<<2002/1



 自分の過去の記憶を思い返してみると、楽しかったことだとか辛かったことなどの感情が絡んだ記憶が多いことに気づくと思います。いわゆる「思い出」と呼ばれる記憶です。喜怒哀楽などの感情は、脳の奥深くに潜むアーモンド状の形をした「扁桃体」という脳部位から生まれます。扁桃体が活動して感情が高まると、その神経信号が「思い出」という記憶を作り出します。つまり、喜怒哀楽など感情の起こっているときには、記憶が形成されやすくなります。扁桃体を使うと暗記しやすくなるというわけです。

 扁桃体の効果はそれだけではありません。なんと、扁桃体が活動すると「集中力」までも高まるのです。扁桃体は、前頭葉(大脳皮質の一部)にも信号を送って、ものごとに対する集中力を持続させます。つまり、感情を呼び起こしてくれるものは飽きにくいのです。映画でも小説でも同じですね。感動しているときは飽きずに最後まで鑑賞できます。こうした効果を「エモーショナル・アラウザル(情動喚起)」といいます。

 つまり、飽きないように勉強を続けるためには、感情を高めるような工夫をすればよいのです。例えば、ゴロ合わせを作るときには、ひたすらオヤジギャグに走るとか、内容をちょっぴりエッチなものにしてみるなどの工夫が考えられます。そういう意味で『古文単語ゴロ513』(東進ブックス)は最高の名(迷)参考書として、皆さんにもぜひお奨めしたいです。

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 食事のとき、好きなものを先に食べますか、それとも最後に食べますか。

 教育心理学の言葉に「特恵効果」というものがあります。変わった用語ですが、意味していることは簡単です。それは「得意な面を活かして学習する」ということです。苦手な分野をクヨクヨと悩むよりも、得意とする部分を素直に活かすほうが全体として成績が上昇します。勉強でいえば、どうしてもできない部分には目をつむってしまうのが得策であるということです。好きなことに自信を持ってエネルギーをつぎ込めば、最大限の効果があげられます。

 特恵効果は、こうした長期的な勉学だけではなく、テスト中などの短い時間にも応用できます。テスト中でも得意な分野をうまく解けるように配慮することが大切です。つまり、テストの本番では、得意な問題を確実にモノにするためにも、得意な問題に最初に手をつけるべきなのです。得意な問題を解いていくうちに集中力が高まるのはごく自然なことです。食事のときに好きなものを最後に残す人も、テスト中は好きな問題から解き始めるようにしましょう。「ご褒美は最初に!」これが鉄則です。


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