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2006年9月1日号
第5回 国立大学 数学

このコーナーでは、2006年度入試問題を徹底分析し、各大学の入試問題に潜んだ出題意図を読み解き、大学がどのような力を持った学生を求めているのかについて探っていく。第5回の今回は、国立大学の数学の入試問題について、東進の実力講師、原田知也先生にお話を伺った。

Q1国立大学の数学の出題形式や傾向などについて教えてください。

A1 国立大学の場合、旧七帝大のような難関大でなくても難問が出る可能性は十分にあります。出題傾向は各大学によって多少異なりますが、問題のレベルは一部の大学を除いて大差ないといえるでしょう。

国立大学では平均して試験時間120分の中で4題出題されます。出題される4題のうち2題は標準以下のレベルですが、残り2題のうち1題はひねりのきいた応用問題で、点差が開く問題です。そして最後の1題は、よほど数学が得意でなければ解けない難問。上位の国立大学を狙う場合は、標準以下レベルの問題はもちろん、点差が開く応用問題をいかに得点できるかどうかで合否が分かれます。

また試験時間を120分としたとき、1題に30分を費やすと全体の見直しをする余裕がなくなってしまいます。1題約25分のペースで解き、解答の方針は初めの3〜5分で立てなければなりません。  

出題分野は、理系は微分・積分、文系は数学Bが絡む問題が中心です。ベクトルや数列は、文理を問わず出題されます。

そして、どの大学にもいえることですが、問題の「見た目に騙されない」こと。

数学が苦手な人は、「問題が短いと簡単」「長いと難しい」という印象を持ってしまいがちですが、実はその反対です。問題文が長いほど情報がたくさん与えられている、つまり解くヒントがつまっているのです。

Q2入試ではどのような力が試されているのですか?

A2 「解ききる力」。これは、文系理系に共通していえます。

例えば、「大問ごとに小問の初めだけ解答する」という人がいますよね。これはやめましょう。すべての小問が同じ配点とは限りませんので、小問の初めだけを解いていても、総合得点の半分が取れる可能性は低いのです。

さらに、「問題の本質を見抜く力」も必要になってきますね。問題の本質を見抜くことで、大問を解く順番を変えるなどの工夫ができる。見抜く力を養うには、演習を重ねて経験を積むことが重要です。そうすることで勘が働き、問題を見抜けるようになる。

しかしこれは野性の勘ではなく、経験なしには働かない勘なんです。いろいろな問題を解いていたからこそ、頭の中のどこかでネットワークがつながって、解法を思い浮かべられたり分類ができたりするようになるんですね。

Q3今からどのような勉強をしておくべきでしょうか。

A3 高2生・高1生の場合、1日1題は数学の問題を解いてほしいですね。年間にすると、365題も解いたことになるんです。英単語も同じだと思いますが、毎日続けることが大事です。なかなかすぐには身につかないので、今から始めてこつこつ続けてほしいと思います。

高3生の場合、2学期以降は「問題を解く」というより「解答を作る」ことに重点を置いてください。「解く」というと、「過程がどうであれ答えが出れば良い」と思われがちですが、入試本番では過程をきちんと書けないと最終的に得点にはつながらないのです。演習ごとに1題約25分間以内で、毎回本番のつもり で解答してみてください。

その際、自分で記述問題の採点をするとどうしても甘くなってしまいがちです。東進の「記述型答案練習講座」で添削指導を受けてみましょう。

最後に、試験は機械ではなく人が採点するのだということを忘れないでください。答案は、解答に至る思考の過程を採点者に理解してもらうためのものですから、途中式を省略するのは、「採点されるもの」としてNGです。また、式を羅列するだけでは採点者に解答の意図は伝わりません。途中式と途中式の間に、 「これは、これとこれを連立させるからこの式になる」という簡単な一言をつけ加えるだけでも読み手の印象が全く違います。読み手の立場に立って、試験時間の許す限り、「ちょっとしつこいかな」と思うくらいに解答の過程を書き残しておきましょう。

原田 知也先生(数学)
一つの問題を解きながら他の問題への繋がりや関連を広げていくことで数学の面白さや全体像に迫る。入試で合否を分ける方針の立て方、時間配分についても易から難へと常に意識化した講義で解くスピードと得点力を徐々に育成。明快な講義に爽やかな人柄が加わり、どの講座も生徒の熱気で溢れている。
原田先生の主な担当講座(抜粋)
[通年講座]
●難関私大入試・難関国公立二次試験に対応できる応用力を完成させます
難関二次・私大数学I・A/II・B
●難関国公立大文系の入試対策を行います
トップレベル国立文系数学
[志望校対策特別講座]
●記述型答案練習講座
京大文系数学演習
●大学別演習講座
東北大対策理系数学研究+演習(12月開講予定)
●大学対策講座
上位・中堅大数学演習[I・A/II・B]
上位・中堅大理系数学演習[III・C]

2006年度の神戸大学の入試問題および解答は、東進ドットコムの「入試問題過去問データベース」(www.toshin.com/nyushi)に掲載されています。ぜひ、チャレンジしてみよう。