<<2002/10


2002年度のセンター試験「現代社会」の受験者は16万人を越え、地歴・公民科では最大の規模となった。文系志望の受験生はもちろん、地歴・公民にあまり負担をかけられない、理系志望の受験生にも有利性の高いこの科目。文字通り現代社会の問題点を取り扱う、このメジャー科目で高得点をあげるポイントは何か?
そこで今回、公民のトップ講師、
清水雅博先生にお話を伺った。




政治と経済のメカニズムを論理的に解明しながら、入試頻出ポイントを明確に示す。著書「政経ハンドブック」は難関大受験生の80%が愛用しているといわれる大ベストセラー。
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「現代社会」は、大きく、現代社会特有分野・倫理分野・政治経済分野に分けられますが、大問分析の表からも分かるように、どの分野からもまんべんなく出題されています。

出題傾向
としては、まず第一に「国際的な視点」というものが毎年出題されています。人権の国際化、すなわち国際的な人権のレベルアップを図るということで、非政府組織(NGO)の活動などに触れられています。また、経済の出題であれば、政府開発援助(ODA)の意義や問題点が問われます。今年も鈴木宗男問題で、ODAは大きな話題になったので、要チェックですね。

第二に、話題性のある「時事問題」が出題されます。2001年9月に起きたアメリカでのテロにより、その後の「国際関係」が注目されています。冷戦終結当時は、国連中心の平和が目指され、PKOについての出題が目立ちました。そして、このテロを契機に、アメリカ一国主義が台頭し、アメリカの力による平和定着が図られるようになりました。テロ支援国家やならず者国家などの新しい仮想敵国の出現により、アメリカとロシアの協調による平和という、大きな変化が起きているわけです。

また、小泉内閣の「聖域なき構造改革」によって、行政改革や特殊法人の統廃合が話題となれば、必ず「財政再建」という、その本質が問われます。

そして「行政の民主化」という大きな流れにも注目です。地方分権の推進により、機関委任事務などが廃止されています。情報公開法の施行(2001)、住基ネットの稼働(2002)などの動きから、「知る権利の保障」と「プライバシーの侵害」とは、セットで問われてきます。

「地球環境問題」も、毎年角度を変えて出題されるテーマです。これは一例ですが、特定家電製品リサイクル法が2001年に施行され、その年のセンター試験で出題されています。

2002・2001年度 センター試験「現代社会」 大問分析

2002年度 2001年度
大問 出題分野(テーマ) 配点 大問 出題分野(テーマ) 配点
第1問 倫理分野(青年期の課題) 20 第1問 倫理分野(青年期の課題) 10
第2問 国際分野(国際政治) 20 第2問 現代社会特有分野(ゴミ問題とリサイクル) 20
第3問 経済分野(国民所得・景気対策・バブル経済) 20 第3問 国際分野(国際経済〜アジア経済〜) 20
第4問 現代社会特有分野(地球環境問題) 20 第4問 政治分野(基本的人権の保障と男女平等) 10
第5問 政治分野(憲法・人権・裁判制度) 20 第5問 経済分野(金融と企業) 20
第6問 政治分野(日本の政治制度) 20


2001年度に話題となったリサイクルが出題されている。時事問題には要注意だ。


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センター試験の現代社会では、細かい事実ではなく、人類的に必要とされる大きな課題、あるいは視点が問われています。話題性のある出来事・テーマの現実的な動きを見て、その背景や意義、問題点を押さえておくべきでしょう。



まず第一に、基本となる制度・仕組みを正確に理解することです。その際、繰り返しますが、必ずその意義と問題点をチェックしておきます。

第二に、時事問題を押さえること。これはなかなか自分では勉強しにくいところなので、僕の講義や、新刊の「一目でわかる現社ハンドブック」(東進ブックス)を活用してください。

そして第三には、統計・資料に注意することです。現代の問題が扱われる教科なので、現状のデータを把握しておきましょう。実質経済成長率−1.3%、完全失業率5.0%、340万人(2001)などの、不況下でのデータは狙われやすいと思います。

「現代社会」は地歴科の保険受験やとりあえず受ける受験者も多いので、平均点は低く出る年もありますが、きちんと学習すれば、速効で9割以上の高得点をあげることも可能です。正しい学習方法で取り組んでいきましょう。