<<2002/9


 東大・京大をはじめとする難関国公立大学二次試験で出題される英作文。「手のつけ方がわからない」と多くの受験生が苦手とし、諦めてしまう人も少なくない分野だ。しかし入試に自由英作文や和文英訳問題が占める割合はおよそ2割。できる人とできない人とで、大きく差がつく分野であることも事実である。
 今回は、予備校で教鞭をとるだけでなく、プロの翻訳家としても活躍なさっている宮崎尊先生に英作文問題の攻略ポイントについてお話を伺った。





英作文学習のポイント1

 
英作文学習のポイント2

▲ このように、知らない単語はひねり出すことができないけれど、知っている語彙を工夫して表現することならできる!

<< 東大型自由英作文 >>
▲ 1998年東京大学(前期) two reasonと言って、まずFirstについて述べられている。だから、解答はSecondから始まります。
▲ 2002年一橋大学(前期) 東大型は、「型」を利用すれば決して難しくはない。

<< 京大型和文英訳 >>
次の文を英訳しなさい。

(1) 私たちは、周囲にあまりにもたくさんある文化財になれっこになって、その存在を当然のように思いがちである。しかしほんとうは、一つ一つの文化財は、それを維持するために尽くしてきた数多くの人々の多年の努力の結晶なのだ。文化財をおろそかにするということは、そうした人々の努力をないがしろにすることであるという事実を忘れてはならない。
▲ 2002年京都大学(前期)
 
次の日本文を英訳しなさい。

最適の人間を最適のときに活用するという考え方は、裏を返すと使い捨て思想につながる。
▲ 2001年東北大学
 
京大型は、日本語にひきずられないことが大切!
解答例)
To put the right man at the right place means, at the same time, to discard unnecessary people.
Using the right people at the moment means getting rid of people that are not needed any more.



 英作文を大別すると、東大型と京大型に分けることができます。
 まず、東大型。これは使うべき型が決まっています。ですから、与えられた和文を型に当てはめ、空欄を易しい英語で埋めていくイメージですね。
 一方京大は、日本語を与えてひたすら英訳させます。しかも、その和文がロジカルじゃない。わかりづらい、変な日本語なんです(笑)。出題者はそれを意識的にやっているようですね。ですから、与えられた和文を自分で理解してから取り組む必要がある。ある意味、京大の英作文はバイリンガルな出題といえます。

 


 私は東大型のほうが非常に実用的な出題だと思います。「早く英語を使えるようになってほしい」という意図が見えますね。型に当てはめていく方法は、実際英語をつかうときになったとき役に立つからです。「東大の入試問題だから難しい」と思われるかもしれませんが、実はそんなことはありません。個人的には、わかりづらい日本語にひきづられてしまいがちな京大のほうが難しいと思います。
 他の国立大学でいうと、一橋大や東京外語大なんかが東大型ですね。ただ、全体で見ると国立大学では京大型のほうが多いようです。
 



 東大型にせよ京大型にせよ、まずは「型」を覚えることです。ここで、覚えるというよりも「使う」という意識をもつことが大切ですよ。
 次に、ひとつの英語に対応する日本語はひとつ、という「一対一対応」の幻想を捨ててほしいですね。そして、色々な意味で使えるレパートリーのある語を覚えていくこと。私の授業では毎回、ひとつの単語でいろいろな意味をもつ表現を教えています。例えば、available。これは「役に立つ」という単語ですが、「Are you available?」と聞けば「手が空いていますか?」という場合や「出席できますか?」という状況でも使えます。

 


 私は授業でいつも「かっこいい答案を求めるんじゃない!」と言い続けています。「半分正解していればいい」くらいのつもりで、完璧を求めないことです。入試では、和英辞典を引いて、100点満点の美しい英文を作る必要はない。確かにかっこよくはないかもしれないが、今持っている語威力で正しく意図を伝えるほうが大切なのです。やさしい英語で、実はなんでも表現することができるということに気付いた人は、パアッと目の前が開けたようになるはずです。
 皆さんがいずれ留学したり社会に出て英語を使う際、いちいち辞書を引くことはできませんよね。「いかに今あるボキャブラリーで表現するか」が英作文のポイントなんです。勉強の仕方さえよければ、英作文を勉強することは実用的な英語力に結びつくと思いますよ。


雑誌「TIME」や、数々のベストセラー作品の翻訳も手がけ、英語界でその名をはせる有名実力講師。英語を知り尽くした男が最高レベルの授業を約束する。
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