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2006年10月1日号
Vol.02
日産自動車株式会社
菅 慶太郎さん
企業人として、社会の持続可能な発展に貢献したい
 
頭脳明晰、人格者のライバルに挑んだ高校時代

高校2年生の頃、開校したばかりの東進に出会いました。当時にしては珍しく、スタッフとの距離が近くて、静かで勉強しやすい自習室があるところが気に入っていましたね。何より一期生でしたから、生徒の立場ながらも「確認テストはこういうものが良い」と提案しながら東進の文化をスタッフの方と一緒に作りあげていく、そんな過程を楽しんでいました。

大切なライバルとの出会いもここでした。ある日、同じ高校に通う渡辺くんと校舎に掲示されていた模擬試験の成績優秀者を眺めていたら、ほとんどの科目で「小野英太」という名前を見つけました。

その後、どうやら小野英太くんはとても社交的で、頭脳明晰、人格も素晴らしいということがわかったんです。「こいつは手強いぞ」と思って(笑)、さっそく渡辺くんと一緒になって小野くんをライバルに設定し、彼よりも成績が上位になったときは二人で「よっしゃ!」なんてはしゃいでいました。

志望校合格後は小野くんと一緒に担任助手をしました。自分が東進で得たものを高校生に伝えたいと思ったんです。そして、社会人になった今でもその二人とはよく飲みに行くんですよ。

 
それはたった4人のプロジェクトメンバーから始まった

私の勤めている日産自動車は現在、世界160カ国に18万人の従業員が働いています。私は広報部に所属し、CSRの戦略企画を担当しています。CSR※1というのはまだあまり社会に認識されていない概念ですが、企業として持続的な利益ある成長を追求すると同時に、社会の持続可能な発展に向けて積極的に貢献していくことです。

活動のきっかけは2003年、経営トップ(カルロス・ゴーン氏)からの一言でした。海外の企業ではすでに動きがあったCSRの、日産としての活動をまとめた「サステナビリティーレポートを発行せよ」というミッションのもと、広報・IR部門から選抜された4名によるプロジェクトチームが発足しました。

まずはCSRがどういう概念のものなのか、自分自身が理解することからスタートし、次に社内において、方針説明や現状把握のために社内の各部署を奔走してトップを説得し、役員12名とCSRの目的を共有するための会議を開いたり、部長クラスの社員を50人集めてワークショップ※2を催したりする一方で、欧米やアフリカなどの責任者と同じプロセスで話し合いを進め、社内・社外の評価基準となる指標を定めるための協議を重ねました。

そんな努力の結果、日産のCSRの概念を示した「サステナビリティーレポート」を発行し、お客さまや株主、社員、取引先などに配布しました。また、会社としてのCSRの方向性をまとめた指針や9つの重点分野を設定し、さらにその9つの重点分野の進展を管理していくために、社内横断組織としてCSR委員会を設置し、今はその事務局業務も担っています。

 
あえて厳しい環境に身を置いて、自分を成長させていきたい

新しく何かを開拓することはおもしろいのですが、日産ではまだ誰も扱ったことのない概念でしたから、ここに至るまでは多くの苦労やプレッシャーが伴いました。これを支えてくれたのは周囲の人の言葉です。自分にとって厳しい状況だったからこそ、多くの人に刺激を受けながら、頑張ってこられたのだと思います。のんびり過ごしているときよりも、いろいろなプレッシャーを与えられているときのほうが、新しい発想が生まれてくるものですよね。

今後の目標としては、もっと知識や経験を積み、センスや能力を磨いて企業人としての価値を高めていきたいと思います。そのうえで、自分が身につけたノウハウを社会に還元していきたいと思います。そのためにも、自分へのチャレンジは一生続けていきたいですね。

一歩! 大人に近づく
キーワード解説

※1.CSR

Corporate Social Responsibilityの略。企業は社会の構成員として、株主に対してだけではなく、消費者、従業員、地域住民などさまざまな利害関係者や環境に責任を負っているという考え方のもとで、法令を遵守し、社会的公正や人権、環境に配慮した経営活動を行うこと。音楽会や美術展などの催しに対して企業名や商品名を冠して支援する文化事業とは異なり、本業の活動での取り組みをいう。

※2.ワークショップ

参加者が自主的な活動方式で行う講習会や、専門家の助言を得ながら問題解決のために行う研究集会を指す。

高校生へのメッセージ
Keitaro Suga
菅 慶太郎さん
日産自動車株式会社
グローバル広報・CSR・IR本部
広報・CSR部 CSRグループ課長(CSR戦略企画)
1968年 東京都生まれ
東進ハイスクール吉祥寺校OB

将来のビジョンを持ちつつも、まずは今を大事にしてほしいですね。長期の目標は持ちつつも、目の前のやるべきこと、部活動や勉強に全力投球する。おなじモノやコトでも、それに触れる時期によって、見え方や捉え方、生体反応、湧き上がってくる感動、あらわれる喜怒哀楽が皆違ってきます。そのときの感受性でしか体感できない心の動き--感動、葛藤、悔恨などさまざま--が必ずあって、そういうものの積み重ねが、大きなココロの栄養となって、後々社会で、何かを生み出す、改革する、競争する、リーダーシップを発揮する際の、重要な原動力となります。先を見ることはとても大事ですが、決して見すぎず、積み重ねるべきココロの栄養をしっかり積み重ねていただき、将来活用していくための闘志や情熱といったエネルギーを沸沸とためていってほしいと思います。

1985年
東京都 私立 成蹊高校2年生。
東進ハイスクールへ通う。ライバル2人に出会う。部活動と両立させて勉強に没頭しながら、東進の新しい文化を作り上げる楽しさを味わう。組織の中で、自分のビジョンを持って働くビジネスマンに憧れる。
1987年
早稲田大学 教育学部 現役合格。
東進で担任助手を務めながら、準体育会系のテニス部に所属し、大切な仲間を得る。
1991年
日産自動車株式会社 入社
「勉強できる部署へ」と希望を出し、産業機械事業部へ配属。フォークリフトの国内マーケティングを5年、海外マーケティングを1年間担当する。商品企画から販売促進、宣伝広報、お客様相談まで経験するうちに、PRの仕事を掘り下げて取り組んでみたいと思い始める。
1997年
社内公募制度を利用し、広報部へ異動。
新車の発表企画などを担当。メディアの対応に興味を持つ。
1999年
企業広報担当へ。
TVや新聞、経済誌への対応を行い、プレゼンテーション能力や記者からの鋭い質問にも切り返せるコミュニケーション能力を鍛える。
2003年
広報部内に、CSR専門のグループが発足。
2005年
CSR委員会を立ち上げる。