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<<2002/6

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「知」の最高峰を目指し、今年も受験生がハイレベルな闘いを繰り広げた東京大学。もちろん、試験内容もひとすじ縄ではいかないものばかり。でも、きちんとした学習の「姿勢と方法」を身につければ、立ち向かえる!
今回は、荒巻先生に「東大世界史」について、過去のデータを駆使しながら語って頂いた。大切なのは、歴史の全体像・因果関係をつかむことである!
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今年の問題を見ただけで、その傾向や特徴を知ることはできません。そこで、過去のデータから、
「東大世界史」のトレンドをおさえてみましょう。【表1】は、過去18年間の解答について、おおよその総字数をまとめたものです。求められている解答総字数は、明らかに減少傾向ですね。
注目してほしいのは、毎年、第1問目に登場する論述問題(「大論述」と名づけておきます)の字数です。2001年を除き、6年前から450字で定着しています。これは、2003年度もおそらく変わらないと思います。また、大論述以外の字数も減少していることで、大論述が解答総字数に占める割合が、1996年以降、平均して60%台前半に上昇しています。

まず、3〜5行の短い論述式解答を求める問題がめっきり減ってしまったことです。かつてはそのようなタイプの問題がよく出題されていました。だから、昔の方が解答総字数が多かったわけです。代わりに、大論述以外は短答ばかりが増えているということがわかります。さらに、ここ数年は地図を扱った問題が増えています。

答えを知っているかどうかですべてが決まってしまうタイプの問題です。これが増えています。今年でいえば、【例1】がそうですね。解答は「旗地(きち)」。細かい用語ですが、問われ方は容易です。この条件はだれに対しても平等ですから、得点差もつきにくい。
次に【例2】です。私はこの問題に少々悩みました。1行目に目を奪われすぎたからですね。(a)の「アクスム王国」と競い合っていた国も、国名と都の名前が同じだと思ったわけです。こういった問われ方の難しさ、厳しさが「東大世界史」の特徴といえます。センター試験レベルでの必須知識も、いざ、それを解答として導き出す時に難しさを実感します。

短答タイプの問題は、年度によって難易度にバラつきがあります。今年は難しかったといえますが、来年も同じとは限りません。正直に言って、対策はなきに等しい。
ところで、先程の【例2】で私を悩ませたのは、問いの立て方から、どのような時代と地域のイメージを思い浮かべるかという点でした。それは、出題者が何を問わんとしているのかを見極めていく作業であり、知識の量だけでは、決して培われない力が求められているのです。その力を最大限に要求されるのが「大論述」です。150分という試験時間において、非常に限られた字数で、ポイントをつかんだ論述を組み立てていかなければなりません。
大切なのは、思考の過程で「比較する」という作業を行うことです。特に、ある時代(時間)においてその前後を比較する方法=「通時の比較」と、ある地域(空間)において同時期の他の地域の動きを比較する方法=「共時の比較」の二本柱を忘れないでください。
問題文の一節や指定語句だけを眺めて、「中国史」とか「イギリス史」と決めつけてしまうことはナンセンスですよ。特に、近代以降は「世界の一体化」を迎えているので、よほどレベルの低い問題(東京大学ではまず出題されない)でない限り、「どこそこの歴史」とは簡単にはいえません。そのように考えている人は試験に立ち向かう前から勝負ありです。
したがって、「東大世界史」では、ベーシックな知識は大前提。それに加えて、異なる世界のイメージを膨らませ、論理的に思考していく力、そして記憶力、判断力、類推能力といった能力を磨いていく。これは、世界史を越えた科目横断的な取り組みにもなるでしょう。「イバラの道」かもしれませんが、がんばってください。
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