目を指定し、自動車や家電製品のリサイクルが容易になるような工夫を求め、缶類の分別識別マーク表示などを導入。容器包装リサイクル法、家電リサイクル法、食品リサイクル法、建設リサイクル法、自動車リサイクル法がある。
環境省では、2004年のG8サミットにおける「3R(リデュース、リユース、リサイクル)イニシアティブ」を踏まえ、「世界に発信する我が国の循環型社会づくりへの改革」として2006年5月30日に、「環境白書」「循環型社会白書」を国会に提出した。この「循環型社会白書」では、国際的に進められている3Rの取組の現状を紹介しながら、国際的な循環型社会の実現に向けた基本的な考え方を示している。
教えて! 先輩
Toyoshi Kangawa
寒川 登代志さん
株式会社T・M・Jグループ
代表取締役
1968年 東京都生まれ
東進スクール吉祥寺校OB
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ライバルはいますか?
不用品回収の会社を一緒に興した友人(株式会社秀明グループ 代表取締役 豊泉明雄氏)ですね。彼はビジネスの天才で、ビジネスにおいてはどうしても勝てない相手です。でも、追いつくことが無理なら、違うことで勝ってやろうと思うんです。今は別々の会社ですが同じ業界ですので、仲良くつき合い、仕事では喧嘩をしよう。でもお互い困ったら、助け合おうって約束しているんです(笑)。
東進の思い出といえば?
普通の塾と違って、塾と親がタッグを組んでいるというか(笑)、とにかく徹底的に勉強をさせてもらいましたね。ここで一所懸命に頑張った経験が、今に活きていると思います。
高校生へのメッセージ
まず、やりたいことをトコトンやってほしいですね。現時点で明確な夢があっても無くても、自分がやろうと思ったことは中途半端にしないで、絶対にやり遂げてほしい。私は、勉強を頑張る高校生ではなかったのですが、これと決めたことは徹底的に突き進む高校生でした。部活でも、勉強でも趣味でも。がむしゃらにでもやり遂げた結果、何かが見えてくると思いますよ。
寒川
1982年
(中2)東進スクールへ通う。
1984年
専修大学附属高校入学。やりたいことを見つけ、とにかく一所懸命に打ち込んだ。
1987年
専修大学 経営学部入学。自分でイベントサークルを作り、多くの人数を集めて評判に。学生起業ブームだったこともあり、一時は起業を考えたことも。
1991年
東急リバブル株式会社 入社
1994年
東急リバブル株式会社を退社、父親の不動産会社の営業を手伝いながら、販売事業を行う。健康食品から便座に至るまで、興味があるものを見つけては仕入れ、販売する。
その後、東京・三鷹に「やきとり 日本一」をオープンし、飲食業を本格的に始動する。
友人との何気ない会話から「ゴミや不用品の処理に困っているひとが意外と多い」というニーズをつかみ、その友人とトラックを1台ずつ買って、不用品回収業をスタート。
2002年
株式会社T・M・Jグループ設立
リサイクル業、運送業、産業廃棄物収集運搬業を中心に運営。リサイクル業は吉祥寺、杉並、北大阪など全国に6営業所がある。