edited by TOSHIN TIMES
大学受験は東進ハイスクール 大学入試は東進衛星予備校 予備校の東進ドットコム










2008オープンキャンパス情報





2008年5月1日号
第3回 早慶 日本史編

このコーナーでは、2008年度入試問題を徹底分析し、各大学の入試問題に潜んだ出題意図を読み解き、大学がどのような力を持った学生を求めているのかについて探っていく。
 第3回の今回は、早稲田大学・慶應義塾大学の日本史の問題について、東進の実力講師、金谷 俊一郎先生にお話を伺った。

Q1早稲田大学と慶應義塾大学の入試問題の特徴を教えてください。

A1 両大学とも昨年から出題形式に大きな変更はなく、出題レベルはここ2、3年の易化傾向から例年のレベルに戻ったといえるでしょう。

早稲田の問題の特徴を一言で言うと「変化球」ですね。全範囲をひと通り学習し終えて、センター試験で8割以上得点できる生徒でも、過去問を解いてみると半分も解けないことがあります。問われていること自体は難しいわけではないのに、なぜ解けないのか。それは、基本的な歴史的事実が形を変えて出題されているからなんです。

例えば、以前こんな問題がありました。大正時代の原敬内閣の行動に関する四択問題で、誤っている選択肢を一つ選ぶというものです。四つとも、受験生には馴染みのない内容ばかりでしたが、原敬首相の政治ポリシーから考えればおのずと正解が導き出せる。このような歴史的思考力が必要とされることが早稲田の特徴といえるでしょう。

一方、慶應では大学で論文を書くために必要な力を問われているといえるでしょう。論述問題の場合、与えられた条件を正確に読み取り、そのうえで仮説を立てて検証し、答案を構築していく作業は論文作成に通じる力です。

また、教科書2〜3ページの中から20〜30題の穴埋め問題が出題されるような、教科書の隅々まで丁寧に学習していることを要求されます。「○○分野は深く掘り下げたけれど、××分野はあまり目を通していない」というような学習の仕方では太刀打ちできないのです。

Q2両大学の日本史の問題は、どのような力が問われているのですか?

A2 まず、両大学の建学の精神から触れましょう。

早稲田の創立者、大隈重信は近代的精神を持った国民の育成を目的としていました。そのため入試問題では、民衆の運動や明治思想など権力者の立場ではなく民衆の立場からみた歴史の本質を見抜く、ジャーナリズム精神を問う内容が多く出題されます。いつの時代にも、政治家にはそれぞれ特徴があります。その政治家の人物像・ポリシー、時代ごとの政治経済の特徴を理解し、納得して頭に入れておかなければいけません。このように、ただ単に用語を覚えるのではなく、歴史的思考力を身につけているかどうかが求められるのです。

慶應を創立した福澤諭吉は開国に際して、現状の日本の教育ではいずれ世界で取り残されていくという危機感を感じました。実学を身につけ、世界で活躍する人材の育成を求めて蘭学塾から慶應義塾を創設するのです。実学やその成果が入試問題にたびたび登場するのもそのためでしょう。

また、前述した論述問題や教科書の内容の穴埋め問題の特徴にもあるように、相手が求めていることに対して正しく対応できるかが問われます。「読む力」「書く力」と「情報処理能力」。これは、まさに社会で、世界で活躍できる人材であるかが試されていると言えるでしょう。

Q3早稲田大学・慶應義塾大学対策として、どのような学習が必要ですか?

A3 高3生は、両大学とも夏までに基本的なところをおさえておくようにしてください。「スタンダード日本史B」に関して言えば、確認テストに合格するレベルを目標にしましょう。夏以降は、通史を終えたあとで、自分の苦手分野を埋めていく作業に入ります。そして早稲田は歴史の本質を見抜く力、慶應は丁寧に教科書を読み取る力を養っていきます。夏以降に演習を通して細かい知識を完璧に覚えていけるように、今はその準備期間として基礎に取り組んでおきましょう。

高2生・高1生の皆さんにしてもらいたいことは、「歴史の大筋を理解する」ということです。高1の今から、細かい用語まですべてを頭に入れておく必要はありませんが、だからと言って今は何もしなくていいのではありません。普段、テレビドラマを観るときに、一年経って細かい部分は忘れてしまっていても、あらすじや「登場人物はそのときに何を感じたか」は覚えていると思います。あらすじがわかっていたら、そのときそのときの台詞も思い出せますよね。日本史もそれと一緒で、今は大筋の部分を理解する作業を行ってほしいのです。東進ブックスの日本史の本を読んだり、東進の講座「ベーシック日本史」を活用したりして、歴史の流れを掴んでおきましょう。

よくあるのが、受験間際になって、日本史といった選択教科の勉強が遅れてしまっていたために、選択教科にばかり時間を割きすぎた結果、肝心の主要教科の「カン」が鈍ってしまったといったケースです。早慶ともなると選択教科の負担もかなり大きくなってきますので、選択教科の早めのスタートをこころがけてほしいと思います。

金谷 俊一郎(かなや しゅんいちろう)先生(日本史)
入試頻出事項に的を絞った授業と、「表解板書」と呼ばれる独特の切り口の表は、受講生から圧倒的な支持を得る。また、日本史用語の意味の理解と時期把握に重点を置いた授業は、知的好奇心をくすぐり、歴史の本質をさりげなく提示する。それは、今後のより深い研究への導入にもなり得るものである。
金谷先生の主な担当講座(抜粋)
●早慶大入試頻出分野の詳細な解説と難問演習で日本史解法テクニックを磨く!
早慶大対策日本史
●難関大頻出分野の詳細な解説と難問演習で日本史解法テクニックを磨く!
難関私大日本史演習
●体系的理解を深め、実力向上を約束する白熱講義
スタンダード日本史B
●日本史を基礎から学習し、受験日本史への土台を築きます
ベーシック日本史

2008年度の早稲田大学・慶応義塾大学の入試問題および解答は、東進ドットコムの「入試問題過去問データベース」に掲載されています。ぜひ、チャレンジしてみよう!