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2008オープンキャンパス情報





2008年6月1日号
第4回 東大・京大 化学編

このコーナーでは、2008年度入試問題を徹底分析し、各大学の入試問題に潜んだ出題意図を読み解き、大学がどのような力を持った学生を求めているのかについて探っていく。
 第4回の今回は、東京大学・京都大学の化学の問題について東進の実力講師、鎌田 真彰先生にお話を伺った。

Q1東京大学と京都大学の化学の出題傾向を教えてください。

A1 両大学ともに試験時間は理科2科目合計で、東大は150分、京大は180分です。そのうち化学の大問数は、東大は3題、京大は4題です。

東大・京大の化学の入試問題における大きな違いは出題形式。東大は途中式や考え方を記述させ、京大は誘導に従って穴の空いた部分を解答させていくタイプです。

まず東大では、「○○の結果となる理由を100字で説明せよ」「○○の構造を図示せよ」というような、文章や図を書かせる設問が今年も出題されています。問題文をしっかり読んで設問にまつわる実験の意図や操作の意味などを掴み高校で学ぶ化学の知識と照らし合わせて解答する能力が問われています。

また今年の東大では、第3問のIIで新しいタイプの問題が出題されました。化学の知識そのものを問う問題ではなく極端に言えば化学を知らなくても解けるパズルのような問題です。酵素反応に関する問題で、「ある酵素混合溶液を作るために、どの酵素をどのような順番で使うか」を決めていくのですが、論理的に考える力のみが要求される問題だといえます。

一方の京大は例年通り穴埋め問題が主体で、問題文を読み進める途中で作問者の要求に順次答えていく形式です。設問間の関連も薄く答えに至る過程をすべて受験生に書かせる東大に対し、問題文を元に順を追って考えていけるので、問題の世界にキチンと入ることができれば解答しやすいといえるでしょう。ただし設問同士の関連性が非常に高いために、一つの設問の解答でつまずくと、その先すべての問題に影響を及ぼしてしまうことがあるので注意が必要です。

Q2入試ではどのような力が試されているのですか。

A2 両大学とも、「どう解くか?」というHowだけでなく、「なぜ?」というWhyを考えて学習しているか否かを試しています。どうしても受験勉強は知識と問題の解法のインプットが中心になりますが、東大・京大で出題されるような記述・論述問題に答えるには、長い文章を読んで端的に答えられる読解力と記述力、ある化学現象が起こる理由、実験の目的と操作の理由などをしっかり考えて学ぶ習慣も必要です。そのためにも普段の学習で、記憶したことを人に説明するトレーニングをしてみましょう。化学を知らない人にでもわかるように、簡潔な言葉で説明できるように意識してください。そうすれば自ずと鍛えられます。

さらに、適切な「判断力」も求められています。自分の持つ知識を問題のヒントや条件と照らし合わせ、正確な判断ができるかどうか。学習した記憶を単純に引き出して判断する場合もあれば、知識とヒントを組み合わせて論理的に考えなければならない場合もあります。普段の生活でもいろいろなことを通して得た記憶と置かれた状況から論理的に考えて決定することを常に意識してください。

入試問題に対する大学側の狙いにおいて、東大も京大も本質的な部分に大きな違いはありません。それぞれ形式は違っていても先に述べたような能力が必要であるといった点は共通していると思います。

Q3今からどのような学習をしておくべきでしょうか。

A3 前述したように、「どうして?」と考えることを常に心がけましょう。情報や知識を増やすだけでなく、自分で納得するまで「考える」ことや言葉の定義を確認して具体的なイメージを持ってから使用することも大切です。

また東大や京大などの特殊な形式の問題は、形式に慣れることも重要です。高3生は、まだ全範囲の学習が終わっていなくても、一度習った分野の過去問を選んでチャレンジしてみてください。「今の自分には何が足りないか」や「これから何をすべきか」が見えてきます。特に、京大の過去問に取り組む際には、順番を追って解いていくだけではなく、「問題のテーマは何だろう」「なぜこんな文字を定義したのか」「このヒントはどう使うのだろう」と解いたあとで考える作業もしっかり行ってください。

最後に皆さんにお伝えしたいのは、こういった受験勉強は案外無駄ではないということです。問題を客観的に捉えて集めた情報や自分の記憶と照らし合わせて解決策をいろいろと考え出して検討し、最適な策を自分の判断で選び実行する。これは、受験生に限らず、誰のどんな人生でもその人の意識がある限り日々遭遇することなのです。失敗しても間違っても次の自分の判断に活かせばいいので、たとえ困難な状況の中にいても他人や自分の感情に支配されることなく判断し、行動できるようにお互い精進しましょう。

鎌田 真彰(かまた まさてる)先生(化学)
駿台予備学校で長年受験指導に打ち込んだ実力講師。カリキュラムの刷新に心血を注ぎ、“講習は化学から締め切られる”といわれるほど圧倒的な支持を獲得。看板講座の「化学特講」シリーズは、ほかの予備校からも受講希望者が殺到した伝説の講座。東進では東大・医大対策の充実に全力を尽くし、さらなる新境地を切り拓く。
鎌田先生の主な担当講座(抜粋)
●東大化学の完全攻略
東大対策化学
●医系化学の完全攻略
医系化学
●難関大に対応できる実戦力を養成します
新新 ハイレベル化学 I ・II

2008年度の東京大学・京都大学の入試問題および解答は、東進ドットコムの「入試問題過去問データベース」に掲載されています。ぜひ、チャレンジしてみよう!