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2002年1月25日、早稲田大学の「二十一世紀の教育研究グランドデザイン」の具体的な改革プランの一つとして、2003年4月以降に、学部の新設、学科の再編などを行う構想が明らかになった(下図参照)。2003年度にはスポーツ科学部に「医」「福祉」が、理工学部には「生命」が登場。2004年度には外国語教育とゼミ形式授業を重視し、地球市民の育成を担う国際教養学部が登場する予定だ。

大学院の改革には早くから着手していたものの、1987年の人間科学部設立以来、学部においては大きな動きをみせなかった早稲田大学。伝統佼の大胆な改革を見ながら、21世紀の大学の動きを探っていく。



といっても医学部ができるわけではない。新しくできるスポーツ科学部にスポーツ「医」科学科が開設されるのだ。この学科では、他の大学の医学部と連携することによって「医」に関わる研究や教育を行うことができる。今回の「スポーツ医科学科(仮称)」はそういった試みの一つなのである。

スポーツ科学部は、スポーツおよびスポーツを軸とする医科学・文化研究の重要性と社会的なニーズへの対応から誕生した。このような流れは、他大学の体育系学部などでも見られる動きである。

特にスポーツ医科学科では、人工臓器の開発などで早稲田の理工学系大学院と提携する東京女子医科大が、スポーツ医科学科でも共同で医学的な教育を行う予定である。

もう一方の新しい人間科学部は、人間中心の視点により、現代の緊急の課題である「環境」「健康・福祉」「情報」に、より実践的に取り組んでいく


そして、理工学部では学科再編により「電気・情報生命工学科(仮称)」「コンピュータ・ネットワーク工学科(仮称)」ができる予定だ。(2003年4月開設)

「コンピュータ・ネットワーク工学科」では、現在のIT系学問が「通信工学系」(主にハード面)と「情報工学系」(主にソフト面)の融合で成り立っていることから、それらをバランスよく有機的に理解させることをめざす。

一方、電気電子情報系の教員と神経科学・薬理学・遺伝学の生命系の教員が参加して新しいコンセプトの「電気・情報生命工学科」が誕生する。この新学科では「生命体」を電気信号を媒体とした「情報体」ととらえ、生命を情報伝達という観点で解明することが狙いだ。

つまり、「生命」を解明するには物理分野の学問や技術や考え方が有効であり、意外かもしれないが現在の生物学は物理学の対象になる、いや、物理学の力を借りなければ解明できないことがたくさんあるのだ。

今後は生物の知識を持った電気系の研究者や高度技術者、あるいは電気系の知識を持った生命系の研究者や高度技術者の育成をめざしている。そのため、理工学部の入試でも生物を課されるようになると予想される。



「学際」は慶應のSFCの登場以来、頻繁に使われている用語である。

「学際」的に学ぶこと、つまりある学問と他の学問の接するところ、あるいは学問の枠を飛び越えて学ぶことが、近年のトレンドであった。しかし、学際性を重視するがゆえに「基本が疎かになっている」「専門として何を学んだかわかりにくい」という疑問の声も挙がってきている。

そうした背景から「ダブルメジャー(主専攻・副専攻)」という用語をよく耳にするようになった。
ある学問を軸足にもう一つの学問領域を学ぶ。あるいは、ある学問を学んできた学生と他の学問を学んだ学生が協調しながら学ぶ。このようなことが重視されてきたようだ。

社会が複雑化する中、軸足と広がりを重んじた教育がこれからの主流になるだろう。そのことをこの改革プランから読み取ることができる。


では、学部・学科を選ぶときに大切なこととは何だろう?

大学は、AO入試などで学生の学問や研究の分野への興味関心の高さや大学での学問の内容との適合・適性を見るようになってきた。つまり、「ただ大学に行きたい」という学生よりも、「ここに入ったら○○をしたい」という意欲を持った学生を集めたいという切実な思いが窺える。

そうすると
「どの学部に進みたいのか」ということよりもむしろ、「どんな分野に興味があるのか」「何を学びたいのか」が大切であり、そのことを今からしっかりと考えることが重要だ。

生命を扱うのは医学部だけではないし、バイオを学べるのは農学部や生物学だけではない。これからは、自分が何を学びたいのかを、既存の枠組にとらわれないで視野を広げて考えてみよう。そうすることで、より自分が満足できる大学選びができるはずだ。


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