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2007年1月1日号
第9回医学部・歯学部 英語編

このコーナーでは、2006年度入試問題を徹底分析し、各大学の入試問題に潜んだ出題意図を読み解き、大学がどのような力を持った学生を求めているのかについて探っていく。第9回の今回は、医学部・歯学部の英語について、東進の実力講師、宮崎 尊先生にお話を伺った。

Q12006年度の医学部・歯学部の英語の傾向を教えてください。

A1 年度にかかわらず、大きな傾向の変化はあまりみられません。医学部・歯学部の入試では、自然科学に関する文献が圧倒的に多く出題され、その割合は8〜9割を占めます。ただし、医学の専門的な知識が求められることはまずありません。例えば、ステロイドの副作用や臓器と骨の関係など、医学に踏み込むような問題は出ないんです。あくまでも医学を勉強するにあたり最低限必要な、自然科学の入門レベルといったものです。

近年の傾向としては、健康に関する出題が増えていることが挙げられます。試験問題も人間がつくるものなので、社会の風潮に影響されやすいのでしょう。特徴的なものでは、病気の予防法や、東洋医学のメリットに注目したものが増えてきました。そして出題される文章には、大学からのメッセージが込められていることが多いです。志望校ではどんな傾向の文章が出題されているのか、過去問を数年分解けば見えてくるでしょう。

ただし、国公立大学で医学部独自の試験問題がなく、共通問題を受験する人はこの限りではありません。文理を問わず、幅広い分野から出題されますね。

Q2入試ではどのような力が試されているのですか。

A2 多くの学部では、採点に時間のかかる和訳問題はそれほど出題されていません。しかし、医学部・歯学部は定員が少ないせいもあり、和訳や英作文を課す大学が多いですね。また入学後は、研究論文を英語で書かなければいけない場合が多いので、英文を書くための基本的な力が求められています。

ですから、英文を正確に理解して自分の考えを英語でアウトプットできるような、磐石な英語力が必須です。だからといって、特別な英語力が求められる訳ではありません。構文を正確に把握する力、英文の中で単語がどのような意味で使われているのかを理解する力など、英文を読み解くうえで欠かせない力を固めておきましょう。

英文を読むのが得意な人は、文章を読み解くときに自然と“external context”といわれる予備知識を総動員して読んでいます。例えば、文章中にhuman genome(ヒトゲノム)という単語が出てきた場合。近年のヒトゲノム解析に関する何かしらの文章を読んだことがあれば、単語を見ただけでどのような話か想像がつきます。そして、出題されるのは自然科学の入門レベルですから、その程度の知識だけでも解けてしまう問題が多い。

そのため、あらかじめ自然科学に関する知識を蓄えておけば、よりスムーズに解くことができるでしょう。

Q3今からどのような学習をしておくべきですか。

A3 自然科学からの出題が多いことと、和訳・英作文問題が多いことを除けば、出題形式に特徴はありません。ですから、基本的な英語の学習と並行して、出題されやすい自然科学のテーマについての単語の知識を蓄えておきましょう。

日本語では日常的に使われているのに、英語だと知らないし書けない単語が意外に多いんです。例えば、「静脈」「動脈」「血管」という単語は教わっていなくても、自然科学の問題では頻出単語です。誰でも知っているような医学や人体に関する言葉は、事前に覚えてしまいましょう。そうすれば、単語とそれに付随する若干の予備知識があれば、読み解きやすくなります。

「天動説」と「ガリレオ」という単語がわかればどんな話か想像がつくし、「ニュートン」と「引力」という単語がわかれば宇宙論へ展開していくことがわかります。しかもそれらに関する深い知識は必要ではなく、最低限の知識だけで大丈夫なんです。

それらの知識が網羅されている辞書『First Dictionary of Cultural Literacy』を使って効率的に勉強することもおススメです。小中学生向けの教養辞典ですが、自然科学はもちろん歴史、宗教、医学、芸術、地理など、森羅万象に関する基本事項が網羅されています。

また、日頃から情報のアンテナを張って医学や健康に対して興味を持つ姿勢も大切です。入試に必要だから暗記する、という態度では実力は身につきません。なぜ病気予防の大切さが叫ばれているのか、なぜ東洋医学に注目が集まっているのかについて自分で興味を持ち、考えてください。それは、医学部・歯学部に入ってどのような研究を行いたいのか、ということにもつながることでしょう。

宮崎 尊先生(英語)
『英単語の集中講義』(草思社)などの参考書の執筆のほか、雑誌『TIME』や数々のベストセラー作品の翻訳も手掛け、英語界でその名を馳せる有名実力講師。英語を日本語に置き換えるのでなく、英語そのものをとらえる独自の読解法で受験生を難関大合格へと導く。英語を知り尽くした男が最高レベルの授業を約束する。
宮崎先生の主な担当講座(抜粋)
[志望校対策特別講座]
●記述型答案練習講座
難関大対策 自由英作文
●記述型答案練習講座
和文英訳(思考中心)
[通年講座]
●医学系トピックを中心に徹底読解演習
医学部・歯学部総合英語
●旧帝大レベルの国立二次・記述試験対策
難関国立大総合英語
画像をクリックすると解答が見られます。

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