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実は、昨年度のセンター試験で、過去の問題を再利用している事実があります。2000年に実施されたセンター試験(追試)「国語I」の第2問で、1983年に実施された共通一次試験(追試)「国語」の問題IIIと同じ素材(小説文:辻邦生の「遠い園生(そのう)」)を使用しているのです(比較検証ページへ)。しかも、出題された部分も一部重複しています。
追試験で、しかも軽量科目である「国語I」の試験のため、受験者は極少ないものと思われます(注:受験者数は未発表)が、すでに過去問の再利用がなされた点は注目すべきポイントです。
大学入試センターとしては、追試でしかも受験者の少ない「国語I」で、とりあえず過去問を出して世論の反応を見てみたのか、すでに良問を作ることができなかったのか、真相を図り知ることはできません。しかし同センターでは、過去の出題データベースを作成しており、素材の重複に「気づかなかった」とは考えられません。おそらく意図的に出題したものと思われます。昨年の11月、大学審議会で最終答申が出されたため(1面参照)、来年2002年1月のセンター試験でも、過去の問題が再利用されることは十分考えられると思います。

大学入試で重要な位置を占めるセンター試験において、過去問の再利用が本格的に始まったら、センター試験の中での再利用や、センター試験と他の大学との相互活用にとどまらず、他の多くの大学でも、自分の大学で過去に出題された試験問題を再利用したいという流れが出てくるのではないでしょうか。当然、大学入試全体に与える影響も大きくなってくるでしょう。現実問題として大学関係者の間でも、「これだけ入試が多様化・複雑化した中で、新作の問題を作り続けることは困難に近い」と捉える向きが少なくありません。かなり作問者の作業負担にもなっているようです。実際、一部の予備校で、大学入試問題を作成する動きが発表されていましたが、これに賛同する大学が予想以上にあったという声も聞いています。

過去問を再利用するとすれば、どういう状況が考えられるのでしょうか。
ここでは、英語と国語を中心に探ってみましょう。

英語で過去問が再利用される場合、前半部分の単語・文法・イディオム等に関する出題と後半部分の読解に関する出題と分けて考える必要があります。
単語・文法・イディオム等に関しては、例えば発音問題で、同じ綴りで発音が異なる単語など、一般的によく狙われる事項の素材は限られているケースが多いと思われます。過去問が再利用されるとなると、今まで以上に過去のセンター試験出題を整理した問題集での学習が有効となることは間違いないでしょう。
読解問題において過去の素材(英文)を再活用すれば、どんなに設問を操作しても、一度解いたことのある受験生とそうでない受験生との差は歴然となります。素材が同じであれば設問の趣旨は似通ったものにならざるを得ませんし、ポイントとなる単語を理解していれば読解問題は非常に楽であることは言うまでもありません。

97年度以降、センター試験国語は国語Iと国語IIの2科目出題となりました。出題者側からすると、本試・追試合わせて毎年、現代文だけでも実にのべ8題の出題が必要になります。そういう状況も手伝い、過去問の再利用が取り沙汰されています。
現代文であれ古文・漢文であれ、英語の読解問題同様に、素材となる文章が同一であれば設問の内容はかなり似通ったものにならざるを得ない。昨年の再利用の実例を見てもそのことは見て取れます。国語の場合は問題数がそれ程多くないので、再出題という事を前提とすれば、過去問をキチンとやっておけば満点を取ることも、そう難しくはないでしょう。
過去問が再利用されるかどうかはともかく、これまでの出題においても、古文の単語や文法や読解手順、漢文の句形や文体についてなどは、ほとんど毎年か数年で循環するよう出題されています。これまでも出題者側の要求は一貫しており、それをよりストレートに表明したのが「過去問の再利用」という方針でしょう。
| 受験生にとって、これまで以上に過去問への取り組み方が重要になってくることは言うまでもありません。もともとセンター試験では、数学はもちろん、理科・地歴公民においても数値や素材は変えているにしても問われる内容はほぼ決まっています。教科書の範囲・レベルを厳格に守り、基本重要事項を一貫して繰り返し問うというのがセンター試験の基本姿勢であり、それは今までほぼ実行されてきました。過去問の再利用の有無に関わらず、過去問をキチンと学習することはセンター試験対策学習の鉄則と言えるでしょう。 |
1983年度の共通一次(追試験)と2000年度センター試験(追試験)の比較検証
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