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2007年9月1日号
第7回 東大・京大 英語編

このコーナーでは、2007年度入試問題を徹底分析し、各大学の入試問題に潜んだ出題意図を読み解き、大学がどのような力を持った学生を求めているのかについて探っていく。
  第7回の今回は東大・京大の英語の入試問題について、東進の実力講師、福崎伍郎先生にお話を伺った。

Q1東京大学と京都大学の英語の出題傾向を教えてください。

A1 2007年度は「ゆとり教育」に対応した新課程になって、2年目の入試でした。入試問題が新課程に合わせて難易度が下がった大学もある中で、東大と京大の難易度に大きな変化はみられませんでした。

東京大学は、これまでと同様に120分で大問五つですが、昨年度に比べると大問ごとの問題量が増え、読解、英作文、和訳、リスニングなどさまざまな角度から英語力を試されます。短い時間で多様な問題を解かねばならず、どの問題も1問につきおよそ10分程度、長くても15分で解く必要があります。

また問題文自体もストレートな論理展開ではなく、逆説が出てきたり紆余曲折したりする、手の込んだ文章をあえて選んで出題しています。加えて、第四問の和訳問題に変化がみられました。下線が引かれている文の構造が複雑で修飾語が多くなり、それらを把握して文脈を考えないと適切な訳ができません。文法を押さえて精読する力や文脈把握力、長文読解力が求められています。受験生にとっての負担は大きいですが、長文を読む訓練をきちんとしてきた人にとっては、努力が報われる問題といえるでしょう。

京都大学も傾向は今までとまったく変わらず不動といえます。試験時間は同じく120分で大問は三つ、英文和訳と和文英訳のみの出題です。難しい文章をどこまで深く、粘り強く考えることができるかを試すのが京都大学の特徴です。内容は思想・哲学などの難解なテーマになる場合が多く、出てくる単語も難しいうえ、文章の構造が非常に複雑。訳させる英文も非常に長く、3〜4行は当たり前です。

逐語訳ではなく、日本語の文章をしっかり読み込んで、全体の文意を正確に把握しながら英訳する力が求められているのです。

Q2入試ではどのような力が試されているのですか。

A2 両大学ともに問題を細かく見てみると、単純な英語力というより、「トータルの学力をきちんと身につけた学生に来てほしい」というメッセージが見えてきます。学力というのは氷山のようなもの。目に見えている部分以外の水面下に、どれだけ論理的な思考力や土台となる国語力、英語で言えば文法や語彙が備わっているかによって、目に見える大きさが決まってきます。

東京大学の問題からは実用的で多面的な英語の力を身につけた「頭の回転の速い」学生を求めていることが読み取れます。京都大学のオーソドックスながら難解な問題からは、入学後もじっくり難しい英語の論文に取り組むガッツを備えた学生かどうかを見たい、という意図を感じます。

大学入試というのは入学後、一緒に勉強する仲間を選ぶ場といえます。文部科学省の学習指導要領に準拠してレベルを下げず、さらにレベルを上げてきたのは、大学側の一つの見識といえるでしょう。

Q3今からどのような勉強をしておくべきでしょうか。

A3 東京大学の場合、問題量が多くスピーディに解く力が必要ですが、問題自体はそれほど難しくありません。ですから、磐石な基礎力を固めることが必要条件です。

次に、要約、英作文、リスニングなど、英語の運用力を多面的に問われますから、さまざまな問題形式の実戦的な訓練を積んでほしいと思います。そのうえで、過去問演習を行ってどのくらいの時間で解かなければいけないのか、スピードを体感することが大切です。

一方、京都大学は高い語彙力と、複雑で難解な文章を読む力、そして国語力が必要になります。まず語彙については上級レベルの単語をできる限り覚えてほしいですね。ただしそれもキリがないので、過去問に出てくるキーワードを覚えたり、文脈から単語の意味を推測する読解力を身につけるといいでしょう。

また、哲学的・思想的な内容の文章が出題されることが多いので、それらのテーマの文章を、日本語でもかまいませんので、深く読んでじっくり考えることが大切です。次に、英作文の場合は、いきなり日本語を訳そうとするのではなく、英語に訳しやすい日本語にしてから、こなれた表現にするという作業が重要になります。

和訳の場合でも、筆者が何を言いたいのかきちんと読み取り、その内容をしっかり咀嚼して、逐語訳ではなく、こなれた日本語の文にしなければなりません。秋以降に添削指導を受けてブラッシュアップしていってください。

福崎 伍郎 先生(英語)
「どんな問題にも通用する本物の実力をすべての受験生に!」この目標を達成するため、授業に参考書の執筆にと、精力的に取り組む実力講師。基本を大切にし、無理なく自然に君たちの力を伸ばす「脳にやさしい授業」が大好評だ。
福崎先生の主な担当講座(抜粋)
[通年講座]
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福崎 伍郎の入試英語
@勝利のストラテジー
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東大対策―段落整序/文法・語順整序
2007年度の東京大学・京都大学の入試問題および解答は、東進ドットコムの「大学入試問題過去問データベース」「入試問題過去問データベース」に掲載されています。ぜひ、チャレンジしてみよう!