第5回 東北大・早慶(理系) 数学編
このコーナーでは、2007年度入試問題を徹底分析し、各大学の入試問題に潜んだ出題意図を読み解き、大学がどのような力を持った学生を求めているのかについて探っていく。
第5回の今回は東北大・早慶(理系)の数学の入試問題について、東進の実力講師、原田知也先生にお話を伺った。
Q1東北大学・早慶の数学の出題形式や傾向などについて教えてください。
A1
まず東北大学の出題形式は理系が150分で6題、文系(一部理系を含む)が100分で4題、全て記述式です。試験時間に対して問題数が多いので、計算のスピードを鍛えておかなければなりません。旧七帝大の中でも難易度が非常に高いといえますね。また、2007年度は出題されませんでしたが、多くの受験生が苦手とする「確率」の分野が頻繁に出題されることも特徴でしょう。2005年度には事象をとらえることが困難な確率の問題が出題されました。
押さえておくべき主な出題分野としては、「微分法・積分法」を中心に「確率」「数列」「ベクトル」ですね。また、出題傾向に後期日程の問題)の数学入試問題に共通する点が多くありますので、それらの過去問に取り組んでみるのもよいでしょう。
次に早慶の場合、どちらも120分で5題という点では同じですが、早稲田が「完全記述型」である一方、慶應の場合は穴埋め問題が3題、記述式が2題というのが例年の形式で、2007年度は穴埋め問題が4題、記述式が1題でした。穴埋め式が大半ではありますが、一つ目の穴が埋まったからといって次の答えが誘導されるようには作られていません。また、並み大抵の計算力では試験時間内に完答することができません。
Q2入試ではどのような力が試されているのですか。
A2
「時間内に問題を正しく処理する力」は三つの大学に共通することですが、特に慶應では、高い計算力と短時間で多数の問題を処理する力ですね。そして東北大学と早稲田に共通していることは、論証力です。大学入学後、講義にスムーズについていけるだけの論理力を持っている学生がほしいということでしょう。それを計るには、記述型の答案を作らせることが最適なの
です。そのため、東北大学ではかなりシビアな採点基準を設けているそうです。例えば、「どの定理を使って説明しているのかが明記されていなければ減点」「たとえ正解でも、文字が読みづらいものは減点の可能性がある」といったように、ただ解答が合っていれば良い、というレベルを完全に超えています。
また早稲田も、「記述型答案を通じて学生の論理力や個性を見たい」と明言しています。いずれにしても、公式をただ暗記するのではなく、きちんと定理から公式を導き出せる力を持っているかどうかが肝心だといえるでしょう。
Q3今からどのような勉強をしておくべきでしょうか。
A3
記述試験対策で大切なのは、「論証力」をつけておくことです。説明が書ききれていなかったり、また説明と説明の間のつながりがないと、減点の対象となります。初めから「部分点だけでも取れれば」と考えていては、合格点には到達できません。問題の最終的な解決を見越して、解法を順番に記述していく力を身につけてください。
また記述式の問題で必ず守らなければならないのは、「嘘を書かない」「論理を破綻させない」「きれいに書く」の三つです。「嘘を書かない」というのは極端に聞こえるかもしれませんが、実際に受験生の書いた記述解答の中には、実際にはない定理や間違った解釈をしている定理が書かれていることがあるんです。また「最初と最後で論理が一貫していない」というケースもよく見られますので、注意をしてください。そして、丁寧な字で採点者が読みやすい解答を作ることも忘れてはいけません。以上を踏まえて、解答を最後まで作りあげる練習をしてほしいと思います。
高2生・高1生の場合、今のうちから時間を計って解答を作る訓練をしておくことをおすすめします。設定した制限時間の8割の時間で解けるようになれば、入試の準備としてはばっちりです。
さらに高1生は、二次関数や二次不等式など数学I・Aで学習することをしっかりと定着させることが大切です。数学は、学習したことを順番に積み上げていきながら、新しい分野を学んでいく学問です。今勉強していることが100%理解できないままでいると、どこかで必ずつまずいてしまいます。確実に一つひとつの単元を理解するようにしましょう。
原田 知也先生(数学)

一つの問題を解きながらほかの問題への繋がりや関連を広げていくことで、数学のおもしろさや全体像に迫る。入試において合否を分ける方針の立て方や時間配分についても、“易から難へ”を常に意識した講義で、解くスピードと得点力を徐々に育成。明快な講義に爽やかな人柄が、生徒の熱い支持を得ている。
原田先生の主な担当講座(抜粋)
[志望校対策特別講座]
●大学別演習講座
東北大対策文系数学研究+演習
東北大対策理系数学研究+演習
●大学対策講座
早大理系数学演習
[通年講座]
●難関私大入試・難関国公立二次試験に対応できる応用力を完成させます
難関二次・私大数学I・A/II・B
●難関国公立大文系の入試対策を行います
トップレベル国立文系数学
2007年度の東北大学・早稲田大学の入試問題および解答は、東進ドットコムの「大学入試問題過去問データベース」「
入試問題過去問データベース」に掲載されています。ぜひ、チャレンジしてみよう!