<<2002/2


 MADE IN CHINA―ほんの数年前まで、こう書かれた製品は値段なりの品質「安かろう悪かろう」だと思われていました。しかし、いまや日本国民が一枚は持っているだろうユニクロ製品に代表されるように「良質安価」な中国製品が店頭に多く並び、そのイメージは一新されようとしています。
 近年、中国は輸出額を急速に伸ばし、2000年貿易総額では世界第8位の貿易大国です。製造業を元に躍進し、「世界の工場」といわれるまでに力をつけてきました。
 そこで今回は、アジア最前線として注目を集める中国の現状、また中国に対する日本の問題や今後の可能性を探ります。





 日常生活で使用しているモノを見ると、中国製品が意外とあることに気づきませんか。例えば、テレビ。1999年世界のテレビ市場1億1787万台のうち、約4割が中国で生産されています。しかし、これはテレビだけの話ではありません。
 カジュアル衣料のユニクロは、中国の約90の縫製工場に加工を委託しています。低い人件費によるコストの削減、大量多品種の生産要求に応えられる従業員の大量かつ柔軟な確保・・・それが実現できる中国という存在があってこそ、ユニクロは多品種かつ良質の品を低価格で販売できるのです。
 日本の20分の1という人件費と、13億人という人口による豊富な労働力。さらに、かつては日本製品を模倣した粗悪品ばかりだった技術力も、中国で作れないものはないと言われるまでに向上しました。コスト、機動力、そして品質が日本に劣らないどころか優れているとなれば、各企業が中国に注目するのは当然です。




 中国は社会主義国です。社会主義というと「企業は国有企業で、政府の決めたとおりに働き、利益は平等に分配される」というイメージがあるかもしれません。しかし、中国は1970年代末から改革・開放政策を進めており、93年にはケ小平が「社会主義市場経済(政治は共産党による独裁で、経済は市場原理を取り入れて発展を目指そうとする社会)」を唱え、市場経済化が一気に加速。近年は世界市場で名を馳せる中国企業も現れてきました。
 昨年12月、中国はWTO(関税や貿易障壁を可能な限り削減し、自由貿易の推進を目的とする国際機関)に加盟。このことは、中国企業にとって、また各国企業にとっても、大きなビジネスチャンスになると見られています。急速に力をつけてきた中国企業、そして13億人という巨大な中国市場が自由貿易体制に組み込まれたとき、世界経済に与える影響は決して少なくありません。




 日本は、2001年まで20年にわたって貿易黒字を続けてきました。その背景には、資源に乏しい日本が海外から原料を輸入し、日本の技術力で作り上げた製品を海外に売るという構造がありました。しかし、このところの日本の貿易黒字は2001年12月まで18ヶ月連続で減少。しかも、急増する輸入は主に中国からもたらされるもので、2001年対中輸入は前年に比べて18.3%も増加しています。いまや中国の躍進によって、その構造が突き崩されようとしているのです。
 中国からの輸入の大幅な増加、製造業の相次ぐ中国移転。製造業がこのまま力を失えば、日本の産業は空洞化し、経済も雇用も悪化の一途をたどることは目に見えています。そのため、日本は国際競争力をもった新たな産業を切り拓く必要に迫られているのです。
 経済、政治、教育、医療…、日本の新たな産業を生み出すべく、様々な分野での構造改革が論じられています。日本は再生できるのか。その可能性は、これからの時代を担うみなさんの力に委ねられています。

>>伸びゆく中国は、高校生の意識も高い!

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