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2007年6月1日号
第4回 東京大学・京都大学 日本史編

このコーナーでは、2007年度入試問題を徹底分析し、各大学の入試問題に潜んだ出題意図を読み解き、大学がどのような力を持った学生を求めているのかについて探っていく。
  第4回の今回は、東大・京大の日本史の入試問題について、東進の実力講師、野島 博之先生にお話を伺った。

Q1東京大学と京都大学の日本史の出題傾向を教えてください。

A1 東大と京大の出題のあり方は、表面的にはひどく異なっているようにみえます。

東大は、地歴2科目で150分(機械的に計算すると1科目75分)が与えられ、日本史は大問4題がすべて論述問題で構成されています。1題180字前後ですから総字数は例年720字ぐらいになりますね。日本史についての基本的理解を前提に、与えられた文章・表・史料などを分析するタイプの問題が多いという点が東大日本史のもつ最大の特徴で、試験会場における思考の密度と深度が得点を大きく左右するといってよいでしょう。一言でいうと、スリルと快感が同居しているような問題です。

京大日本史は90分で大問4題。史料問題・空欄補充問題・テーマ史総合問題・論述問題がずらりと並ぶ多彩な出題形式がとられていますが、総量は一定していて、記述部分70問、論述部分200字×2問で構成されています。記述部分に短い論述を含む形が定着してきましたが、いずれも妙な難問・奇問は一切ありません。ただし、多様かつ大量の問題群を比較的短い時間で処理していく必要がありますから、試験会場で集中して思考し、休みなく解答していけるだけのタフネスが最低限必要です。

Q2入試ではどのような力が試されているのですか。

A2 東大・京大日本史とも、(1)新課程版教科書に掲載されたニューフェイス(比較的新しい研究成果を反映した内容)からの出題が多い、(2)一貫して基礎力に徹底的にこだわる正統的な出題姿勢を保持している、(3)何よりも俊敏な思考力が大勢を決する、といった点は共通しています。

 相違点は、東大が現場(試験会場)での判断力や推理力、つまり新たな情報の処理能力を重視しているのに対して、京大は着々と準備・蓄積されてきた総合力の正確なアウトプットを求める傾向が強いというところになるでしょうか。いずれにしても、迷うことなく全力でアタマを鍛えること、これが一番大切です。

Q3今からどのような学習をしておくべきでしょうか。

A3 まず、『詳説日本史B』(山川出版社)など新課程版の教科書を、できるかぎり因果をつかもうとしながら分析的に読みこむこと。 一般的に文系の学生は、大学で社会科学(法学・政治学・経済学・社会学など)を学ぶことになるわけですが、実は、この社会科学に分類される受験科目は、高校段階では地歴・公民しかないのです。

したがって、もしもあの程度の教科書が読み抜けないのだとしたら、それは、合格に向けた戦略的な準備がきわめて困難になるだけではありません。大学に身をおくために不可欠な、前提的で基礎的な条件・能力が欠けているんだと告白したに等しいことになります。難関大学の受験生にとって、教科書とはプライドにかけて読むべきものなのです。

次に、できるかぎり早い段階から過去問(+類題)研究にとりくむこと。

学力向上の原動力は、あれこれの方法論のなかに潜んでいるのではありません。言い訳をつくって逃避したくなる気持ちを捨てて、日頃から論述問題と正面から向きあうようにしてください。そうしたチャレンジングな精神だけが、あなたの飛躍を支えてくれます。論述問題との知的な格闘が楽しくなってくれば、歴史の全体像を把握する力が見違えるように伸びていきます。それは確実に、京大日本史の記述型問題群への対応力を高い次元へと導いてくれるものにもなるでしょう。東進の「東大対策日本史演習」や「京大対策日本史演習」を、よい羅針盤にしてほしいと思います。

 それから、常に本番を想定したシミュレーションを怠らないこと。

東大・京大受験生は、入試本番までに高速回転する緻密な頭脳を開発しておく必要があります。そのためには、充実したシミュレーションを重ねるしかありません。この最終ステップにいつ突入できたかで、例年、合否は大きく左右されています。

しかも東大・京大ともに、どの順序で問題にとりくむのかという基本プランを描いておく必要もありますよね。時間配分をミスして、最後の論述問題が殴り書きになってしまったなどという、実はしばしば生じる絶望的な事態は絶対に避けなければなりません。恐ろしいことに、そういうときに限って最後の問題は易しいんです(笑)。

東進の「東大本番レベル模試」「京大本番レベル模試」や「記述型答案練習講座」を全面的に活用して、あなたの行く手をくっきりと照らしだしてくれる“星”を自力でつかんでほしいと願っています。

野島 博之先生(日本史)
駿台予備学校において“日本史に野島あり”といわれた超実力講師。思想の偏りや政治性を一切排除した、極めてオーソドックスでわかりやすい講義でありながら、歴史のおもしろさ、楽しさを心から感じさせてくれる。常に重要な史実にフィードバックする講義は、入試必須ポイントがきちんと頭脳に刻み込まれるよう工夫されている。著書多数。
野島先生の主な担当講座(抜粋)
●東進だからできる! キラリ“東大合格物語” 
東大対策日本史
●着実に舞いあがる“力”が身につきます! 
新 スタンダード日本史B
●記述型答案練習講座
東大対策日本史演習
京大対策日本史演習

2007年度の東京大学・京都大学の入試問題および解答は、東進ドットコムの「入試問題過去問データベース」に掲載されています。ぜひ、チャレンジしてみよう!