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若手ながら、その指導力・実績は抜群。合格に必要なサポートを的確に行う。評論文・小論文・随筆などの読解から知識事項の整理までオールラウンドな力がつくように指導する。
 
このコーナーでは毎回最新のテーマをピックアップし、小論文指導に定評のある河本先生に解説していただきました。たったひとつのテーマでも、学問によって捉え方や考え方が違います。その違いを楽しみながら、活きのいい「考えるヒント」をここで手に入れてください!

誰もが知っているユニクロは、地代、人件費が極端に安い中国に工場を作り、信じがたいほどの低価格商品の提供に成功しました。その後このユニクロの手法は衣料生産において一般化し、多くの同業他社が追随しました。生産は中国で、というのはもう抵抗できない流れになっています。ではこの中国で何が起きているのでしょう。


工場は地代の特に安い農業地帯に建てられます。そして現金収入が少ない農業地帯では、皆工場への就職を希望し、日本のメーカーの求人に殺到します。現金収入が少ない地帯では、農業よりも工場での仕事のほうがどうしても魅力的に映ってしまうのは仕方がないことです。しかしこうなるとどうしても考えなければならない問題が浮上します。つまり、一体誰が食料を作るのか、という難問です。多くの人が農業を捨て、工場へ向かうとその地域での農業生産量が著しく減少し、特に不作の年などはお金があっても食べ物がないという不思議な状態が生まれます。またそうでなくても、工場で働く豊かな層と農業に従事する現金収入の少ない貧困層に社会が二分化し、社会が騒然とする事態も避けられません。


今中国で起こっていることは、世界史の一つの練習問題です。豊かさと平和のバランス、テロや争いのない社会の実現、問われているのはこれらの視点です。私たちの国内問題にとってみれば、「生産は中国で」というのは自然な流れで、中国の工場労働者も決してこれを批判しません。ここには経営学の問題が潜んでいます。商売に甘えは禁物、一生懸命お金を稼ぐ、ということは人間の禁じえない衝動の一つでしょう。しかしだからといって、ある地域の農業を壊滅させてはなりません。ここには農学や国際関係学の問題が潜んでいます。農業技術を含めた援助の問題です。バイオテクノロジー、遺伝子工学も、この「誰がどれだけの食料を調達するのか」という問いにおいて問題になっているのです。
 世界で最も豊かな生活をする日本の大学入試では、特に小論文においてこの二つの視点は非常に強く問われます。国立大学の社会科学系、学際系学部の小論文では、南北問題、国際援助、食糧問題は環境問題の出題頻度を超えて圧倒的な頻出テーマになっています。特に中国は今後非常に狙われやすいテーマとなるでしょう。